JIS K 0050 化学分析方法通則|日本産業規格|最新情報 更新 改正制定

JIS K 0050 化学分析方法通則の日本産業規格 JISK0050の一覧・基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!

JIS K0050:2019の規格は,化学分析方法に関する一般的な事項について規定。

化学分析方法通則 規格 一覧表

JIS K 0050

化学分析方法通則の一覧

最新 JIS K0050 規格の詳細 更新日 情報

JIS K 0050:2019の最新の詳細や改正,更新日の情報!

JIS 改正 最新情報

JIS規格番号 JIS K0050 JIS改正 最新・更新日 2019年02月20日
規格名称 化学分析方法通則
英語訳 General rules for chemical analysis
対応国際規格 ISO
主務大臣 経済産業 制定 年月日 1964年03月01日
略語・記号 No JIS K0050:2019
ICS 71.040.40JISハンドブック 石油:2019,計測標準:2019
改訂 履歴 1964-03-01 (制定),1967-01-01 (確認),1969-11-01 (確認),1972-11-01 (確認),1976-03-01 (確認),1979-07-01 (確認),1983-12-01 (改正),1989-04-01 (確認),1991-03-01 (改正),1996-01-01 (確認),2003-05-20 (確認),2005-03-20 (改正),2009-10-01 (確認),2011-02-21 (改正),2015-10-20 (確認),2019-02-20 (改正)

JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。

JIS K0050:2019 目次

  • 1 適用範囲
  • 2 引用規格
  • 3 用語と定義
  • 4 量と単位
  • 5 数値の表し方と丸め方
  •  5.1 数値の表し方
  •  5.2 数値の丸め方
  • 6 化学分析の種類
  •  6.1 一般事項
  •  6.2 定性分析
  •  6.3 定量分析
  • 7 化学分析に用いる水,試薬,器具と計測器
  •  7.1 水と試薬
  •  7.2 器具
  •  7.3 計測器
  • 8 分析・保管場所の状態
  •  8.1 分析場所の状態
  •  8.2 試薬と溶液類の保管場所の状態
  • 9 サンプリング
  •  9.1 試料の採取
  •  9.2 試料の取扱いと保存
  • 10 試料の前処理
  • 11 定量操作
  •  11.1 定量値の求め方
  •  11.2 検量線の作成方法
  •  11.3 空試験値の求め方
  •  11.4 分析回数と分析値の決め方
  • 12 化学分析で用いる標準物質
  •  12.1 一般事項
  •  12.2 純物質系標準物質
  •  12.3 組成標準物質
  • 13 記録
  • 14 化学分析の信頼性
  • 15 化学分析の安全と環境に関する注意事項
  • 附属書A(参考)化学的方法による定性分析
  • 附属書B(参考)沈殿重量分析の一般的操作
  • 附属書C(参考)容量分析の一般的操作
  • 附属書D(規定)化学分析に用いる水
  • 附属書E(規定)特殊用途の水の調製方法と保存方法
  • 附属書F(参考)主な器具の洗浄方法
  • 附属書G(参考)白金器具使用上の注意
  • 附属書H(規定)はかり(天びん)のひょう量値に対する空気の浮力補正
  • 附属書I(規定)体積計の校正方法

適用範囲 [1]

この規格は,化学分析方法に関する一般的な事項について規定する。

なお,この規格における化学分析方法は,物質の化学種の定性と/又は定量を行うための操作・技術をいい,化学的方法,物理的方法などがあるが,この規格では,主に化学的方法に基づく定性分析と定量分析について規定する。

引用規格 [2]

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 JIS A 1960 室内空気のサンプリング方法通則

JIS B 7414 ガラス製温度計

JIS B 7601 上皿天びん

JIS B 7609 分銅

JIS B 7611-1 非自動はかり-性能要件と試験方法-第1部:一般計量器

JIS B 7611-2 非自動はかり-性能要件と試験方法-第2部:取引又は証明用

JIS B 7611-3 非自動はかり-性能要件と試験方法-第3部:分銅とおもり-取引又は証明用

JIS C 1602熱電対

JIS C 1604 測温抵抗体

JIS H 6201 化学分析用白金るつぼ

JIS H 6202 化学分析用白金皿

JIS K 0055 ガス分析装置校正方法通則

JIS K 0060 産業廃棄物のサンプリング方法

JIS K 0094 工業用水・工場排水の試料採取方法

JIS K 0095 排ガス試料採取方法

JIS K 0113 電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門)

JIS K 0214 分析化学用語(クロマトグラフィー部門) JIS K 0215 分析化学用語(分析機器部門)

JIS K 0216 分析化学用語(環境部門) JIS K 0410-3-4 水質-サンプリング-第4部:天然と人造湖からのサンプリングの指針

JIS K 0410-3-7 水質-サンプリング-第7部:ボイラ施設の水と蒸気のサンプリングの指針

JIS K 0410-3-8 水質-サンプリング-第8部:湿性沈着のサンプリングの指針

JIS K 0410-3-9 水質-サンプリング-第9部:海水のサンプリングの指針

JIS K 0410-3-10 水質-サンプリング-第10部:廃水のサンプリングの指針

JIS K 0410-3-12 水質-サンプリング-第12部:底質のサンプリングの指針

JIS K 0557 用水・排水の試験に用いる水

JIS K 0970 ピストン式ピペット

JIS K 8001 試薬試験方法通則

JIS K 8005 容量分析用標準物質

JIS K 8085 アンモニア水(試薬)

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) JIS K 8103 ジエチルエーテル(試薬)

JIS K 8180 塩酸(試薬) JIS K 8223 過塩素酸(試薬)

JIS K 8230 過酸化水素(試薬) JIS K 8355 酢酸(試薬)

JIS K 8509 臭化水素酸(試薬) JIS K 8541 硝酸(試薬)

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) JIS K 8603 ソーダ石灰(試薬)

JIS K 8780 ピロガロール(試薬) JIS K 8819 ふっ化水素酸(試薬)

JIS K 8917 よう化水素酸(試薬) JIS K 8951 硫酸(試薬)

JIS K 9005 りん酸(試薬) JIS M 8100 粉塊混合物-サンプリング方法通則

JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具

JIS R 3505 ガラス製体積計

JIS Z 8000-1 量と単位-第1部:一般

JIS Z 8000-3 量と単位-第3部:空間と時間

JIS Z 8000-4 量と単位-第4部:力学

JIS Z 8000-5 量と単位-第5部:熱力学

JIS Z 8000-6 量と単位-第6部:電磁気

JIS Z 8000-7 量と単位-第7部:光

JIS Z 8000-8 量と単位-第8部:音

JIS Z 8000-9 量と単位-第9部:物理化学と分子物理学

JIS Z 8000-10 量と単位-第10部:原子物理学と核物理学

JIS Z 8000-11 量と単位-第11部:特性数

JIS Z 8000-12 量と単位-第12部:固体物理学

JIS Z 8301 :2008 規格票の様式と作成方法

JIS Z 8401数値の丸め方

JIS Z 8402-1 測定方法と測定結果の精確さ(真度と精度)-第1部:一般的な原理と定義 JIS Z 8402-2 測定方法と測定結果の精確さ(真度と精度)-第2部:標準測定方法の併行精度と再現精度を求めるための基本的方法

JIS Z 8402-3 測定方法と測定結果の精確さ(真度と精度)-第3部:標準測定方法の中間精度 JIS Z 8402-4 測定方法と測定結果の精確さ(真度と精度)-第4部:標準測定方法の真度を求めるための基本的方法

JIS Z 8402-6 測定方法と測定結果の精確さ(真度と精度)-第6部:精確さに関する値の実用的な使い方 JIS Z 8704 温度測定方法-電気的方法

JIS Z 8705 ガラス製温度計による温度測定方法

JIS Z 8706 光高温計による温度測定方法

JIS Z 8707 充満式温度計とバイメタル式温度計による温度測定方法

JIS Z 8710 温度測定方法通則

JIS Z 8802 pH測定方法

JIS Z 8805 pH測定用ガラス電極

JIS Z 8816 粉体試料サンプリング方法通則

JIS Z 9002 計数規準型一回抜取検査(不良個数の場合)(抜取検査その2) JIS Z 9003 計量規準型一回抜取検査(標準偏差既知でロットの平均値を保証する場合と標準偏差既知でロットの不良率を保証する場合)

JIS Z 9004 計量規準型一回抜取検査(標準偏差未知で上限又は下限規格値だけ規定した場合)

JIS Z 9015-0 計数値検査に対する抜取検査手順-第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論

JIS Z 9015-1 計数値検査に対する抜取検査手順-第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式

JIS Z 9015-2 計数値検査に対する抜取検査手順-第2部:孤立ロットの検査に対するLQ指標型抜取検査方式

JIS Z 9015-3 計数値検査に対する抜取検査手順-第3部:スキップロット抜取検査手順

ISO 384,Laboratory glass and plastics ware-Principles of design and construction of volumetric instruments

ISO 1042,Laboratory glassware-One-mark volumetric flasks ASTM E288,Standard specification for laboratory glass volumetric flasks

用語と定義 [3]

この規格で用いる主な用語と定義は,JIS K 0211,JIS K 0212,JIS K 0213,JIS K 0214,JIS K 0215とJIS K 0216によるほか,次による。

化学種(chemical species) [3.1]

物質を構成している元素又は化合物の構造的若しくは組織的形態。

分析種(analyte) [3.2]

分析試料又は試料溶液中の被検成分。分析対象成分ともいう。

分析試料(analytical portion) [3.3]

分析を行うために,分析用試料からはかりとったもの,又は測定にかけられる状態に調製した試料。測定試料ともいう。

分析用試料(analytical sample) [3.4]

分析を行うために,試験室試料について何らかの予備処理を行った試料。測定用試料ともいう。

定量値(quantitative value) [3.5]

化学種の量を明らかにする操作によって得られた値。

分析値(analytical value) [3.6]

化学分析の結果として得られた値。

測定値(measured value) [3.7]

測定によって得られた値。

量と単位 [4]

量と単位の表し方は,JIS Z 8000規格群に規定する国際単位系(SIと併用を認めている単位を含む。)によるほか,次による。ただし,強制法規がある場合において,やむを得ない場合は,この限りではない。

  • a) 質量分率,体積分率又は物質量分率【モル分率】については,質量分率0.05のように,無名数で表す【例1参照】。数値の後に空白を挿入して,0.01を表す%又は0.001を表す‰【「パーミル」という。】を用いて表してもよい【例2参照】。また,%又は‰の後にどの分率によるかを表示してもよい【例3参照】。
  • 例1 質量分率0.05

    例2 質量分率5 %

    例3 5 %(質量分率) 注記1 JIS Z 8000-1の6.5.5(単位1)には,「質量分率と体積分率は,また,μg/g=10-6又はmL/m3 =10-6という形式で表すこともできる。」と規定されていて,質量分率と体積分率には,組立単位の使用が認められている。

    注記2 JIS Z 8000-1の6.5.5(単位1)には,「ppm,pphm,ppb,pptなどのような略号は,言語によるので,不明瞭であるため,用いてはならない。代わりに,10のべき乗の使用が望ましい。」と規定されている。ただし,計量法では,単位として「質量百分率(%),質量千分率(‰),質量百万分率(ppm),質量10億分率(ppb),質量1兆分率(ppt),質量1,000兆分率(ppq),体積百分率(vol %又は%),体積千分率(vol ‰又は‰),体積百万分率(vol ppm又はppm),体積10億分率(vol ppb又はppb),体積1兆分率(vol ppt又はppt),体積1,000兆分率(vol ppq又はppq)とピーエッチ(pH)」を使用することとされているので,法定関係での分析においては,「強制法規がある場合において,やむを得ない場合」に該当して,ppmなどの使用が認められている。

  • b) 表内のある行又は列の各欄の全てに%を用いて表した組成を示す場合,見出し欄に質量分率(%),%(質量分率)などのように,質量分率,体積分率又は物質量分率のいずれかを記載する。この場合,質量分率(%)などを表の単位記号としてもよい。
  • なお,固体の組成で,質量分率の百分率で表すことが明らかな場合には,質量分率と記載せず,単に%だけとしてもよい。また,この場合,表の単位記号を%としてもよい。

  • c) 質量濃度(質量を混合物の体積で除したもの)又は物質量濃度(物質量を混合物の体積で除したもの)の記載においては,体積の測定条件を明示する。ただし,20 °Cでの液体の体積の場合又は101.325 kPa,0 °Cでの気体の体積の場合については明示しなくてもよい。
  • d) 水素イオン活量の逆数の常用対数は,「pH」で表す。
  • e) 水との混合比で表すことのできる試薬(表1)については,試薬の体積aと水の体積bとを混合した場合,「試薬名(a+b)」又は「化学式(a+b)」と表示してもよい。
  • なお,この表と異なる純度,物質量濃度又は密度の試薬を用いる場合,(a+b)の表示は適用できない。

【 表 1 】 水との混合比で表すことのできる試薬
試薬の名称 化学式 純度又は濃度%(質量分率) 物質量濃度(概略値)a) mol/L 密度(20 °C)a)g/cm3(g/mL) 適用できる試薬の規格
塩酸b)HCl35.0~37.011.71.18JIS K 8180
硝酸HNO360~6113.31.38JIS K 8541
過塩素酸HClO460.0~62.09.41.54JIS K 8223
ふっ化水素酸HF46.0~48.027.01.15JIS K 8819
臭化水素酸HBr47.0~49.08.81.48JIS K 8509
よう化水素酸HI55.0~58.07.51.70JIS K 8917
硫酸H2SO495.0以上17.8以上1.84以上JIS K 8951
りん酸H3PO485.0以上14.7以上1.69以上JIS K 9005
酢酸CH3COOH99.7以上17.4以上1.05以上JIS K 8355
アンモニア水NH328.0~30.015.40.90JIS K 8085
過酸化水素H2O230.0~35.51.12JIS K 8230

a) 純度又は濃度が範囲で表される試薬の物質量濃度と密度は,その範囲を示す値の平均値を示す。
b) JIS K 8180に規定する塩酸(試薬)には,特級,ひ素分析用と微量金属分析用があるが,この表に示す塩酸は,特級である。ただし,ひ素分析用については,塩酸(ひ素分析用)と記すことによって,箇条4のe) に規定した(a+b)の表示を適用できる。

数値の表し方と丸め方 [5]

数値の表し方 [5.1]

数値を指定するときの表し方は,JIS Z 8301 :2008のI.1.1(数値の表し方)によるほか,次による。

  • a) 「1」,「1.1」,「1.23」のように数値を表す場合,丸めた結果が示した値になることを意味する。
  • b) 許容差として「±」を付けて数値を指定する場合,丸めた結果が指定した範囲にあることを許容することを意味する。
  • 例1 5.0±0.2とした場合,丸めた結果が4.8~5.2の範囲にあることを許容することを意味する。

  • c) 「10~15」のように,連続符号「~」を付けて範囲を指定する場合,丸めた結果が10から15までの範囲にあることを許容することを意味する。例えば,正確に10以上かつ15以下を示したいときは,「10.00~15.00」のように,必要な桁数を明示する。ただし,「10 °C~15 °C」のように温度範囲を指定する場合は,範囲の最低値は1桁下の数値を切り捨てた温度を,最高値は切り上げた温度を意味する。
  • d) 「約2.0」のように「約」を付けて数値を指定する場合,その数値に近い値を意味する。許容範囲が必要なときは,その数値の±10 %又はその数値への丸め誤差のいずれか幅広い方とする。
  • 例2 約2と約10の許容範囲は,その数値の±10 %にすると,それぞれ1.8~2.2,と9~11である。一方,その数値への丸め誤差とすると,丸めの幅が1の場合,1.5~2.5と9.5~10.5である。したがって,いずれか幅広い方とするので,約2と約10の許容範囲は,それぞれ数値の丸め方に従った範囲1.5~2.5,とその数値の±10 %に相当する9~11となる。

  • e) 温度と温度差を小数点以下の指定がない整数で示す場合,セルシウス度(°C)を用いるときは,指定した温度の±1 °C又は±5 %のいずれか大きい方の差を許容することを意味し,ケルビン(K)を用いるときは,指定した温度の±1 K又は指定した温度から273を差し引いた値の±5 %のいずれか大きい方の差を許容することを意味する。
  • f) 数値を指定するときの表し方には,「約1 gを0.1 mgの桁まで読み取る。」のように読取りに必要な桁を示してもよい。
  • g) 体積について「正確に10 mL」のように指定するときは,全量フラスコ,全量ピペット,ビュレットなどを用い,その体積計のもつ正確さで液体をはかることを意味する。
  • h) 質量について「正確に10.0 g」を指定する場合と,「約10 gを1 mgの桁まで正確にはかる」を指定する場合とを明確に区別する。前者は丸めた結果が10.0 gであることを意味し,後者は例えば9.856 gのようにはかることを意味する。

数値の丸め方 [5.2]

測定値・計算値を丸める場合の丸め方は,JIS Z 8401 による。

化学分析の種類 [6]

一般事項 [6.1]

化学分析は,化学的と/又は物理的な各種の原理に基づいた多くの種類があり,分析の目的,試料,分析種の性状などをあらかじめ十分に把握し,適切な分析方法を選択して行う。ここでは,化学分析の種類を定性分析と定量分析に分け,定量分析についてはその基本となる測定技術の種類によって分類する。ただし,この分類では分かりにくく,社会一般によく知られた分析方法名称がある場合はそれらを追加する。機器を用いる分析方法に共通する一般事項は,それぞれの日本産業規格(以下,JISという。)による。化学分析の主な種類は,次による。

定性分析 [6.2]

[6.2.1] 化学的方法による定性分析

化学的方法による定性分析は,次による。その一般的な方法の概要を,附属書Aに参考として示す。

  • a) 陽イオンの定性分析 陽イオンでは,水酸化ナトリウム又はアンモニアによる沈殿生成又は溶解で確認する方法,塩化物イオン,硫化物イオン,クロム酸イオンなどと反応させて沈殿生成させる方法,酸化還元反応による分析種の析出又はガス成分として分離する方法などがある。また,乾式による予備試験として,色,結晶形,密度,硬度などを調べる物理的性質の観察,塩類を無色の炎中に入れて
  • 強熱し,炎色反応によって元素特有の色を確認する方法などがある。

  • b) 陰イオンの定性分析 陰イオンでは,バリウムイオン又は銀イオンによる沈殿生成又は溶解で確認する方法,イオン特有の着色による方法,液性,臭気,炭化試験などを用いる方法などがある。
  • c) その他 比色分析,ペーパークロマトグラフィー,薄層クロマトグラフィー,点滴分析,鏡検分析などがある。

[6.2.2] 物理的方法による定性分析

定性分析の原理には,標準物質を用いた光分析におけるスペクトル,X線照射における蛍光X線,電子線分析における特性X線,電気化学分析における金属元素の析出と溶出の電位,質量分析における質量スペクトルと同位体比,クロマトグラフィーにおける保持時間,熱分析におけるガラス転移点,融点などによるものがある。

定量分析 [6.3]

[6.3.1] 重量分析

重量分析は,定量しようとする成分を一定の組成の純物質として分離し,その質量又は残分の質量から分析種の量を求める方法であり,用いる分離方法によって主に次の3種類に区分する。

  • a) 沈殿重量分析 沈殿重量分析は,試料溶液中の分析種を沈殿として分離し,その沈殿又は沈殿を別の一定組成の物質に変えたものの質量をはかって定量する方法である。沈殿重量分析の一般的操作方法を,附属書Bに参考として示す。
  • b) ガス重量分析 ガス重量分析は,試料を直接加熱するか又は試料に試薬を反応させ,試料中の分析種を気体として分離し,分離した気体を吸収剤に吸収させて,その質量の増加をはかり,定量する方法である。
  • c) 電解重量分析 電解重量分析は,試料溶液中の分析種を電解によって電極上に析出分離し,その質量をはかって定量する方法である。

[6.3.2] 容量分析

容量分析は,滴定操作によって分析種の全量と定量的に反応する滴定液(滴定用溶液ともいう。)の体積を求め,その値から分析種を定量する方法である。容量分析の一般的操作方法を,附属書Cに参考として示す。電位差・電流・電量・カールフィッシャーに関する滴定方法は,JIS K 0113による。

滴定は,化学反応の種類によって次の4種類に区分する。

  • a) 中和滴定(酸塩基滴定) 酸と塩基との中和反応を利用する滴定によって定量する方法
  • b) 酸化還元滴定 酸化還元反応を利用する滴定によって定量する方法
  • c) 錯滴定 錯体の生成又は分解反応を利用する滴定によって定量する方法
  • d) 沈殿滴定 沈殿の生成又は消滅を利用する滴定によって定量する方法
  • 注記 滴定には,その操作方法によって,次の種類がある。

    • 1) 直接滴定 試料溶液に滴定液を直接滴加して滴定する方法
    • 2) 逆滴定 試料溶液に過剰量の標準液を一定量加え,その過剰量を他の種類の滴定液を用いて滴定し,分析種の量を間接的に求める方法。反応が遅く直接滴定が困難な場合,沈殿又は副反応を生じる場合,適切な指示薬が得られない場合などに用いる。

[6.3.3] 光分析

光分析は,光の放射,吸収,散乱などを利用して行う方法である。紫外・可視分光分析,真空紫外分光分析,赤外分光分析,近赤外分光分析,ラマン分光分析,蛍光光度分析,原子吸光分析,炎光光度分析,発光分光分析(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析,スパーク放電発光分光分析など),化学発光分析などがある。

[6.3.4] 電磁気分析

電磁気分析は,X線,電子線,電場,磁場などの電磁気的特性を分析種に作用させて,分子,原子などに関する情報を得る方法である。蛍光X線分析,電子線マイクロアナリシス,核磁気共鳴分析,電子スピン共鳴分析,質量分析(ガスクロマトグラフィー質量分析,高速液体クロマトグラフィー質量分析,高周波誘導結合プラズマ質量分析),放射化分析などがある。

[6.3.5] 電気化学分析

電気化学分析は,物質の電気的又は電気化学的性質を直接的又は間接的に利用して行う方法である。電位差滴定,電流滴定,電量滴定,イオン電極測定方法,ボルタンメトリー,電気伝導率測定方法などがある。

[6.3.6] クロマトグラフィー

クロマトグラフィーは,試料を固定相に接して流れる移動相に導入して,固定相と移動相に対する成分の特性の差によって分離する方法である。ガスクロマトグラフィー,高速液体クロマトグラフィー,イオンクロマトグラフィー,超臨界流体クロマトグラフィーなどがある。

[6.3.7] 熱分析

熱分析は,物質の温度を調節したプログラムに従って変化させながら,その物質と/又はその反応生成物による物理的性質を温度の関数として測定する一群の技法を用いて行う方法である。示差熱分析,示差走査熱量測定,熱重量測定,熱機械分析などがある。

[6.3.8] 流れ分析

流れ分析は,流れの中で分析種と試薬とを反応させた成分を下流に設けた検出部で連続的に検出,定量する方法である。フローインジェクション分析,連続流れ分析,シーケンシャルインジェクション分析などがある。

[6.3.9] 電気泳動分析

電気泳動分析は,直流電場のもとで液体の媒質中を帯電した粒子がいずれか一方の極へ移動することを利用して分離する方法である。ゾーン電気泳動法,等速電気泳動法,等電点電気泳動法などがある。

化学分析に用いる水,試薬,器具と計測器 [7]

水と試薬 [7.1]

水と試薬は,次による。

  • a) 水 水は,附属書Dによる。ただし,各化学分析方法のJISに規定がある場合は,それによる。また,附属書Eに,特殊用途の水として,溶存酸素を除いた水と二酸化炭素を除いた水の調製方法,並びにそれらの水の保存方法を示す。

なお,水と溶液は,用いる温度によって次のように区分する。

冷水(15 °C以下の水)温水と温溶液(40 °C以上60 °C未満の水と溶液)

熱水と熱溶液(60 °C以上の水と溶液)1)

注1) 60 °C以上に加熱すると揮散による濃度変化を起こすような溶液については,加熱温度範囲を60 °C~70 °Cにすることが望ましい。

  • b) 試薬 試薬は,JISに規定するもの又はこれと同等以上のものを用い,JISに規定がない場合は,試験に支障のないものを用いる。また,電気加熱原子吸光分析,高周波誘導結合プラズマ質量分析など,

極微量成分の試験には,高純度の試薬を用いる。

表1に示す試薬については,試薬名又は化学式で表示することができる。表1と異なる純度又は濃度,物質量濃度と密度の試薬を用いる場合は,その純度又は濃度を試薬名又は化学式の後に記載する。

器具 [7.2]

器具には,ガラス器具,磁器器具,石英ガラス器具,白金器具,合成樹脂製器具,ろ紙などがあり,JISに規定するもの[例えば,JIS R 3503:化学分析用ガラス器具,JIS H 6201:化学分析用白金るつぼ,JIS H

6202:化学分析用白金皿とJIS P 3801:ろ紙(化学分析用)],又はこれと同等のものを用いる。JISに規定されていないもの(例えば,合成樹脂製のデシケーターなど)については,その分析に適切なものを用いる。また,化学分析に用いる器具は,分析の前に洗浄操作を行う。 なお,けい素,ほう素,ナトリウム,カリウム,ひ素,亜鉛などを分析する場合には,ほうけい酸ガラスからのこれらの成分の溶出に十分に注意する。

注記1 ガラス器具,磁器器具,石英ガラス器具,白金器具(白金るつぼ又は白金皿)と合成樹脂製器具の洗浄方法を,附属書Fに参考として示す。

注記2 白金器具(白金るつぼ又は白金皿)使用上の注意を,附属書Gに参考として示す。

計測器 [7.3]

計測器は,次による。

  • a) 質量の計測器 質量は,化学はかり(化学天びん),精密はかり(精密天びん),上皿はかり(上皿天びん),電子はかり(電子天びん)などの計測器を用いてはかる。はかり(天びん)は,JIS B 7601に規定する上皿天びん,JIS B 7611-1~JIS B 7611-3などに規定する非自動はかりによる。はかり(天びん)の設置は,水平を保ち,風,温度変化と振動の影響を受けない場所を選ばなければならない。はかり(天びん)は,定期的に点検,校正を行う。はかり(天びん)を用いてひょう量するときの空気の浮力補正は,附属書Hによる。
  • b) 体積の計測器 液体,気体などの体積は,次に示す体積計を用いてはかる。特に正確さを必要とする場合は,校正済みの体積計を用いる。
    • 1) 液体 液体の体積をはかる場合は,JIS R 3505に規定するビュレット,メスピペット,全量ピペット,全量フラスコ,首太全量フラスコ,メスシリンダーのほか,JIS K 0970に規定するピストン式ピペットを用いる。その他,体積をはかるものとしてマイクロシリンジなどがある。JIS R 3505に規定する材質以外のものを用いる場合は,個別規格に規定する。樹脂製体積計は,ASTM E288,ISO
    • 384又はISO 1042などのクラスBで保障されたものを使用することが望ましい。全量ピペット,全量フラスコ,ビュレットなどの校正は,附属書Iに示すものの中から適切な方法によって行う。

    • 2) 気体 気体の体積をはかる場合は,ガスビュレット,ガスメーター,注射筒,マイクロシリンジ,気体計量管などを用いる。
  • c) 温度の計測器 温度の計測器は,ガラス製温度計,熱電対温度計,光高温計などを用いる。温度計は,JIS B 7414,JIS C 1602 ,JIS C 1604などによる。温度の測定方法は,JIS Z 8704~JIS Z 8707とJIS
  • Z 8710による。特に正確さを必要とする場合は,JIS Z 8710によってあらかじめ温度計の校正を行う。

  • d) その他の計測器 溶液のpHをはかる計測器は,JIS Z 8802に規定するpH計とJIS Z 8805に規定するガラス電極を用いる。pHの測定方法は,JIS Z 8802による。

化学分析 関連 主なJIS規格 一覧

規格番号 規格名称 規格番号 規格名称
JIS H 6201化学分析用白金るつぼJIS H 6202化学分析用白金皿
JIS H 6203化学分析用白金ボートJIS K 0050化学分析方法通則
JIS K 0141表面化学分析-データ転送フォーマットJIS K 0142表面化学分析-情報フォーマット
JIS K 0143表面化学分析-二次イオン質量分析法-シリコン中に均一に添加されたボロンの原子濃度の定量方法JIS K 0144表面化学分析-グロー放電発光分光分析方法通則
JIS K 0145表面化学分析-X線光電子分光装置-エネルギー軸目盛の校正JIS K 0146表面化学分析-スパッター深さ方向分析-層構造系標準物質を用いた最適化法
JIS K 0147-1表面化学分析-用語-第1部:一般用語と分光法に関する用語JIS K 0147-2表面化学分析-用語-第2部:走査型プローブ顕微鏡に関する用語
JIS K 0148表面化学分析-全反射蛍光X線分析法(TXRF)によるシリコンウェーハ表面汚染元素の定量方法JIS K 0150表面化学分析-亜鉛と/又はアルミニウム基金属めっきのグロー放電発光分光分析方法
JIS K 0152表面化学分析-X線光電子分光法-強度目盛の繰返し性,再現性と一定性JIS K 0153表面化学分析-二次イオン質量分析法-スタティック二次イオン質量分析法における相対イオン強度目盛の繰返し性,再現性と一定性の確認方法
JIS K 0154表面化学分析-分析試料の準備と取付けに関する指針JIS K 0155表面化学分析-二次イオン質量分析法-単一イオン計数飛行時間形質量分析器における強度軸の線形性
JIS K 0156表面化学分析-二次イオン質量分析法-デルタ多層標準物質を用いたシリコンの深さ校正方法JIS K 0160表面化学分析-シリコンウェーハ表面からの金属の化学的回収方法と全反射蛍光X線(TXRF)分析法による定量方法
JIS K 0161表面化学分析-オージェ電子分光法-装置性能を示す主要な項目の記載方法JIS K 0162表面化学分析-X線光電子分光法-装置性能を示す主要な項目の記載方法
JIS K 0163表面化学分析-二次イオン質量分析法-イオン注入標準物質を用いた相対感度係数の決定方法JIS K 0164表面化学分析-二次イオン質量分析法-シリコン内のボロンの深さ方向分布測定方法
JIS K 0165表面化学分析-汎用オージェ電子分光器による元素分析のためのエネルギー軸の校正方法JIS K 0166表面化学分析-高エネルギー分解能をもつオージェ電子分光器による元素分析と化学結合状態分析のためのエネルギー軸の校正方法
JIS K 0167表面化学分析-オージェ電子分光法とX線光電子分光法-均質物質定量分析のための実験的に求められた相対感度係数の使用指針JIS K 0168表面化学分析-スタティック二次イオン質量分析法の情報フォーマット
JIS K 0169表面化学分析-二次イオン質量分析法-デルタ多層標準物質を用いた深さ分解能パラメータ評価方法JIS M 8852セラミックス用高シリカ質原料の化学分析方法
JIS M 8853セラミックス用アルミノけい酸塩質原料の化学分析方法JIS M 8856セラミックス用高アルミナ質原料の化学分析方法
JIS P 3801ろ紙(化学分析用)JIS R 1301化学分析用磁器るつぼ
JIS R 1302化学分析用磁器蒸発ざらJIS R 1306化学分析用磁器燃焼ボート
JIS R 1307化学分析用磁器燃焼管JIS R 1603ファインセラミックス用窒化けい素微粉末の化学分析方法
JIS R 1616ファインセラミックス用炭化けい素微粉末の化学分析方法JIS R 1649ファインセラミックス用アルミナ微粉末の化学分析方法
JIS R 1675ファインセラミックス用窒化アルミニウム微粉末の化学分析方法JIS R 1688ファインセラミックス用マグネシア微粉末の化学分析方法
JIS R 2011炭素と炭化けい素含有耐火物の化学分析方法JIS R 2012ジルコン-ジルコニア質耐火物の化学分析方法
JIS R 2013アルミナ-ジルコニア-シリカ質耐火物の化学分析方法JIS R 2014アルミナ-マグネシア質耐火物の化学分析方法
JIS R 2015耐火物用炭化ほう素原料の化学分析方法JIS R 2212-1耐火物製品の化学分析方法-第1部:粘土質耐火物
JIS R 2212-2耐火物製品の化学分析方法-第2部:けい石質耐火物JIS R 2212-3耐火物製品の化学分析方法-第3部:高アルミナ質耐火物
JIS R 2212-4耐火物製品の化学分析方法-第4部:マグネシアとドロマイト質耐火物JIS R 2212-5耐火物製品の化学分析方法-第5部:クロム・マグネシア質耐火物
JIS R 2522耐火物用アルミナセメントの化学分析方法JIS R 3502化学分析用ガラス器具の試験方法
JIS R 3503化学分析用ガラス器具JIS R 3646化学分析用ガラス器具の共通テーパーすり接手
JIS R 3651化学分析用ガラス器具の共通球面すり接手JIS R 5202セメントの化学分析方法
JIS R 6123アルミナ質研削材の化学分析方法JIS R 6124炭化けい素質研削材の化学分析方法
JIS R 7223黒鉛素材の化学分析方法JIS R 9101せっこうの化学分析方法
JIS R 9301-3-1アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-1:乾燥減量の定量JIS R 9301-3-10アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-10:酸化ほう素の定量
JIS R 9301-3-11アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-11:ふっ素の定量JIS R 9301-3-2アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-2:強熱減量の定量
JIS R 9301-3-3アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-3:アルカリ融解JIS R 9301-3-4アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-4:加圧酸分解
JIS R 9301-3-5アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-5:酸化けい素(Ⅳ) の定量JIS R 9301-3-6アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-6:酸化鉄 (Ⅲ) の定量
JIS R 9301-3-7アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-7: 酸化チタン(Ⅳ) の定量JIS R 9301-3-8アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-8:酸化カルシウムの定量
JIS R 9301-3-9アルミナ粉末-第3部:化学分析方法-9:酸化ナトリウムの定量JIS Z 3184化学分析用溶着金属の作製方法と試料の採取方法

製品認証、製品規格、試験方法、試験器、関連規格

基本、標準物質、試験・測定方法、テストパターン・標板、器具

日本産業規格の一覧

日本産業規格のアルファベット分類一覧を参照

DIY設計図をダウンロードできますよ!

図面のダウンロード
数多くの「pdf」や「Dxf、Dwg」設計図面ファイルがフリーでダウンロードでき、
3D図面でわかりやすい寸法図になっています。
ご覧ください。