JIS E 6003 最新規格 通勤電車運転室の設計通則|JIS規格 一覧|改正 更新情報|制定
JIS E 6003 通勤電車運転室の設計通則の規格 JISE6003の一覧・分類,乗務員,広さと居住性,運転台の条件,消火器設置,基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!
JIS E6003:1985の規格は,通勤電車の運転室の設計に対する共通的な条件について規定。力行,制動などについての性能及び車体に関係するものを除く。
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通勤電車運転室の設計通則 規格 一覧表

通勤電車運転室の設計通則の一覧
最新 JIS E6003 規格の詳細 更新日 情報
JIS E 6003:1985の最新の詳細や改正,更新日の情報!
JIS 改正 最新情報
JIS規格番号 | JIS E6003 | JIS改正 最新・更新日 | 1985年01月26日 |
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規格名称 | 通勤電車運転室の設計通則 | ||
英語訳 | General rules for design of driving cabs of electric commuter cars | ||
対応国際規格 ISO | |||
主務大臣 | 国土交通 | 制定 年月日 | 1980年02月01日 |
略語・記号 | No | JIS E6003:1985 | |
ICS | 45.060.10 | JISハンドブック | 鉄道:2019 |
改訂 履歴 | 1980-02-01 (制定),1985-01-26 (改正),1989-12-05 (確認),1994-05-12 (確認),2001-06-27 (確認),2005-12-25 (確認),2011-05-25 (確認),2016-10-12 (確認) |
JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。
適用範囲 [1]
この規格は,通勤電車(以下,電車という。)の運転室の設計に対する共通的な条件について規定する。ただし,力行,制動などについての性能と車体に関係するものを除く。
備考 電車とは,通勤・通学する乗客のラッシュ時の輸送に対応できて,しかも日中の乗客に対するサービスも考慮した電車をいい,路面電車と無軌条電車を除く。
関連規格:JIS E 6002 通勤電車の性能通則
JIS E 7103 通勤電車車体の設計通則
設計の共通的な条件の分類 [2]
設計の共通的な条件の分類は,乗務員保護の条件,運転室の広さと居住性の条件,並びに運転台の条件と消火器設置の条件とし,次による。
(1) 乗務員保護の条件の分類 乗務員保護の条件の分類は,乗務員保護の基本的な条件,乗務員保護の電気的な条件,乗務員保護の衝突に対する条件と乗務員脱出のための条件とする。
(2) 運転室の広さと居住性の条件の分類 運転室の広さと居住性の条件の分類は,運転室の広さの条件と運転室の居住性の条件とする。
(3) 運転台の条件の分類 運転台の条件の分類は,運転台の配置の条件,運転台の操作機器の条件と運転台の指示機器(1)の条件とする。
注(1) 表示機器,音響信号,運転指示の時刻表などのように指示する機器。
(4) 消火器設置の条件
乗務員保護の条件 [3]
乗務員保護の基本的な条件 [3.1]
乗務員保護の基本的な条件は,次による。
(1) 運転室は,動揺,急停車などの場合,乗務員が負傷しない構造とする。
(2) 運転室内に配置する機器などは,振動・衝撃によって移動しない構造とする。
(3) 運転室は,火災に対して十分な抵抗力をもつ構造とする。
(4) 運転室の前面ガラスには,安全ガラスを用いる。
(5) 運転室側面の扉は,室内側に開く構造とする。
(6) 運転室の側入口には,ステップと手すりを取り付ける。
乗務員保護の電気的な条件 [3.2]
乗務員保護の電気的な条件は,次による。
(1) 運転室の屋根が金属性の場合は,屋根と車体とを電気的に確実に結合する。
(2) 運転室内には,絶縁してない導体と保護遮へいしてない高圧機器を配置しない。
(3) 運転室内の電気機器は,防水・防じんを十分に考慮した構造とする。
(4) アークを発生する機器は,必要な空間距離をとり,空間距離が少ない場合は,耐アーク性保護板で遮へいする。
乗務員保護の衝突に対する条件 [3.3]
乗務員保護の衝突に対する条件は,次による。
(1) 運転席の前面は,剛性をもった構造で,変形に対しても十分な強度をもつものとする。
(2) 運転席の位置は,安全性,操作性などを考慮して,レール面から適当な高さとする。
乗務員脱出のための条件 [3.4]
非常の場合,乗務員が脱出するための条件は,次による。
(1) 運転室には,簡単に後方に脱出できる扉を少なくとも一つは設ける。
(2) 脱出のための扉は,簡単な操作で開けられる構造とする。
運転室の広さと居住性の条件 [4]
運転室の広さの条件 [4.1]
運転室の広さの条件は,次による。
(1) 運転室は,適当な広さを確保し,室内のどの部分にも立ったまま近づける構造とし,機器と設備品が乗務員の移動に支障のない配置とする。
(2) 運転室の側入口は,その扉を開いた場合に乗務員の出入りが容易な構造とする。
運転室の居住性の条件 [4.2]
- (1) 通路 運転室の通路は,乗務員が脱出するのに支障がなく,危険を伴わない構造とする。
- (2) 冷暖房と換気
- (a) 運転室は,気密性を考慮し,必要によって冷暖房装置を設ける。
- (b) 運転室は,適当に換気できる構造とする。
- (3) 窓
- (a) 運転室の前面窓は,乗務員が前方の線路,信号などを見るために必要な前方可視角度と見通し距離をもつものとする。
- (b) 運転室の前面窓は,乗務員に運転上有害な反射,屈折と偏光が生じない構造とする。
- (c) 運転室の前面窓は,必要によって運転上有害な外部光線をさえぎることができる構造とする。
- (d) 運転室の前面窓には,必要によって窓ふき器とデフロスタを取り付ける。
- (e) 運転室の両側面には,乗務員が後方と側方を監視できる開閉可能な窓を設け,必要によって運転上有害な外部光線をさえぎることができる構造とする。
- (4) 腰掛
- (a) 運転室の腰掛は,運転姿勢の安定性が十分に得られ,しかも緊急時にすばやく退避できる構造とする。
- (b) 運転室の腰掛は,乗務員の体格の個人差を考慮した構造とする。
- (5) 騒音と振動
- (a) 運転室の騒音は,運転と連絡の情報を聞きとることができる程度に低くするものとし,乗務員を疲労させないように考慮する。
- (b) 運転室の振動は,乗務員の疲労を著しく促進させないように考慮する。
- (6) 照明
- (a) 運転室には,乗務員の作業に必要な明るさが得られる照明装置を設ける。
- (b) 運転室には,停電の場合にも点灯できる照明装置を設ける。
- (c) 運転室には,照明による運転上有害な光線をさえぎる遮光装置を設ける。
- (7) 色彩
- (a) 運転室の配色は調和がとれていて,乗務員の眼を疲労させないものとする。
- (b) 運転上有害な反射光が運転士の眼に入る場合には,つや消しなどの表面処理をする。
運転台の条件 [5]
運転台の配置の条件 [5.1]
運転台の配置の条件は,次による。
(1) 運転台は,運転士が独りで運転できる構造とする。
(2) 運転台とその操作機器は,運転士が普通の姿勢でいる場合に窮屈な感じにさせないように,また,足,ひざなどの自由な動きを阻害しないように,できるだけ広い空間をとる構造とする。
(3) 運転台は,運転士が座ったままで楽に運転操作ができ,また,前方も見られる位置とする。
(4) 運転台は,運転士が座った状態でも立った状態でも運転できる位置とする。
運転台の操作機器の条件 [5.2]
運転台の操作機器の条件は,次による。
(1) 常時操作機器は,運転士の最大作業範囲内に配置し,それらをできるだけ運転台に集中する。
(2) 運転整備時に設定する機器は,目的別に集約し,操作順序別に並べて適切に配置する。
(3) 運転中,頻繁に扱う操作機器は,手の届きやすい位置に配置し,それらの機器の相対的な関係は,長時間運転しても疲労が少ないようにする。
(4) 緊急時に急いで操作しなければならない非常操作機器は,安定した姿勢で,しかも手探りで操作できる位置に配置する。
(5) スイッチ,配線用遮断器などの操作方向は,統一する。
運転台の指示機器(1)の条件 [5.3]
運転台の指示機器の条件は,次による。
(1) 表示機器(2)のうち,常時看視機器と非常看視機器は,運転状態の姿勢で視野内に入る位置に配置し,随時看視機器は,座った位置から見ることができる位置に配置する。
注(2) 計器,表示灯などのように表示する機器。
(2) 前方注視位置に配置する表示は,必要最小限とする。
(3) 関連がある計器,表示灯,制御機器などは,できるだけグループ化する。
(4) 表示灯は,日中の明るい光のもとでも見え,また,夜間は運転士にまぶしさを与えないもので,必要によって明るさが調整できるものとする。
(5) 音響による指示は,必要最小限とし,異なる指示は,明確に区別できるものとする。
消火器設置の条件 [6]
消火器設置の条件は,次による。
(1) 消火器は,取外しと取扱いが容易であること。
(2) 消火器は,消防法第21条の2による検定に合格した油火災と電気火災用のもので,有害ガスを発生しないものとすること。
運転室 関連 主なJIS規格 一覧
規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 |
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JIS A 8330-1 | 土工機械-運転室内環境-第1部:用語 | JIS A 8330-5 | 土工機械-運転室内環境-第5部:前面窓ガラスデフロスタ試験方法 |
JIS A 8330-2 | 土工機械-運転室内環境-第2部:空気ろ過試験 | JIS A 8330-6 | 土工機械-運転室内環境-第6部:運転室日照負荷決定方法 |
JIS A 8330-3 | 土工機械-運転室内環境-第3部:運転室加圧試験方法 | JIS A 8332 | 土工機械-ダンパ荷台支持装置と運転室傾斜支持装置 |
JIS A 8330-4 | 土工機械-運転室内環境-第4部:運転室換気,暖房と/又は空気調和試験方法 | JIS E 6003 | 通勤電車運転室の設計通則 |