JIS X 3006-1 最新規格 データベース言語 SQLマルチメディア及び適用業務パッケージ 第1部:枠組|JIS規格 一覧|改正 更新情報|制定
JIS X 3006-1 データベース言語 SQLマルチメディアと適用業務パッケージ 第1部:枠組の規格 JISX3006-1の一覧・基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!
JIS X3006-1:2004の規格は,JIS X 3006規格郡の他の二つ以上の部で共通の,それらの概念,表記法及び規約を定義する。特に,各当該分野に適合するユーザ定義型,及びそれらの振る舞いを定義するために,他の部の中でJIS X 3005を用いる方法を規定。
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データベース言語 SQLマルチメディアと適用業務パッケージ 第1部:枠組 規格 一覧表

データベース言語 SQLマルチメディア及び適用業務パッケージ 第1部:枠組の一覧
最新 JIS X3006-1 規格の詳細 更新日 情報
JIS X 3006-1:2004の最新の詳細や改正,更新日の情報!
JIS 改正 最新情報
JIS規格番号 | JIS X3006-1 | JIS改正 最新・更新日 | 2004年09月20日 |
---|---|---|---|
規格名称 | データベース言語 SQLマルチメディアと適用業務パッケージ 第1部:枠組 | ||
英語訳 | Information technology – Database languages – SQL multimedia and application packages – Part 1: Framework | ||
対応国際規格 ISO | |||
主務大臣 | 経済産業 | 制定 年月日 | 2003年02月20日 |
略語・記号 | No | JIS X3006-1:2004 | |
ICS | 35.060 | JISハンドブック |
JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。
適用範囲 [1]
JIS X 3006規格群は,マルチメディアと他の当該分野中で利用されるいろいろな種類のデータがSQLデータベース中に格納され,操作されることを可能にするために,それらのデータに共通の通有データ型のパッケージを定義する。 各当該分野のパッケージは,JIS X 3006規格群の一つの部として定義される。その部の「1. 適用範囲」は,その当該分野を定義する。
この規格は,JIS X 3006規格群の他の二つ以上の部で共通の,それらの概念,表記法と規約を定義する。特に,各当該分野に適合するユーザ定義型,と,それらの振る舞いを定義するために,他の部の中でJIS X 3005を用いる方法を規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21に基づき,IDT(一致している),MOD(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO/IEC 13249-1:2002,Information technology ― Database languages ― SQL multimedia and application packages ― Part 1:Framework (IDT)
ISO/IEC 13249-1:2016,Information technology — Database languages — SQL multimedia and application packages — Part 1: Framework
引用規格 [2]
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 3005-1: 2002 データベース言語SQL 第1部:枠組(SQL/Framework)
備考 ISO/IEC 9075-1:1999 Information technology ― Database languages ― SQL ― Part
ISO/IEC 9075-1:2016,Information technology — Database languages — SQL — Part 1: Framework (SQL/Framework)
1:Framework (SQL/Framework)が,この規格と一致している。
JIS X 3005-2: 2002 データベース言語SQL 第2部:基本機能(SQL/Foundation)
備考 ISO/IEC 9075-2:1999 Information technology ― Database languages ― SQL ― Part
2:Foundation (SQL/Foundation)が,この規格と一致している。
JIS X 3005-4: 2002 データベース言語SQL 第4部:永続格納モジュール(SQL/PSM)
備考 ISO/IEC 9075-4:1999 Information technology ― Database languages ― SQL ― Part
4:Persistent Stored Modules (SQL/PSM)が,この規格と一致している。
用語と定義 [3]
JIS X 3005で規定された定義 [3.1]
JIS X 3005中で定義された次の用語をこの規格又はJIS X 3006規格群の他の部で用いる。
- a) 代入(assignment)
- b) 属性(attribute)
- c) 基数(cardinality)
- d) 翻訳単位(compilation unit)
- e) 構成関数(constructor function)
- f) データ型(data type)
- g) 宣言型(declared type)
- h) 定義スキーマ(definition schema)
- i) 記述子(descriptor)
- j) 外部ルーチン(external routine)
- k) 識別子(identifier)
- l) 処理系定義(implementation-defined)
- m) 処理系依存(implementation-dependent)
- n) 情報スキーマ(information schema)
- o) (値の)実現値[instance (of a value)]
- p) 変異関数(mutator function)
- q) ナル値(null value)
- r) 観測関数(observer function)
- s) 行(row)
- t) 並び(sequence)
- u) (SQL呼出しルーチンの)署名[signature (of a SQL-invoked routine)]
- v) SQL環境(SQL-environment)
- w) SQL処理系(SQL-implementation)
- x) SQL呼出しメソッド(SQL-invoked method)
- y) SQL呼出しルーチン(SQL-invoked routine)
- z) SQLルーチン(SQL routine)
- aa) 下位型(subtype)
- bb) 上位型(supertype)
- cc) 表(table)
- dd) 型保持関数(type-preserving function)
- ee) 利用者定義型(user-defined type)
- ff) 空白(white space)
この規格で規定する定義 [3.2]
この規格では,次の用語を定義する。
[3.2.1] 通有データ型(generic
data type) 単一企業よりも広い文脈中で用いられ,それが表現される方法を標準化することが有利であるような,JIS X 3005中で定義されていない種類のデータ型とする。
[3.2.2] メタ変数(meta-variable)
メタ変数は,処理系依存又は処理系定義の定数を定義するために用いる変数とする。
[3.2.3] メソッド(method)
SQL呼出しメソッド
JIS X 3006規格群の他の部で規定する定義 [3.3]
JIS X 3006規格群の当該分野と関連する用語とその定義は,その当該分野に関する利用者定義型を定義するJIS X 3006規格群の部で規定する。
概念 [4]
JIS X 3005で規定された概念 [4.1]
JIS X 3005中で定義された次の概念をこの規格又はJIS X 3006規格群の他の部で用いる。
- a) 配列(array)
- b) 実表(base table)
- c) 文字集合(character set)
- d) 列(column)
- e) 終了条件(completion condition)
- f) 個別型(distinct type)
- g) 例外条件(exception condition)
- h) 偽 (False)
- i) フィールド(field)
- j) ホスト言語(host language)
- k) 順序付け関数(ordering function)
- l) 既定義データ型(predefined data type)
- m) 権限(privilege)
- n) もとの型(source type)
- o) SQLデータ(SQL-data)
- p) SQL呼出しメソッド(SQL-invoked method)
- q) SQL文(SQL-statement)
- r) 構造型(structured type)
- s) 変換関数(transformation functions)
- t) 真 (True)
- u) 不定 (Unknown)
- v) 利用者定義型変換(user-defined cast)
- w) ビュー(view)
データの通有種類に対する要件 [4.2]
JIS X 3005は,SQLデータを定義したり,操作したりするために利用するデータベース言語SQLを定義する。この規格では,SQL環境中のSQLデータをSQLデータベースとして参照する。
JIS X 3005のデータ定義機能を用いて,企業は,その企業特有の要件によって決定されるある特定の目的のために選ばれた種類のデータにもとづくSQLデータベースを開発してもよい。
個々の企業より広い文脈中で多くの種類のデータが利用される。その場合には,これらの種類のデータの定義と操作に対する通有仕様を利用できることに利点がある。
これらの利点は,次のことを可能にする。
- a) このデータの理解の共有
- b) このデータの交換
- c) このデータを処理するための共通の操作機能の規定
これらの利点の認識によって,(各部における)「1. 適用範囲」で言及されている当該分野中での通有データ型に対する国際規格と公的に役に立つ仕様が開発されている。
多くの企業には,通有データ型を企業特有のデータ型と組み合わせてSQLデータベースで利用する要件がある。これらの要件は,SQLデータベース内の利用者定義型の構築と収録を可能にする通有データ型の構成要素の操作,並びにSQLデータベースからのデータの選択と取出しにおけるこれらの構成要素の利用を含む。JIS X 3006規格群は,この要件に対応する。
JIS X 3005の利用 [4.3]
[4.3.1] 利用者定義型とルーチン
JIS X 3005は,利用者定義型を定義するための機能を含んでいる。利用者定義型は,個別型か又は構造型のいずれかとする。個別型は,既定義データ型を基にする。構造型は,SQLデータ型又は他の利用者定義型のいずれかとして指定する属性をもつ。構造型は,他の構造型の属性を継承して,その構造型の下位型として定義してもよい。SQL表の列を利用者定義型として定義することができる。
利用者定義型は,関連付けられたルーチンによってだけ操作することができる。
属性は,その値を取り出したり,変更したりするための,関連付けられた観測関数と変異関数を自動的にもつ。さらに,SQL文か又は他のプログラム言語で準備した外部ルーチンの参照のいずれかによって,そのルーチン呼出しの動作を決定する構成要素になるルーチン本体を指定して,ルーチンを定義してもよい。
JIS X 3006規格群の各部は,JIS X 3005に従って定義した多くの利用者定義型と関連付けられたルーチンを定義する。各部の型とルーチンは,特定の当該分野のためのデータを利用することを意図している。各部は,SQLデータベース中にその当該分野のための通有データ型を含めることに対する要求を満たすことを目的としたパッケージを構成する。多数の当該分野からのデータをどのようにして組合せるかは,定義していない。
各利用者定義型は,JIS X 3005のSQL構文を使用して,完全に定義されている。
各ルーチンに対して,そのルーチンの名前とそれらの型とともにすべてのパラメタを含むそのルーチンの署名の規定がある。ルーチン本体は,SQL文によって規定されるか,又はある形式的な言語若しくは記述的な文章で記述される定義を参照することによって規定されるかのいずれかとする。
JIS X 3006規格群のある部の利用者定義型の定義は,その利用者定義型の値と他のデータ型の値とを型変換するための利用者定義型変換関数を含むことができる。
JIS X 3006規格群のある部の利用者定義型の定義は,その利用者定義型の二つの値の順序を指定するための順序付け関数を含むことができる。
[4.3.2] 情報スキーマと定義スキーマ
JIS X 3006規格群は,永続データベースオブジェクトの記述子をどの適用業務にも利用可能にするための情報スキーマと定義スキーマを定義する。
情報スキーマは,多くのスキーマオブジェクトの記述子を含み,情報スキーマ自身も含む,主にビュー定義からなる。また,そのカタログ中のどの記述子も変更することは許されないが,SQLデータであるかのようにアクセスされることを許す。これらのビューは,定義スキーマの実表によって定義される。定義スキーマの唯一の目的は,情報スキーマを提供するためのデータモデルを与え,理解を助けることとする。
JIS X 3006規格群の各部は,当該分野の適用業務における機能とデータに関する情報を提供するために,情報スキーマビュー表と対応する定義スキーマ実表を定義してもよい。適用業務は,適用業務パッケージの情報スキーマビューに問い合わせることによって,これらの適用業務パッケージによって提供される機能とデータに関する情報を取得することができる。
JIS X 3006規格群の処理系 [4.4]
処理系は,JIS X 3006規格群の他のどの一つの部への適合を主張してもよいが,その場合には,JIS X 3006規格群のその部の規定に従って,利用者定義型を利用する能力をその利用者に提供することが要求される。
JIS X 3006規格群のある部の処理系が,その部の中のそのルーチン本体の規定と同じ効果をもつルーチンをどのような方法で提供するのかは,自由とする。特に,SQLを用いて表すルーチン本体の仕様は,与えられたとおりに正確に実装する必要はなく,同じ効果をもつ他のSQL文の集合又は外部ルーチンによって実装してもよい。
JIS X 3006規格群の利用 [4.5]
「4.2 データの通有種類に対する要件」中で規定されている要件は,SQLデータベース中で他の企業のデータとともに収録と操作される利用者定義型のデータを含む。表の列がそれを収録するための適切な型として定義されているときに限り,SQLデータベース中にデータを存在させることができる。JIS X 3006規格群の他の部の中で定義される利用者定義型は,少なくとも,次の三つの異なる方法で,この目的のために使用することができる。
- a) 表中の列の基盤として
- b) 利用者定義型の属性の基盤として
- c) 新たに導出される下位型の基盤として
最初の方法では,JIS X 3006規格群のある部の一つの利用者定義型を列の型に指定する。JIS X 3006規格群の利用者定義型のこの利用には,その利用者定義型に対するUSAGE権限(「7.2 利用者定義型のUSAGE権限」を参照)が要求される。JIS X 3006規格群によって定義されるルーチンは,利用者定義型の値を操作するために用いる。これらのルーチンの呼出しには,そのルーチンに対するEXECUTE権限(“7.4
ルーチンのEXECUTE権限”を参照)が要求される。
二つ目の方法では,JIS X 3006規格群の一つの利用者定義型の属性をもつ新しい利用者定義型を定義する。新しい利用者定義型は,特定の企業の要件を満たすために,付加的な属性をもってもよい。JIS X 3006規格群の利用者定義型のこの利用には,その利用者定義型に対するUSAGE権限(「7.2 利用者定義型のUSAGE権限」を参照)が要求される。そして,この新しい利用者定義型は,最初の方法と同様に,列の型として利用できる。その新しい利用者定義型に対して,新しいルーチンを定義してもよい。JIS X 3006規格群の利用者定義型の属性の値を操作するために,これらの新しいルーチンにJIS X 3006規格群で規定するルーチンを組み込むならば,新しいルーチンを定義するために,組み込むルーチンに対するEXECUTE権限(「7.4 ルーチンのEXECUTE権限」を参照)が要求される。
三つ目の方法は,JIS X 3006規格群のある部の一つの利用者定義型の下位型として新しい利用者定義型を定義する。新しい利用者定義型は,特定の企業の要件を満たすために,付加的な属性をもってもよい。JIS X 3006規格群の利用者定義型のこの利用には,その利用者定義型に対するUNDER権限(「7.3 利用者定義型のUNDER権限」を参照)が要求される。そして,この新しい利用者定義型は,最初の方法と同様に,列の型として利用できる。JIS X 3006規格群によって規定するルーチンを(さらに,ルーチンが必要かもしれないが,)新しい利用者定義型を操作するために利用できる。これらのルーチンの呼出しには,そのルーチンに対するEXECUTE権限(「7.4 ルーチンのEXECUTE権限」を参照)が要求される。
特定の企業の文脈に対して最適と考えられるどの方法でも,どの利用者定義型も,SQL環境中でだけ利用できる。
SQLエージェントは,SQL環境と相互に作用する一つ以上の翻訳単位から成る。SQLエージェントは,SQLエージェントを作成するために用いるホスト言語又はプログラム言語のための対応をJIS X 3005が定義している既定義データ型だけを用いて作用できる。
JIS X 3006規格群の一つの部の利用者定義型の定義は,利用者定義型と既定義型との間で値を変換する変換関数を含むこともあり得る。
JIS X 3006 規格群の部 [5]
現在開発されているJIS X 3006規格群の部には,次の部がある,
第1部: [5.1]
枠組 (SQL/MM Framework) JIS X 3006のこの部は,すべての他の部の中で使用される定義機構と規約との両方の規定を提供する。
第2部: [5.2]
フルテキスト(SQL/MM Full-Text) JIS X 3006の第2部は,フルテキストデータと多くのテキスト探索パターンのための利用者定義型を規定する。与えられた探索パターンに従ってフルテキストデータを探索するためのルーチンも定義する。さらに,文字列とこれらの利用者定義型との型変換のためのルーチンも定義する。
第3部: [5.3]
空間情報 (SQL/MM Spatial) JIS X 3006の第3部は,空間情報データ,特に,点,曲線,面,とこれらの集まりのための利用者定義型を規定する。空間情報データの操作,探索と順序付けのためのルーチンも定義する。さらに,その利用者定義型と文字表現と2進オクテット表現との型変換のための変換関数も定義する。
第5部: [5.4]
静止画像 (SQL/MM Still Image) JIS X 3006の第5部は,画像データと画像探索機構のための利用者定義型を規定する。異なる機構を使用して画像データを操作と探索するためのルーチンも定義する。さらに,その利用者定義型と2進オクテット表現との変換のための変換関数も定義する。
第6部: [5.5]
データ発掘 (SQL/MM Data Mining) JIS X 3006の第6部は,主要なデータ発掘技法のための利用者定義型を規定する。また,これらの利用者定義型の値の生成と操作のためのルーチンも定義する。したがって,この規定は,分析データと分析結果の獲得のための規約を定める。さらに,利用者定義型と文字表現との間の相互変換を行うための搬入関数と搬出関数も定義する。
他の部で用いる表記法と規約 [6]
表記法 [6.1]
利用者定義型と関連付けられるルーチンの規定中で使用される表記法は,可能なところでは,JIS X 3005中で定義されるとおりのデータベース言語SQLとする。
規約 [6.2]
[6.2.1] 箇条構造
JIS X 3006規格群の各部の中では,利用者定義型の規定は,共通の目的をもつものごとに単一の箇条内にまとめられている。各利用者定義型に対しては,細分した箇条があり,その中に更に細々分した箇条群を含み,その型の定義とその型に関連する各ルーチンの定義を与えることがある。
[6.2.2] 規定の構成
利用者定義型又はルーチンを定義する箇条は,次の番号付けされていない節をもつ。
- 1) 目的(Purpose) この節は,その利用者定義型又はルーチンの目的についての短い記述を含まなければならない。
- 2) 定義(Definition) この節は,型又はルーチンを定義するために使用するJIS X 3005の構文を含まなければならない。JIS X 3006規格群中で,SQLの構文を他のテキストと区別するために,SQLの構文は,等幅フォントで規定する。JIS X 3005中で定義される<キーワード>は,大文字とする。パラメタと変数の識別子は,小文字又は大文字小文字の混在とする。データ型,属性とSQL呼出しルーチンの識別子は,「6.2.3 データ型,属性とSQL呼出しルーチンの識別子」中で定めるとおり規定する。
- 3) 定義規則(Definitional Rules) この節は,型又はルーチンを定義するときに適用される規則の列挙されたリストを含まなければならない。この節が空ならば,その節の見出しは,省略される。
- 4) 記述(Description) この節は,型又はルーチンを記述する規則の列挙されたリストを含まなければならない。型に対して,最初の項目は,公開仕様の一部である属性とルーチンを示す文を含まなければならない。ルーチンに対して,最初の項目は,ルーチンのパラメタの定義を含まなければならない。この節が空ならば,その節の見出しは,省略される。
与えられた定義の解釈とそれに関連する記述の解釈との間に何らかの矛盾があるならば,SQLの仕様は,先行するものを優先する。
[6.2.3] データ型,属性とSQL呼出しルーチンの識別子
利用者定義型又はルーチンの規定内で,データ型の識別子,属性の識別子とルーチンの識別子は,次の規則に従わなければならない。
- 1) 二つの大文字と下線文字が接頭辞として使用されなければならない。例えば,フルテキスト(Full-Text)は,FT_を使用する。
- 2) 下線文字は,接頭辞中以外で使用してはならない。(すなわち,接頭辞中の下線文字以外は,英数字だけ[a-z,A-Z,0-9]を使用する。)
- 3) 識別子中で使用される各単語の最初の文字は,大文字でなければならない。例えば,FT_Primary。
- 4) 定義規則と記述の節中では,斜体を使用しなければならない。
[6.2.4] パラメタの識別子
パラメタの識別子は,小文字でなければならない。パラメタをこれらの節中で使用される他の識別子と区別するために,定義規則と記述の節中で使用されるときには,パラメタは,斜体でなければならない。
[6.2.5] メタ変数
処理系依存又は処理系定義の定数を定義するために使用されるメタ変数は,「6.2.3 データ型,属性とSQL呼出しルーチンの識別子」の規約に従わなければならない。
[6.2.6] 記号
定義規則と記述の節は,大文字の斜体によって,他の識別子と区別される記号を含む。
[6.2.7] 例外
別の方法で規定される場合を除いて,「例外条件: が引き起こされる」という句は,「例外条件:」に条件の名前が続き,次のうちの一つを示すために,定義規則又は記述の節中で使用されなければならない。
ルーチンの実行が不成功である。
定義規則又は記述の項目の適用を終了してもよい。
例外条件で終了するSQL文の効果は,(この条件がJIS X 3005中で陽に定義されていない限り,)処理系依存とする。
「終了条件: が引き起こされる」という句は,「終了条件:」に条件の名前が続き,定義規則又は記述の項目の適用が終了しないことを示すために,定義規則又は記述の節中で使用されなければならない。このような場合,診断情報が有効にされる。例外条件が引き起こされない限り,SQL文の実行は,成功とする。
[6.2.8] 状態コード
JIS X 3005は,5文字の状態コードによってどの例外条件又は終了条件かを示す目的のために利用しなければならないパラメタSQLSTATEを規定する。
このパラメタは,JIS X 3006規格群の各部の中でも,利用しれなければならない。各部は,その部によって定義されるルーチンに対して,SQLSTATEの値を与える箇条を含まなければならない。
処理系の要件 [7]
JIS X 3006規格群の各部に対して与えられる規定に加えて,任意の部の処理系は,次の要件を満たさなければならない。
スキーマ [7.1]
JIS X 3005は,SQL呼出しルーチン,利用者定義型,定義域,表,ビュー又は権限のような対象は,ただ一つのスキーマの部分でなければならないことを規定する。
JIS X 3006規格群は,スキーマを定義するための文を含まない。JIS X 3006規格群の任意の部の処理系に対して,各<スキーマ定義>文がその部によって定義される各対象に対して,ただ一つの<スキーマ要素>を含むように,<スキーマ定義>文の処理系定義の集合が実効的に実行されなければならない。そのようなスキーマの数とそれらのスキーマの名前は,処理系定義とする。
JIS X 3006規格群中で規定されるSQL呼出しルーチンが作成されるSQLスキーマの既定の文字集合は,そのルーチンの本体中に含まれるすべての文字列定数中で用いる文字,とそのような定数中で空白によって示される空白文字を含むものとみなす。
利用者定義型のUSAGE権限 [7.2]
JIS X 3005では,SQL呼出しルーチン,表,ビュー又は利用者定義型のような他の対象を定義するためには,利用者が利用者定義型を参照する前に,その利用者がその利用者定義型のUSAGE権限をもたなければならないことを規定する。
JIS X 3006規格群の各部は,その部の中で定義される利用者定義型に対するGRANT USAGE文を含まない。JIS X 3006規格群の任意の部の処理系に対して,(その部の中の定義規則中で陽に特記される場合を除いて,)その部によって定義される各対象のUSAGE権限を処理系定義の権限受領者の集合に付与するGRANT文が,これらの利用者定義型が作成されるときに実効的に実行されなければならない。そのGRANT文がWITH GRANT OPTIONを含むかどうかは,処理系定義とする。
利用者定義型のUNDER権限 [7.3]
JIS X 3005は,利用者が利用者定義型Aの下位型を定義するためにその利用者定義型Aを利用する前に,その利用者がAのUNDER権限をもたなければならないことを規定する。
JIS X 3006規格群の各部は,その部の中で定義される利用者定義型に対するGRANT UNDER文を含まない。JIS X 3006規格群の任意の部の処理系に対して,(その部の中の定義規則中で陽に特記される場合を除いて,)その部によって定義される各対象のUNDER権限を処理系定義の権限受領者の集合に付与するGRANT文が,これらの利用者定義型が作成されるときに実効的に実行されなければならない。そのGRANT文がWITH GRANT OPTIONを含むかどうかは,処理系定義とする。
ルーチンのEXECUTE権限 [7.4]
JIS X 3005は,利用者がルーチンを実行する前に,その利用者がそのルーチンのEXECUTE権限をもたなければならないことを規定する。
JIS X 3006規格群の各部は,その部の中で定義されるルーチンに対するGRANT EXECUTE文を含まない。JIS X 3006規格群の任意の部の処理系に対して,(その部の中の定義規則中で陽に特記される場合を除いて,)その部によって定義される各ルーチンのEXECUTE権限を処理系定義の権限受領者の集合に付与するGRANT文が,そのルーチンが作成されるときに実効的に実行されなければならない。そのGRANT文がWITH GRANT OPTIONを含むかどうかは,処理系定義とする。
適合性 [8]
処理系 [8.1]
JIS X 3006規格群の他の各部が提供する規定に対して,処理系は,他のどの部とも独立に適合性を主張してもよい。
JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,その部のための適合性の箇条中で規定されているとおりの必す(須)の公開された利用者定義型とルーチンを提供しなければならない。
JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,JIS X 3005-2の「11.49 <SQL呼出しルーチン>」中で規定するとおりの,<SQLルーチン本体>か,又はPARAMETER STYLE SQLを指定する<外部本体参照>のいずれかをその<ルーチン本体>とする<SQL呼出しルーチン>を提供しなければならない。処理系は,次による。
― その部の中に含まれる記述の節又は<SQLルーチン本体>中で定義された正確な並びで動作を実行しなくてもよいが,次の逸脱が許されるものの,その並びと同じ効果を実現しなければならない。
― <SIGNAL文>又は<RESIGNAL文>以外のSQL文のために,JIS X 3005によって規定される例外条件又は警告条件を再び生成しなくてもよい。
― SQLの<SIGNAL文>又は<RESIGNAL文>の結果として生じるSQL診断領域への効果は,RETURNED_SQLSTATE値は別として,JIS X 3005中に規定されているとおりでなくてもよい。
― LANGUAGE SQLと指定されている<LANGUAGE句>に適合しなくてもよい。
― NOT DETERMINISTICと指定されている<決定的特性>に適合しなくてもよい。
― 結果が処理系依存である限り,DETERMINISTICと指定されている<決定的特性>に適合しなくてもよい。
― より限定的な<SQLデータアクセス指示>が利用されている限り,指定されている<SQLデータアクセス指示>に適合しなくてもよい。
ルーチンのために<外部本体参照>を利用して,JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,SQL環境と外部ルーチンとの間で利用者定義型の値を転送することを可能にするために,ルーチンを定義するときに,処理系依存の<変換グループ指定>を指定しなければならない。
さらに,JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,「7. 処理系の要件」中で規定される処理系の要件を提供しなければならない。
他の規格との関係 [8.2]
JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,JIS X 3005中で規定するとおりの中核 SQL,とJISX 3006規格群のその部において必要であることが規定されているJIS X 3005の他のすべての機能を提供しなければならない。
適合性の主張 [8.3]
JIS X 3006規格群に対する適合性の主張は,適合性を主張する部(又は複数の部)を提示しなければならない。
さらに,適合性に対する主張は,JIS X 3006規格群のそれらの部が処理系定義として規定しているすべての要素と動作に対する定義を含まなければならない。
拡張と選択機能 [8.4]
JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,その部のための利用者定義型又は処理系定義の利用者定義型のいずれかを用いて定義する付加的な処理系定義のルーチンを提供してもよい。
JIS X 3006規格群のある部に適合する処理系は,たとえ,定義されるルーチンを不適合な方法で処理するための利用者選択機能を提供したとしても,適合しているものとする。
言語 関連 主なJIS規格 一覧
規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 |
---|---|---|---|
JIS B 3503 | プログラマブルコントローラ-プログラム言語 | JIS X 3014 | プログラム言語C++ |
JIS B 3700-11 | 産業オートメーションシステムとその統合-製品データの表現と交換-第11部:記述法:EXPRESS言語 | JIS X 3015 | プログラム言語C# |
JIS B 6327 | 数値制御パートプログラム用言語 | JIS X 3016 | 共通言語基盤(CLI) |
JIS B 8439 | 産業用ロボット-プログラム言語SLIM | JIS X 3017 | プログラム言語Ruby |
JIS X 0015 | 情報処理用語(プログラム言語) | JIS X 3060 | ECMAScript言語 |
JIS X 0412-1 | 言語名コード-第1部:2文字コード | JIS X 4151 | 文書記述言語SGML |
JIS X 0412-2 | 言語名コード-第2部:3文字コード | JIS X 4153 | 文書スタイル意味指定言語(DSSSL) |
JIS X 3001-1 | プログラム言語Fortran-第1部:基底言語 | JIS X 4156 | ハイパテキストマーク付け言語(HTML) |
JIS X 3001-2 | プログラム言語Fortran-第2部:可変長文字列 | JIS X 4159 | 拡張可能なマーク付け言語(XML)1.0 |
JIS X 3002 | 電子計算機プログラム言語COBOL | JIS X 4160 | XMLパス言語(XPath)1.0 |
JIS X 3003 | 電子計算機プログラム言語Full BASIC | JIS X 4170 | オープン分散処理-統一モデル化言語(UML)1.4.2版 |
JIS X 3004 | データベース言語NDL | JIS X 4176 | XMLリンク付け言語(XLink)1.0 |
JIS X 3005-1 | データベース言語SQL 第1部:枠組(SQL/Framework) | JIS X 4177-2 | 文書スキーマ定義言語(DSDL)-第2部:正規文法に基づく妥当性検証-RELAX NG |
JIS X 3005-13 | データベース言語SQL 第13部:Javaプログラム言語を用いるSQLルーチンと型(SQL/JRT) | JIS X 4177-3 | 文書スキーマ定義言語(DSDL)-第3部:規則に基づく妥当性検証-Schematron |
JIS X 3005-14 | データベース言語SQL第14部:XML関連仕様(SQL/XML) | JIS X 4177-4 | 文書スキーマ定義言語(DSDL)-第4部:名前空間に基づく検証委譲言語-NVDL |
JIS X 3005-2 | データベース言語SQL 第2部:基本機能(SQL/Foundation) | JIS X 4177-7 | 文書スキーマ定義言語(DSDL)-第7部:文字レパートリ記述言語(CREPDL) |
JIS X 3005-4 | データベース言語SQL 第4部:永続格納モジュール(SQL/PSM) | JIS X 4178 | XMLフォーム言語(XForms)1.0 |
JIS X 3006-1 | データベース言語 SQLマルチメディアと適用業務パッケージ 第1部:枠組 | JIS X 4179 | 拡張可能なスタイルシート言語(XSL)1.1 |
JIS X 3008 | プログラム言語Pascal | JIS X 7136 | 地理情報-地理マーク付け言語(GML) |
JIS X 3010 | プログラム言語C | JIS X 7201 | ニュース用マーク付け言語(NewsML) |
JIS X 3011 | プログラム言語MUMPS | JIS X 7206 | 拡張可能な事業報告言語(XBRL)2.1 |
JIS X 3012 | プログラム言語ISLISP | JIS X 7254 | OWLウェブオントロジ言語-意味論と抽象構文 |
棒鋼・形鋼・鋼板・鋼帯〔構造用/一般加工用/圧力容器用/厚さ方向特性/寸法・質量・許容差/土木・建築用/鉄道用〕、鋼管〔配管用/熱伝達用/構造用/特殊用途鋼管・合金管〕、線材・線材二次製品