JIS Q 10019 品質マネジメントシステムコンサルタントの選定及びそのサービスの利用のための指針|最新 JIS規格|改正 更新情報

JIS Q 10019 品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための指針の規格 JIS Q 10019の基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!

品質マネジメントシステムとは,「品質に関して組織を指揮し,管理するためのマネジメントシステム」。略してQMS(Quality Management System)と呼ばれることがあり,国際貿易上の技術的障害とならないよう ISO/TC176によって開発されたQMSの規格であるISO 9001については,JIS 日本産業規格として発行しいる。

この規格は,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための手引について規定。

品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための指針 規格 一覧表

JIS Q 10019

品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための指針の一覧

最新 JIS Q10019 規格の詳細 更新日 情報

JIS Q 10019の最新の詳細や改正,更新日の情報!

JIS 改正 最新情報

JIS規格番号 JIS Q10019 JIS改正 最新・更新日
規格名称 品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための指針
英語訳 Guidelines for the selection of quality management system consultants and use of their services
対応国際規格 ISO ISO 10019:2005,Guidelines for the selection of quality management system consultants and use of their services (IDT)
主務大臣 経済産業 制定 年月日 2005年06月20日
略語・記号 No JISQ10019:2005

JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。

品質マネジメントシステムの実現において,組織によっては自組織の要員に頼るところもあるが,外部コンサルタントのサービスを利用する組織もある。組織によるコンサルタントの選定は,その成果としての品質マネジメントシステムが,最も効率的で効果の上がる方法で,組織の計画した目標を確実に達成できるようにするために重要である。品質マネジメントシステムコンサルタントのサービスを利用する場合であっても,組織のトップマネジメントの参画とコミットメントが,品質マネジメントシステムの実現にとって重要な要素である。

この規格は,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定に当たって考慮すべき要素についての手引を提供することを意図している。この規格は、品質マネジメントシステム実現の過程で、組織の固有のニーズ,期待と目的を満たすことのできる品質マネジメントシステムコンサルタントの選定のために、組織が利用することができる。この規格は,更に次のように利用することができる。

  • ● a) コンサルタント自身が,コンサルティングを行うための指針として
  • ● b) コンサルティング組織における,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定のため

適用範囲 [1]

この規格は,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための手引について規定する。

この規格は,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定に当たって組織を支援することを意図している。この規格は,品質マネジメントシステムコンサルタントの力量を評価するためのプロセスに関する手引を示し,また,コンサルタントのサービスに対する組織のニーズと期待が満たされるだろうという信頼を与える。

  • 備考
  • 1. この規格は,認証目的のために利用されることを意図していない。
  • 2. この規格は品質マネジメントシステムの実現について扱うものであるが,同時に,適切に適応させることで,その他のマネジメントシステムの実現にも用いることができる。
  • 3. この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。ISO 10019:2005,Guidelines for the selection of quality management system consultants and use of theirservices (IDT)

引用規格 [2]

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。発効年を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS Q 9000 品質マネジメントシステム-基本と用語

定義 [3]

この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Q 9000の3.(定義)によるほか,次による。

品質マネジメントシステムの実現[3.1]

品質マネジメントシステムを確立し,文書化し,実施し,維持し,継続的に改善するプロセス。

備考 品質マネジメントシステムの実現には,次の事項を含むことができる。

  • ● a) 品質マネジメントシステムに必要なプロセスを特定し、それらの組織への適用を明確にすること
  • ● b) その特定されたプロセスの順序と相互関係を明確にすること
  • ● c) その特定されたプロセスの運用と管理のいずれもが効果的であることを確実にするために必要な,基準と方法を明確にすること
  • ● d) その特定されたプロセスの運用と監視を支援するために必要な資源と情報を利用できることを確実にすること
  • ● e) その特定されたプロセスを監視,測定と分析すること
  • ● f) その特定されたプロセスについて、計画どおりの結果が得られるように、かつ、継続的改善を達成するために必要な処置をとること

品質マネジメントシステムコンサルタント [3.2]

品質マネジメントシステムの実現に関して,助言又は情報を与えて組織を支援する個人。

  • 備考
  • 1. コンサルタントは品質マネジメントシステムの実現化の一部を支援することもできる。
  • 2.この規格は,力量のある品質マネジメントシステムコンサルタントを,力量のないコンサルタントから区別するための手引を提供する。

品質マネジメントシステムコンサルタントの選定 [4]

選定プロセスへのインプット [4.1]

■組織のニーズと期待 [4.1.1]

品質マネジメントシステムコンサルタントを選定する場合,組織は,品質マネジメントシステムの実現についての全体的な目的に基づいて,品質マネジメントシステムコンサルタントに対する組織のニーズと期待を明確にすることが望ましい。トップマネジメントは,品質マネジメントシステムコンサルタントの評価と選定のプロセスに参画することが望ましい。

■コンサルタントの役割 [4.1.2]

選定プロセスでは品質マネジメントシステムの実現における品質マネジメントシステムコンサルタントに求める役割【附属書 A参照】を考慮することが望ましい。コンサルタントの役割には,一般に次の事項が含まれる。

  • ● a) 組織の文化、特性、教育レベルと特有のビジネス環境に適した、品質マネジメントシステムの設計と実施を確実にするために、組織を支援すること。
  • ● b) 品質マネジメントの原則の理解と適用に特別の注意を払いながら,品質マネジメントに関する概念を,明確、かつ、理解しやすい方法で組織全体に説明すること。
  • ● c) あらゆるレベルのすべての関係者とのコミュニケーションをはかり,これら関係者を品質マネジメントシステムの実現に積極的に参画させること。
  • ● d) 品質マネジメントシステムにとって必要とされる適切なプロセスを明確にし、次いで,これらプロセスの相対的な重要性,順序と相互作用を明らかにするに当たって,組織を助言し、支援すること。
  • ● e) プロセスの効果的な計画,運用と管理を確実にするために、不可欠な文書として必要なものを特定するに当たって,組織を支援すること。
  • ● f) 組織が,品質マネジメントシステムのプロセスを改善するための機会を模索することを促すために、品質マネジメントシステムプロセスの有効性と効率を評価すること。
  • ● g) 組織内における品質マネジメントシステムのプロセスアプローチと継続的改善の促進を支援すること。
  • ● h) 品質マネジメントシステムの維持を可能にするために必要な教育・訓練を明確にすることに関して,組織を支援すること。
  • ● i) 該当する場合は,品質マネジメントシステムコンサルタントと他の関連マネジメントシステム(例,環境マネジメント又は労働安全衛生マネジメント)との関係を特定することと、このようなシステム間の統合を促進することに関して組織を支援すること。

■品質マネジメントシステムコンサルタントの力量の評価[4.1.3]

コンサルタントの力量と適切性を評価する場合,次の事項を適切に検討することが望ましい。

  • ● a) 個人的特質【4.2.2参照】
  • ● b) 関連する教育【4.2.3参照】
  • ● c) 品質マネジメントシステムに関して、組織の全体的な目的を達成するために必要な知識と技能【4.2.3,4.2.4と4.2.5参照】
  • ● d) 業務経験【4.2.6参照】
  • ● e) 倫理的行動【4.3参照】

コンサルタントの力量 [4.2]

■一般[4.2.1]

品質マネジメントシステムコンサルタントの選定に当たって,組織は,提供されることとなるコンサルティングサービスの範囲に対して,コンサルタントが適切な力量を維持しているかどうかを評価することが望ましい。

品質マネジメントシステムコンサルタントの力量の概念を,図1に示す。

参考 力量は、知識と技能を適用するための実証された能力とJIS Q 9000に定義されている。

力量の概念

図 1 品質マネジメントシステムコンサルタントの力量の概念

■個人的特質[4.2.2]

個人的特質は,品質マネジメントシステムコンサルタントの実施状況と成果に寄与するものである。一般に,品質マネジメントシステムコンサルタントは,次のようであることが望ましい。

  • ● a) 倫理的である。公正である、信用できる、誠実である、正直である、そして分別がある。
  • ● b) 観察力がある。組織の文化と価値、物理的な周囲の状況並びに活動を絶えず、かつ、積極的に認識する。
  • ● c) 知覚が鋭い。変化と改善の必要性を意識し、理解できる。
  • ● d) 適応力がある。異なる状況へ適応でき、他の選択肢と建設的な解決策を提供できる。
  • ● e) 粘り強い。根気があり,目的の達成に集中する。
  • ● f) 決断力がある。論理的な思考と分析に基づいて,時宜を得た結論に到達することができる。
  • ● g) 自立的である。他人と効果的なやりとりをしながらも自主的に行動し、役割を果たすことができる。
  • ● h) コミュニケーション能力がある。確信のあるそして組織文化に敏感な態度で、組織のあらゆるレベルの人々の意見に注意を払い,効果的に仲立ちすることができる。
  • ● i) 実践的である。優れた時間管理能力をもち、現実的、かつ、柔軟である。
  • ● j) 責任説明能力がある。自己の行動に対する責任をとることができる。
  • ● k) 推進支援能力がある。品質マネジメントシステムの実現を通じて、組織の運営管理と従業員を支援できる。

■教育,知識と技能[4.2.3]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,提供しようとしているコンサルティングサービスに関する知識と技能を習得するために必要な,適切な教育を受けていることが望ましい。代表的な例を附属書Bに示す。

備考 ここでの知識と技能とは一般的な学業に関係するもので、例えば、言語能力、基礎的な自然科学と人文科学の知識をいう。

■品質マネジメントに特有な知識と技能[4.2.4]

■関連規格 [4.2.4.1]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,組織に影響を与え得る次のような関連規格を理解し,適用できることが望ましい。

  • ● JIS Q 9000 品質マネジメントシステム – 基本と用語
  • ● JIS Q 9001品質マネジメントシステム – 要求事項
  • ● JIS Q 9004品質マネジメントシステム – パフォーマンス改善のための指針
  • ● JIS Q 19011 品質と/又は環境マネジメントシステム監査のための指針
  • ● その他,参考文献に挙げた関連ISO規格

さらに,コンサルタントは,コンサルティングサービスで必要なその他の規格についても,知識を備えていることが望ましい。

備考 代表的な例には,次のものが含まれる。

  • ● a) セクター別規格
  • ● b) 計測管理システム規格
  • ● c) 認定規格
  • ● d) 適合性評価規格
  • ● e) 製品規格
  • ● f) ディペンダビリティマネジメント規格
  • ● g) 安全側面に関連する規格

品質マネジメントシステムコンサルタントは,ISO 9000ファミリーの導入と支援文書の一部として開発された,ISO指針文書についても知識をもっていることが望ましい。

■国内と国際的認証と認定システム[4.2.4.2]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,次の事項に関して一般的な知識を備えていることが望ましい。

  • ● a) 国内と国際レベルでの標準化,認証と認定のシステム並びにそのようなシステムの認証機関のための要求事項(例,JIS Z 9362 品質システム審査登録機関に対する一般要求事項)
  • ● b) 製品,システムと要員の国内での認証のためのプロセスと手順

■一般的な品質マネジメントの原則,手法と技法 [4.2.4.3]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,適切な品質原則,手法と技法に関する知識を備え,それを適用できることが望ましい。

次のリストは、コンサルタントの経験と能力が重要であろう領域を示す。

  • ● a) 品質マネジメントの原則
  • ● b) 継続的改善のためのツールと技法
  • ● c) 適切な統計的手法
  • ● d) 監査の手法と技術
  • ● e) 品質経済性の原則
  • ● f) チームワークの技法
  • ● g) PDCA (Plan-Do-Check-Act)手法
  • ● h) 方針展開の手法
  • ● i) プロセスマッピング
  • ● j) 問題解決手法
  • ● k) 顧客/従業員満足のモニタリング方法
  • ● l) ブレーンストーミング法

■組織に特有な知識と技能[4.2.5]

■法令・規制要求事項[4.2.5.1]

組織の活動とコンサルタントの業務範囲に関する法令・規制要求事項の知識は,品質マネジメントシステムコンサルティングにとって不可欠なことである。しかしながら,そのサービスに着手する前に,品質マネジメントシステムコンサルタントがこうした知識を備えていると期待すべきではない。

この分野における関連知識には,代表的なものとして,例えば、JIS Q 9001で求められているような,組織の製品に関する法令・規制要求事項がある。

■製品,プロセスと組織の要求事項[4.2.5.2]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,そのコンサルティングサービスに着手する前に,製品,プロセスと顧客の期待について適切な知識を備え,また,組織が事業を行っている製品事業分野に関する主要な要素を理解していることが望ましい。

コンサルタントは,この知識を次のように適用できることが望ましい。

  • ● a) 組織のプロセスと関連製品の主要な特性を明確にすること。
  • ● b) 組織のプロセスの順序と相互関係を理解すること並びに,それらが製品要求事項を満たすことへの影響を理解すること。
  • ● c) 組織が運営する事業分野の用語を理解すること。
  • ● d) 組織内の構造,機能と関係の特質を理解すること。
  • ● e) 事業の目標と人的資源に求められる力量との戦略的な結びつきを理解すること。

■マネジメントの実務[4.2.5.3]

品質マネジメントシステムコンサルタントは、品質マネジメントシステムを、人的資源を含めた組織の全般的なマネジメントシステムにどのように一体化させ、相互に関係付けるか、そして、組織の到達点と目標を達成するためにどのように品質マネジメントシステムを開発するか、を理解するために関連のあるマネジメントの実務に関する知識を有していることが望ましい。

ある場合には、品質マネジメントシステムに対する組織のニーズ、期待、全般的な目標を満たすために、例えば、事業計画と戦略計画、リスクマネジメント、並びに、事業改善ツールと技法のような付加的な力量が要求されることがある。【附属書 B参照】

■業務経験[4.2.6]

品質マネジメントシステムコンサルタントは,コンサルタントサービスを提供するに当たって、その分野での適切なマネジメント,専門的と技術的な業務経験をもっていることが望ましい。この業務経験には,判断,問題解決とすべての利害関係者とのコミュニケーションを含むことがある(附属書B参照)。

過去の業務経験と実績の検証可能な照会関連資料は重要であり,組織がこれらを利用できるようにすることが望ましい。

コンサルタントの該当する経験には,次の事項の一部又は複数の組合せを含むことがある。

  • ● a) 実務経験
  • ● b) マネジメントの経験
  • ● c) 品質マネジメントにおける経験
  • ● d) 品質マネジメントシステム監査の経験
  • ● e) 次に挙げる一つ又は複数の立場での品質マネジメントシステムの実施経験

1) コンサルタントサービスの提供

2) 品質マネジメントシステム管理責任者として

3) 品質のマネジメントに関する職務の遂行

■力量の維持と改善[4.2.7]

品質マネジメントシステムコンサルタントは、追加の業務経験,監査,訓練,継続的な教育,個人学習、指導(コーチング),専門的な会合・セミナー・会議への参加,又はその他の関連する諸活動のような手段を通じ、力量を維持し、改善することが望ましい。

継続的な専門能力の開発は,組織のニーズ,品質マネジメントシステムコンサルティングサービスの契約条項,規格とその他の関連する要求事項によって必要になることがある。

備考 専門能力の開発は、規制による又は監督権限のある、関連する専門機関、組織又は協会の会員であることとそれらが提供する継続的な個人の能力開発を通じて達成することができる。

倫理的考慮事項 [4.3]

組織は,品質マネジメントシステムコンサルタントを選定する場合,次の倫理的な課題を考慮することが望ましい。コンサルタントは,次のようであることが望ましい。

  • ● a) 実施すべき業務に影響するいかなる利害の衝突を,回避するか,又は言明する。
  • ● b) 組織から提供された又は組織から取得した情報の機密性を維持する。
  • ● c) 品質マネジメントシステムの認証/審査登録又は認定機関からの独立性を維持する。
  • ● d) 組織による認証/審査登録機関の選定における中立性を維持する。
  • ● e) 提案されたコンサルタントサービスに関する現実的な費用見積りを提供する。
  • ● f) コンサルタントサービスに対する、不必要な依存状態を創造しない。
  • ● g) コンサルタントが必要な力量をもっていないところのサービスを提案しない。

品質マネジメントシステムコンサルタントのサービスの利用 [5]

コンサルタントサービス [5.1]

組織は,品質マネジメントシステムの実現のプロセスのなかで,次のうち一つ又は複数についての活動を支援するためのコンサルティングサービスを利用してもよい【A.2参照】。

  • ● a) 目的と要求事項の定義
  • ● b) 初期評価
  • ● c) 計画
  • ● d) 設計・開発
  • ● e) 実施
  • ● f) 評価
  • ● g) 現行の教育訓練と維持
  • ● h) 改善

コンサルタントサービス契約 [5.2]

組織は、品質マネジメントシステムコンサルタントと契約するに当たり、そのコンサルタントの業務範囲(アウトプットを含む)を明確に定義し、現実的なマイルストーン(主要管理点)をもち、組織にとって費用対効果のある契約を確実に締結することが望ましい【A.1参照】。契約を結ぶ場合は,次の事項のような活動【A.2参照】を考慮することが望ましい。

  • ● a) 具体的で,測定可能で,達成可能で,現実的で,期間を限定した,合意による契約目的の設定
  • ● b) 合意によるマイルストーン(主要管理点)とアウトプットを示した詳細な契約のための計画書の設定
  • ● c) すべての利害関係者に対し、この計画書に関するコミュニケーション
  • ● d) 関係する従業員が、品質マネジメントシステムの継続的な評価,維持と改善を実施することができるように,従業員の教育訓練の必要性の明確化。
  • ● e) 計画書の実施
  • ● f) 計画書の有効性の監視と評価,並びに、適切な場合は追加的な処置の実施
  • ● g) 合意したマイルストーン(主要管理点)が満たされているか,又は定め直されていることを確実にする
  • ● h) 契約の成果を承認するためのプロセスを定義する。

システム実施における進ちょく(捗)状況とコンサルタントのパフォーマンスを評価するために,会合を開催することが望ましい。これらの会合では,品質マネジメントシステム実現活動のための計画書と予算の点から,進ちょく(捗)状況をレビューすることが望ましい。文書化した進ちょく(捗)状況報告書を,トップマネジメントへ提出することが望ましい。

コンサルタントサービスの有用な考慮事項 [5.3]

品質マネジメントシステムコンサルタントサービスを利用するプロセスで,組織は,次の事項を考慮することが望ましい。

  • ● a) 結果として構築したシステムが,不必要な管理と文書を生じさせないことが望ましい。
  • ● b) 品質マネジメントシステム構築の成功は,コンサルタントだけでなく,主にトップマネジメントの参画とコミットメントに依存する。
  • ● c) 組織は,コンサルタントの活動を調整し,監視するために、スタッフメンバー(通常,品質マネジメントシステムが維持されていることを最終的に確実にする人物)を指名することが望ましい。
  • ● d) 組織の総合的な運営の中に品質マネジメントシステムを組み込むために,すべての階層の従業員を参画させる。
  • ● e) 組織のプロセスを評価するために、コンサルタントには,組織の管理監督者とすべての階層の従業員と対話する権限を与えられることが望ましい。
  • ● f) 品質マネジメントシステムのコンサルティングが契約又は市場の要求事項に応じたものであったとしても、実現された品質マネジメントシステムを効果的で効率的な運営管理のツールとして利用できる機会とする。
  • ● g) 品質マネジメントシステムには,組織のパフォーマンスの継続的改善のための基盤となる潜在力がある。
  • ● h) コンサルティングサービスは,組織の文化,従業員の力量、と既存のプロセスと/又は文書に基づいていることが望ましい。

附属書A(参考) 品質マネジメントシステムコンサルタントの代表的な活動

初期評価と提案の作成 [A.1]

■初期評価と契約の明確化には代表的な例として次の事項を含む [A.1.1]

  • ● a) トップマネジメントによって提示された組織のニーズ,要求事項と目的の明確化
  • ● b) 次の事項に関連する、組織が明確にしたニーズ,要求事項と目的の初期評価
    • ● 1) 関連する顧客要求事項
    • ● 2) 関連する規格要求事項への適合性
    • ● 3) 関連する法令・規制要求事項の順守
    • ● 4) 現在の管理と業務運営方法
    • ● 5) 組織の現状と,明確にされた達成すべき目的との違いの明確化
  • ● c) 品質マネジメントシステムが,a)で記載され,b)で明確にされたニーズ,要求事項と目的に適合するために必要な活動の文書化
  • ● d) 契約に当たって,c)で規定した活動を実現するためのトップマネジメントに対する提案の作成と,提示

■契約内容には,明りょう(瞭)な言葉で次の事項に関する条項を含めることが望ましい [A.1.2]

  • ● a) 品質マネジメントシステムコンサルティング活動の範囲
  • ● b) 品質マネジメントシステムの実現活動の計画
  • ● c) コンサルタントと組織の、コミットメント,役割、責任並びに成果物
  • ● d) 組織の内部資源についてのコミットメント
  • ● e) コンサルタントの活動を支援するために必要な組織としてのコスト
  • ● f) 監視するための方法
  • ● g) 契約変更の管理方法
  • ● h) 機密保持
  • ● i) 適用される規格
  • ● j) マイルストーン(主要管理点)/完了日
  • ● k) 支払い条件
  • ● l) 時間枠

品質マネジメントシステムの実現例 [A.2]

表A.1参照。表A.2は、実施の支援の例である。

表 A.1 品質マネジメントシステムの実現活動
活動の概要責任者
1. 関連する品質マネジメントシステム規格の主な要求事項と,品質マネジメントシステムの設計・開発における組織とコンサルタントの役割についての,トップマネジメントへの通知 コンサルタント
2. 組織の顧客とその他の利害関係者のニーズと期待の分析 参考 初期評価の結果は,一般に,次のために使用される a) 組織の強みと弱み,並びに、機会と脅威を明確にする(SWOT分析) b) 組織の品質方針と目的を定めることを理解し、支援する c) 品質マネジメントシステム計画の基礎として d) 品質マネジメントシステムの実施に必要な資源の利用可能性を評価する e) 初期監査の基礎として f) 測定可能な目標を明確にする 組織のトップマネジメント(コンサルタントが支援できる)
3. 管理責任者の任命並びに,品質に関する方針,目標とコミットメントの定義を明確にする。このような目標の,組織内の適切な階層と部門への関連付け。 組織のトップマネジメント(コンサルタントが支援できる)
4. 組織の体制,プロセス,コミュニケーション経路と既存のインタフェースについての詳細な分析。品質目標の達成に必要なプロセスと責任の明確化。これらプロセス間の順序と相互関係の明確化。 組織内の様々な部門を担当する人々の協力を得た,管理責任者とコンサルタント。
5. 品質マネジメントシステムの構成、構造を定義し、品質マネジメントシステムに必要な手順を明確にし、作成するための計画書を定める。進ちょく(捗)状況と実行された活動の質を評価するために、適切な主要管理点(マイルストーン)が計画書に定義されることが望ましい。その評価には次の事項がある。 a) 準備し作成した内容と,契約の目的とが一致していること b) 業務の進ちょく(捗)状況 c) 組織の満足(品質マネジメントシステムコンサルタントが提供するサービスに関する)管理責任者とコンサルタント
6. 実施した分析結果と事前に作成した計画のレビュー 組織のトップマネジメントとコンサルタント
7. 組織の品質目標を達成するために必要な内部資源の明確化 組織(コンサルタントが支援できる)
8. 品質マネジメントシステムの実現活動を進めることに参画する要員と,組織の他の関係者(“推進者“)の教育・訓練 管理責任者とコンサルタント
9. プロセスの特定と明確化並びに,プロセスの相互関係と,記録の維持を含む必要な手順の作成 管理責任者(コンサルタントが支援できる)
10. 不整合,欠落、と重複を避けるための,相互に関係するプロセスと関連する手順との整合管理責任者とコンサルタント
11. 品質マニュアルの最終版の推こう(敲) 管理責任者(コンサルタントが,支援できる)
12. 品質マネジメントシステムに関与するすべての要員の教育訓練コンサルタントと管理責任者若しくはコンサルタントの支援を受けた管理責任者。他の力量のある者が教育・訓練を行うことも可能である。
品質マネジメントシステムの実施組織(コンサルタントが,支援することができる)
参考 矢印の上でコンサルタント活動は終わることを示し、矢印の下は組織による品質マネジメントシステムの実行を示している。
表 A.2 品質マネジメントシステムの実施の支援
活動の概要責任者
1. 監査の概念、監査質問事項の作成と監査報告書の準備を重視した内部監査員の訓練、並びに、他の要求される訓練コンサルタント(又は,組織が指名するその他の教育訓練提供者)
2. 内部監査プログラムの作成 管理責任者とコンサルタント3. 内部監査員と共に一連の初期内部監査へ参加する。それによって、追加的な教育訓練の実施(監査報告書と不適合報告書の作成を含む)、並びに、発見された不適合とその原因を正式なものにするための支援を行う。コンサルタント
4. 効果的なマネジメントレビュー会合を行うためのトップマネジメントの支援コンサルタント
5. 監査の結果として発見された不適合事項を含む、是正処置と予防処置に焦点を当てた実施上の問題点の解決の支援コンサルタント
6. 実施のプロセスの継続的改善 組織のトップマネジメント(コンサルタントが支援できる)
7. 審査登録にかかわる事項についての情報。必要ならば事前評価又は事前監査を含むコンサルタント

附属書B(参考)品質マネジメントシステムコンサルタントの評価

品質マネジメントシステムコンサルタントのための教育と業務経験の例 [B.1]

組織は,品質マネジメントシステムコンサルタントの選定の際に,モデルとして表B.1に示す教育と業務経験を利用することができる。この表は単なる例であり,すべての状況に適切なものということでない。また,品質マネジメントシステムの実現活動の範囲に左右されることもある。場合によっては,さらなる力量が必要になることもある。【4.2参照】

表 B.1 品質マネジメントシステムコンサルタントの教育と業務経験

表 B.1 品質マネジメントシステムコンサルタントの教育と業務経験
業務経験区分
【備考1.参照】
教育と業務経験(1)
品質マネジメントシステムの実現の複雑さ
+
業務経験の合計 より少ない年数を適用してもよい。 大卒者の場合は4年【備考2参照】又は高卒者の場合6年【備考3.参照】 より多い年数を適用してもよい。
品質マネジメントの業務経験 より少ない年数を適用してもよい。 少なくとも2年間 より多い年数を適用してもよい。
品質マネジメントシステム構築の経験 より少ない品質マネジメントシステム構築件数を適用してもよい。 十分な役割を果たして、少なくとも3件の品質マネジメントシステム構築を完了していること。 より多い品質マネジメントシステム構築件数を適用してもよい。
注(1)
記述されている教育と経験は要求事項でなく,また,認証目的に使用することを意図していない。組織は,これらを要求事項として使用する決定ができる。
備考
1.コンサルタントのための業務経験は,品質マネジメントシステムの実現化のために適切なものであることが極めて重要である。
2.大学(高等)教育は,国の教育制度の一部で,また,少なくとも3年間の高校教育を受けた後に行われるものである。
3.中等教育とは,初等教育の後にくる国の教育制度の一部で,学位レベルの教育を受ける前に完了しているものである。

コンサルタントの照会関連資料の評価 [B.2]

評価は,客観的な証拠の調査に基づくことが望ましく,また,次の事項を含むことができる。

  • ● a) 以前の職務からの照会関連資料
  • ● b) 品質の管理を扱った本と記事の執筆
  • ● c) 専門家としての倫理についての照会関連資料
  • ● d) コンサルタントが作成した品質マネジメントシステム文書
  • ● e) コンサルタントのサービスを利用したことのある組織との面談
  • ● f) コンサルタントが専門的経験を獲得した職務の期間
  • ● g) 類似の組織での経験と知識
  • ● h) コンサルタントの専門家としての認証又は資格
  • ● i) 力量を評価するためのコンサルタントとの面談

品質マネジメントシステム関連 主なJIS規格 一覧

【 表 1 】
規格番号 規格名称 規格番号 規格名称
JISQ10001品質マネジメント-顧客満足-組織における行動規範のための指針JISQ9001品質マネジメントシステム-要求事項
JISQ10002品質マネジメント-顧客満足-組織における苦情対応のための指針JISQ9002品質マネジメントシステム-JIS Q 9001の適用に関する指針
JISQ10003品質マネジメント-顧客満足-組織の外部における紛争解決のための指針JISQ9004品質マネジメント-組織の品質-持続的成功を達成するための指針
JISQ10019品質マネジメントシステムコンサルタントの選定とそのサービスの利用のための指針JISQ9005品質マネジメントシステム-持続的成功の指針
JISQ13485医療機器-品質マネジメントシステム-規制目的のための要求事項JISQ9091品質マネジメントシステム-プラスチック再生材料-事業プロセスパフォーマンスに関する指針
JISQ17021-3適合性評価-マネジメントシステムの審査と認証を行う機関に対する要求事項-第3部:品質マネジメントシステムの審査と認証に関する力量要求事項JISQ9100品質マネジメントシステム-航空,宇宙と防衛分野の組織に対する要求事項
JISQ9000品質マネジメントシステム-基本と用語

用語、要求事項、パフォーマンス改善、監査、プロジェクトマネジメント、顧客満足、コンサルタント、セクター別の適用〔医療/航空宇宙/計測/プラスチック再生材料〕、適合性評価〔認定/マネジメントシステム認証/自己適合宣言〕

鉄道線路、電車線路、鉄道設備、信号・保安機器、鉄道車両

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