JIS Z 6017 電子化文書の長期保存方法|日本産業規格|最新情報 更新 改正制定
JIS Z 6017 電子化文書の長期保存方法の日本産業規格 JISZ6017の一覧・基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!
JIS Z6017:2013の規格は,紙文書又はマイクロフィルム文書を電子化し,電子化文書を長期保存管理するための記録媒体のハード及びその利用システム,見読性の維持,媒体移行の手順,廃棄などについて規定。
ページコンテンツ
- 1 電子化文書の長期保存方法 規格 一覧表
- 2 最新 JIS Z6017 規格の詳細 更新日 情報
- 3 JIS Z6017:2013 目次
- 4 適用範囲 [1]
- 5 引用規格 [2]
- 6 用語と定義 [3]
- 7 長期保存文書の規定と業務手順の文書化 [4]
- 8 保存ファイルの種類 [5]
- 9 見読性の維持 [6]
- 10 電子化文書の廃棄 [7]
- 11 監査と監査記録の保存 [8]
- 12 附属書A (規定)長期保存ファイルの種類と長期保存運用モデル
- 13 附属書B (参考)電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデル
- 14 附属書C (参考)ダブリンコアをベースとした管理台帳作成基準
- 15 電子化 関連 主なJIS規格 一覧
電子化文書の長期保存方法 規格 一覧表

電子化文書の長期保存方法の一覧
最新 JIS Z6017 規格の詳細 更新日 情報
JIS Z 6017:2013の最新の詳細や改正,更新日の情報!
JIS 改正 最新情報
| JIS規格番号 | JIS Z6017 | JIS改正 最新・更新日 | 2013年09月20日 |
|---|---|---|---|
| 規格名称 | 電子化文書の長期保存方法 | ||
| 英語訳 | Document management – Long-term preservation for electronic imaging documents | ||
| 対応国際規格 ISO | |||
| 主務大臣 | 経済産業 | 制定 年月日 | 2006年12月20日 |
| 略語・記号 | No | JIS Z6017:2013 | |
| ICS | 35.240.30 | JISハンドブック | |
| 改訂 履歴 | 2006-12-20 (制定),2011-10-20 (確認),2013-09-20 (改正),2018-10-22 (確認) | ||
JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。
JIS Z6017:2013 目次
- 1 適用範囲
- 2 引用規格
- 3 用語と定義
- 4 長期保存文書の規定と業務手順の文書化
- 4.1 電子化文書管理規定
- 4.2 事業者の文書保存責務
- 4.3 文書管理部門の責務
- 4.4 管理台帳作成と保存
- 5 保存ファイルの種類
- 5.1 一般
- 5.2 保存ファイルの種類
- 5.3 電子署名とタイムスタンプ
- 6 見読性の維持
- 6.1 一般
- 6.2 長期保存用途に使用する記録媒体とドライブ装置
- 6.3 作成媒体
- 6.4 初期品質検査
- 6.5 記録後の定期品質検査
- 6.6 定期品質検査に関する付随事項
- 6.7 光ディスクの品質検査フロー
- 6.8 光ディスクの取扱いに関する注意
- 6.9 光ディスクの保存
- 7 電子化文書の廃棄
- 8 監査と監査記録の保存
- 附属書A(規定)長期保存ファイルの種類と長期保存運用モデル
- 附属書B(参考)電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデル
- 附属書C(参考)ダブリンコアをベースとした管理台帳作成基準
適用範囲 [1]
この規格は,紙文書又はマイクロフィルム文書を電子化し,電子化文書を長期保存管理するための記録媒体のハードとその利用システム,見読性の維持,媒体移行の手順,廃棄などについて規定する。この規格の電子化文書は,JIS Z 6016 によって作成した文書とする。
なお,この規格における記録媒体は,長期間にわたる記録保存が可能で互換性に優れた光ディスクを対象とする。
引用規格 [2]
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS X 0836 ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合
JIS X 6246,120 mm(4.7 GB/面)と80 mm(1.46 GB/面)DVD-書換形ディスク(DVD-RAM)
JIS X 6248 80 mm(1.46 GB/面)と120 mm(4.70 GB/面)DVDリレコーダブルディスク(DVD-RW)
JIS X 6249 80 mm(1.46 GB/面)と120 mm(4.70 GB/面)DVDレコーダブルディスク(DVD-R)
JIS X 6250,120 mm(4.7 GB/面)と80 mm(1.46 GB/面)+RWフォーマット光ディスク(4倍速まで)
JIS X 6251,120 mm(4.7 GB/面)と80 mm(1.46 GB/面)+Rフォーマット光ディスク(16倍速まで)
JIS X 6252,120 mm(8.54 Gbytes/面)と80 mm(2.66 Gbytes/面)2層DVDレコーダブルディスク(DVD-R for DL)
JIS X 6282 情報交換用120 mm追記形光ディスク(CD-R)
JIS X 6283 情報交換用120 mmリライタブル光ディスク(CD-RW)
JIS Z 6016紙文書とマイクロフィルム文書の電子化プロセス
ISO/IEC 13170,Information technology-120 mm (8,54 Gbytes per side) and 80 mm (2,66 Gbytes per side)
DVD re-recordable disk for dual layer (DVD-RW for DL)
ISO/IEC 25434,Information technology-Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +R DL format-Capacity: 8,55 Gbytes and 2,66 Gbytes per side (recording speed up to 16X)
ISO/IEC 26925,Information technology-Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +RW HS format-Capacity: 4,7 Gbytes and 1,46 Gbytes per side (recording speed 8X)
ISO/IEC 29642,Information technology-Data interchange on 120 mm and 80 mm optical disk using +RW DL format-Capacity: 8,55 Gbytes and 2,66 Gbytes per side (recording speed 2,4X)
ISO/IEC 30190,Information technology-Digitally recorded media for information interchange and storage-120 mm Single Layer (25,0 Gbytes per disk) and Dual Layer (50,0 Gbytes per disk) BD Recordable disk ISO/IEC 30191,Information technology-Digitally recorded media for Information interchange and storage-120 mm Triple Layer (100,0 Gbytes per disk) and Quadruple Layer (128,0 Gbytes per disk) BD Recordable disk ISO/IEC 30192,Information technology-Digitally recorded media for information interchange and storage-120 mm Single Layer (25,0 Gbytes per disk) and Dual Layer (50,0 Gbytes per disk) BD Rewritable disk ISO/IEC 30193,Information technology-Digitally recorded media for Information interchange and storage-120 mm Triple Layer (100,0 Gbytes per disk) BD Rewritable disk
用語と定義 [3]
この規格で用いる主な用語と定義は,次による。
長期保存(long-term preservation) [3.1]
保存期間10年~30年程度において,真正性と見読性を保証できる状態で,電子化文書を保存すること。
注記 所定の期間を超えて保存する場合は,媒体移行を行うことで長期間保存年限を延ばすことができる。
媒体移行(migration of recording media) [3.2]
電子化文書の原本性を保証しながら,別の記録媒体にファイル形式を変更することなく移し替えること。
ダブリンコア(Dublin Core metadata) [3.3]
情報資源発見のためのメタデータ(索引,抄録など)記述の標準仕様。
注記 電子化文書の管理において,ダブリンコアに準拠したタイトル,作成者などの情報を記述することで,文書の検索性を高めることができる。
ディジタルデータエラー(digital data error) [3.4]
誤り訂正を適用する前の記録したデータに対する誤り。
電子保管庫(electronic storage system) [3.5]
電子化文書と文書の属性情報,管理台帳を保管する場所であり,サーバ,PCサーバとこれらに接続される各種記録媒体で構成するシステム。
BD [3.6]
Recordable disk
青色レーザとNA0.85の対物レンズとを用いて記録再生を行う,追記形ディスク。
BD [3.7]
Rewritable disk
青色レーザとNA0.85の対物レンズとを用いて記録再生を行う,書換形ディスク。
注記 BD Recordable diskとBD Rewritable diskは,ブルーレイディスクアソシエーション登録商標フォーマットの光ディスクを含む。
長期保存文書の規定と業務手順の文書化 [4]
電子化文書管理規定 [4.1]
電子化文書作成時に,文書ごとに保存期間を明確にする。特に,長期保存する文書は管理台帳を作成し,定期的な媒体移行を行うことを文書管理規定に明記して運用を行う。
事業者の文書保存責務 [4.2]
事業者の文書保存責務は,次による。
- a) 事業者は,社会的と法的な責務を負うため,電子化文書規定を定めて電子化文書を長期保存する。
- b) 事業者は,文書保存業務を外部委託できる。ただし,外部委託は,作業委託であるので事業者の責務は変わらない。
文書管理部門の責務 [4.3]
文書管理部門の責務は,次による。
- a) 文書管理部門は,電子化文書の使用者に文書管理規定を遵守させる。
- b) 文書管理部門は,長期保存対象の電子化文書を文書管理規定によって,速やかに電子保管庫に登録し,電子化文書をいつ,誰が電子保管庫に登録したかを管理台帳に記録する。
- c) 管理台帳は,いつでも参照可能な状態で電子保管庫に保管する。
- d) 電子保管庫に登録された電子化文書を修正する場合は,元の電子化文書はそのまま旧版として保存し,修正した電子化文書に新たな版番号を付ける。また,削除する場合は,管理台帳に削除情報を記入する。
管理台帳作成と保存 [4.4]
文書ごとに,登録した文書の検索とトレースが可能となるよう,管理台帳を附属書Cに示すダブリンコアの各項目の基本要素を参考に作成し,管理台帳を電子保管庫に保存して運用管理する。この場合のファイル形式は,検索可能なテキスト(XML)形式などが望ましい。ダブリンコアの基本記述は,JIS X 0836による。
管理台帳は長期的な運用が必要であり,定期的にバックアップを行い,電子化文書とともに光ディスクに保存して長期保存する。
一般的な電子化文書単位での管理台帳項目の例を,次に示す。
- a) タイトル(Title):電子化文書の文書名,バージョン
- b) 作成者(Creator):電子化文書の作成者,所属
- c) キーワード(Subject):検索キーワード
- d) 内容記述(Description):次による。
- 1) 要約,目次
- 2) 電子化文書の媒体(DVD-R,BD Recordable diskなど)
- 3) 媒体の管理番号と保管場所
- 4) 媒体の品質検査結果
- e) 公開者(Publisher):電子化文書の電子保管庫への登録者
- f) 寄与者(Contributor):媒体移行責任者,媒体移行責任部署
- g) 日付(Date):電子保管庫への登録日時
- h) 記録形式(Format):電子化文書のフォーマット,ページ数,総バイト数
- i) 資源識別子(Identifier):電子化文書の識別子(文書番号など)
- j) 原情報資源(Source):原文書に関する情報(原文書のタイトル,作成者名など)
- k) 関係(Relation):媒体移行情報で,次による。
- 1) 旧媒体に関する情報(媒体,管理番号,保管場所など)
- 2) 旧媒体の品質検査結果
- 3) 媒体移行実施日
- 4) 旧媒体と新媒体とのデータ一致検証結果
保存ファイルの種類 [5]
一般 [5.1]
長期保存ファイルの種類と長期保存運用モデルは,附属書Aに規定する。また,電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデルを,附属書Bに示す。
保存ファイルの種類 [5.2]
保存ファイルの種類は,次による。
- a) 電子化文書(正ファイル) 電子化文書の本文ファイルで,ファイルそのもの。
- b) 電子化文書(副ファイル) a)と同じもので,主に災害対策用で別地保存に用いる。
- c) 管理台帳(正ファイル) 文書の管理情報を記入した台帳をいい,文書は,管理台帳に登録することによって正式なものとする。
- d) 管理台帳(副ファイル) c)と同じもので,主に災害対策用で別地保存に用いる。
電子署名とタイムスタンプ [5.3]
電子署名とタイムスタンプは,次による。
なお,セキュリティ強度の低下を考慮し,有効期限を超えて効力を継続する場合は,有効期限を迎える前に再署名を行う。
- a) 管理台帳で有効期限の管理を行う。
- b) 再署名した文書は新たな文書として管理台帳に登録する。
- c) 旧文書との関連性を管理台帳に記載する。
見読性の維持 [6]
一般 [6.1]
この箇条では,光ディスクを使って長期保存する場合の記録状態の品質検査基準と取扱い方法を記載する。
長期保存用途に使用する記録媒体とドライブ装置 [6.2]
長期保存用途に使用する記録媒体とドライブ装置は,次による。
- a) 光ディスクは,加速試験による寿命推定評価などによって,長期保存用として設計され,出荷時にディフェクト管理などによって選別された高品位なものを使用する。
- b) 記録ドライブは,光ディスク用に記録特性が最適化された制御プログラムを搭載し,良好な記録品質
が確認された高品位なものを使用する。
- c) ディジタルデータエラーを測定する検査用再生ドライブは,基準ディスク又は製造業者が用意した基準ディスクに準じた校正ディスクを使用して,基準ドライブと相関を確認したものを使用する。記録機と検査機とを兼ねる機器もこれに準じる。
- d) 記録時の光ディスク回転方式はCLV[線速度一定(Constant Linear Velocity)]とし,記録速度は,使用するドライブと光ディスクとの組合せで指定,推奨されている速度とする。
- e) 証拠性を重視する長期保存用途には,誤操作,意図的な上書きと消去を防止するため,追記形ディスクの選択が望ましい。
作成媒体 [6.3]
作成媒体は,次による。
- a) 長期保存する記録媒体は,少なくとも正,副2式を作成し,不測の事態に備える。
- b) 不慮の災害に備え,1式は同一災害が及ばない遠隔地(別地)に保存する。
- c) 記録後にディジタルデータエラーを測定し,6.4の初期品質が確保されていることを確認する。
- d) 媒体の作成に当たっては,光ディスクの種類に応じて次による。
- 1) DVDは,JIS X 6246,JIS X 6248,JIS X 6249,JIS X 6252とISO/IEC 13170による。
- 2) CDは,JIS X 6282とJIS X 6283による。
- 3) BDは,ISO/IEC 30190~ISO/IEC 30193による。
- 4) その他ディスクは,JIS X 6250,JIS X 6251,ISO/IEC 25434,ISO/IEC 26925とISO/IEC 29642による。
初期品質検査 [6.4]
データを記録した光ディスクは,次のディジタルデータエラーを測定して,表1によって品質を判断する。
初期記録は状態1の品質が必要であり,状態2の場合は不合格とし,必要に応じて再作成する。
| 記録状態 | 光ディスクの種類 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| CD-R,CD-RW | DVD-RAM | DVD-R,+R DVD-RW,+RW | BD Recordable disk,BD Rewritable disk | ||
| 検査項目 | |||||
| C1エラー | BER | PIE SUM8 | RSER バーストエラー | ||
| 1 | 良好な状態 | 80未満 | 3×10-4未満 | 100未満 | 3.5×10-4未満と800バイト未満 |
| 2 | 対策を要する状態 | 80以上 | 3×10-4以上 | 100以上 | 3.5×10-4以上と/又は800バイト以上 |
初期品質検査は,次による。
- a) データを記録した全領域を検査する。多層ディスクの場合は,記録した全層を検査する。
- b) 記録済みディスクの全数を検査する。検査値は,光ディスク面内の最大値とする。
- c) 検査で状態2が発生又はデータ領域内に訂正不能エラーが発生した場合には,再作成する。
なお,光ディスク記録面の汚れ,ほこり(埃)などを適切に除去し,再検査後に状態1に改善された場合は,再作成の必要はない。
- d) 全ての検査結果(光ディスク上のエラー分布など)と記録速度,検査速度は,管理台帳に記録を残し,保存期間中の媒体移行に対する判断材料とする。
記録後の定期品質検査 [6.5]
データを記録した光ディスクは,定期的にディジタルデータエラーを測定して,表2によって品質を判断する。
状態2の場合,保存されたデータを速やか(1年以内)に別の光ディスクに移行しなければならない。
| 記録状態 | 光ディスクの種類 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| CD-R,CD-RW | DVD-RAM | DVD-R,+R DVD-RW,+RW | BD Recordable disk,BD Rewritable disk | |||
| 検査項目 | ||||||
| C1エラー | BER | PIE SUM8 | RSER バーストエラー | |||
| 1 | 良好な状態 | 110未満 | 4.5×10-4未満 | 140未満 | 5.0×10-4未満と1,200バイト未満 | |
| 2 | 1年以内に対策 | 110以上~220未満 | 4.5×10-4以上~9.0×10-4未満 | 140以上~280未満 | 5.0×10-4以上~1.0×10-3未満と/又は1,200バイト以上~1,900バイト未満 | |
| 3 | 即座に対策 | 220以上 | 9.0×10-4以上 | 280以上 | 1.0×10-3以上と/又は1,900バイト以上 | |
定期品質検査は,次による。
- a) 保存している光ディスクの同一作業条件(ロット)のものから抜取検査を行う。検査は,5年程度を目安とし,保存する文書の保存計画と合わせて,頻度を決定する。使用した光ディスクの推定寿命が確認できる場合は,これを変更することができる。変更に関しては,光ディスク製造業者に相談する。
- b) 抜取検査の結果が,状態2又は状態3となったロットに関しては,その全数を検査することが望ましい。
- c) 状態3が発生した場合には,即座に対策し再作成する。状態2の場合には,1年以内に再作成する。
なお,光ディスク記録面の汚れ,ほこりなどを適切に除去し,再検査後に状態1に改善された場合は,再作成の必要はない。
定期品質検査に関する付随事項 [6.6]
定期品質検査は,次の付随事項に沿って検査を実施する。
- a) データを記録した全領域を検査する。多層ディスクの場合は,記録した全層を検査する。
- b) 記録済みディスクの全数を検査する。検査値は,光ディスク面内の最大値とする。
- c) 全ての検査結果(光ディスク上のエラー分布など)と記録速度,検査速度は,管理台帳に記録を残し,保存期間中の媒体移行に対する判断材料とする。
- d) 媒体移行の場合は,作業内容を管理台帳に記載する。
光ディスクの品質検査フロー [6.7]
初期品質は,6.4に規定する良好な状態の光ディスクを長期保存する。定期検査は,6.5に規定するディジタルデータエラーで媒体の状態を判断し,必要に応じて媒体移行を実施する。
図1に品質検査フローを示す。
図1-品質検査フローチャート
光ディスクの取扱いに関する注意 [6.8]
[6.8.1] ケースへの出し入れと保存は,次による。
- a) 取り外しのときはケース中央部を押し,光ディスク本体に無理な力がかからないように取り扱う。
- b) 保存時も,光ディスク本体に無理な力がかからないように,縦置き保存が望ましい。
[6.8.2] 光ディスクの記録面をきず,指紋,ほこりなどから保護するため,長期保存光ディスクを取り扱う際には,無じん(塵)手袋を着用することが望ましい。取扱い時の記録面を保護できるカートリッジとカートリッジ入り光ディスクも商品化されている。
[6.8.3] 次の事例が発生し,光ディスク記録面のクリーニングを行う場合は,眼鏡拭きのような柔らかい布できずが付かないように軽く拭き取る。拭くときには内から外へ(光ディスクの中心から外周に向かって)直線的に拭く。
- a) 記録済み光ディスクの再生不良又は読取り速度が著しく低下した場合
- b) 6.4による検査で,状態2となった場合
- c) 6.5による検査で,状態2又は状態3となった場合
[6.8.4] ディスクレーベル面に識別用の文字等を記載する場合には,次の注意が必要になる。
- a) 手書きによる記入 記録信号への影響を考え,先のとが(尖)ったペンの使用は避ける。また,用いたインクが十分に乾燥していることを確認する。
- b) レーベルシールの貼付 再生時の回転むらなど機器の負担になる可能性があるので,避けるのが望ましい。
- c) インクジェットプリンタによる印刷 用いたインクが十分に乾燥していることを確認する。特に,デュプリケータ使用時には,重ね合わせによるインク転写が発生しやすい。プリンタのインク量調整又
は印刷環境下の湿気除去によって,インクの乾燥に注意を払う。
- d) a)~c) のいずれの方法を用いる場合でも,記録信号の品質を優先する目的から,文字記入は,データ記録後に行うことが望ましい。
光ディスクの保存 [6.9]
光ディスクの保存環境は,表3と次による。長期保存専用に防火と耐震設備を備えた環境で保存することが望ましい。
なお,次による。
- a) 長期保存環境 専用の長期保管庫に保存するほうが,光ディスクを長期に保存できる。
- b) オフィス環境 オフィス環境の保存でも,媒体移行していくことで運用できる。
| 保存条件 | 長期保存環境 | オフィス環境 |
|---|---|---|
| 温度 °C | 10~25 | 5~30 |
| 湿度 % | 40~60 | 15~80 |
| じんあい(塵埃) | じんあいの少ない環境 | じんあいの少ない環境 |
| 保管庫の構造 | 耐火構造で,施錠管理できる。外光を受けない,結露しない。 | 施錠管理できる。外光を受けない,結露しない。 |
| その他 | 有害な気体が存在しない。 | 有害な気体が存在しない。 |
電子化文書の廃棄 [7]
電子化文書の廃棄は,記録媒体(CD,DVDとBD)1枚に登録されている文書全てが廃棄可能となったときに行う。この場合は,廃棄の記録を管理台帳に記載する。
- a) 機密管理のために,記録媒体(CD,DVDとBD)は物理的に完全に破壊し,JIS Z 6016 の11.2(廃棄)の基準によって処理する。
- b) 電子化文書の作成の初期段階において,電子化文書が記録媒体単位で廃棄できることを考慮し,登録時に記録媒体に納めるのがよい。
監査と監査記録の保存 [8]
事業者が指名する監査者は,電子化文書の長期保存が文書管理規定に従って運用されていることを1年ごとに監査し,事業者に報告する。同時にその結果を長期保存する。
なお,次による。
- a) 文書管理責任者は,1年に一度,電子化文書が文書管理規定によって管理・運用されていることを監査し,事業者に報告し,同時に結果を長期保存する。
- b) 監査項目 監査項目には,少なくとも次のものを含まなければならない。
- 1) 見読性保持 正・副ファイルが二つ作られている。
- 2) 別地保存 別地保存が行われている。
- 3) ディジタルデータエラーの測定 定期的なディジタルデータエラーの点検が行われている。
- 4) 管理台帳への記載 表A.1の保存ファイルの種類と形態に示す各種の管理台帳には,所定の項目に正確にデータを記録する。
附属書A (規定)長期保存ファイルの種類と長期保存運用モデル
適用範囲 [A.1]
この附属書は,電子化文書を長期保存するための保存ファイルの種類と長期保存の運用モデルについて規定する。
保存ファイルの種類と形態 [A.2]
[A.2.1] 長期保存ファイルのモデル図
電子化文書,管理台帳など各種ファイルをまとめて長期保存していくモデルの例を,図A.1に示す。
図A.1-電子化文書管理システム(例)
[A.2.2] 保存ファイルの詳細
保存ファイルの種類と形態は,表A.1による。
| 番号 | 分類 | 必須/オプション | データ形式 | 記録内容 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 電子化文書(正) | 必須 | 画像(イメージ) | 電子化文書本体 |
| 2 | 電子化文書(副) | 必須 | ||
| 3 | 管理台帳(正) | 必須 | 文字(テキスト) | 電子化文書の登録,移行,廃棄時の情報 |
| 4 | 管理台帳(副) | 必須 | ||
| 5 | 試験標板 | 必須 | 画像(イメージ) | スキャン時の試験標板 |
| 6 | 復号鍵 | オプション | 符号(バイナリ) | 電子化文書を暗号化して保存した場合の復号鍵 |
長期保存規定の適用 [A.3]
[A.3.1] 文書管理責任者
事業者は,文書管理責任者を任命する。文書管理責任者は,文書利用者から独立した専任者であることが望ましい。何らかの理由で文書管理責任者を任命できない場合は,事業者が文書管理責任者を兼務する。文書管理責任者は,電子化文書の長期保存について責任を負う。
[A.3.2] 文書管理部門
文書管理部門は,長期間保存する文書を文書管理規定によって,管理・運用しなければならない。
[A.3.3] 外部委託
専任の文書管理部門を設けられない場合は,保存を含む文書管理業務を外部に委託することができる。ただし,この場合でも,業務委託を行うものであって,組織における文書管理責任者の責任は,変わることはない。委託先の事業者は,文書管理と保存についての専門知識をもち,保存記録媒体の出し入れの管理と記録の保持とを行い,記録媒体を長期に保存するための安全性,温度,湿度,ほこりなどの管理事業者を選択するものとする。
長期保存の運用モデル [A.4]
電子化文書の長期保存を実施するに当たり,この規格の規定に基づき作成した運用モデルの例を,図A.2に示す。
附属書B (参考)電子化文書長期保存のための光ディスク運用モデル
一般 [B.1]
この附属書は,光ディスクの技術的な知識,運用に関するモデルなど,電子化文書長期保存計画を推進するための項目を記載する。
光ディスク保存に関する技術的な知識 [B.2]
[B.2.1] 代表的な記録媒体(CD,DVDとBD)の種類とその品質確認方法を,表B.1に示す。
| 光ディスク | 追記・書換形区分 | 記録層数 | 容量 | 代表的な品質確認方法 | |
|---|---|---|---|---|---|
| CD | CD-R | 追記形 | 1層 | 650 MB/700 MB | C1エラー測定a) d) |
| CD-RW | 書換形 | 1層 | 650 MB/700 MB | ||
| DVD | DVD-R | 追記形 | 1層/2層 | 4.7 GBytes/8.5 GBytes | PIエラー測定b) d) |
| DVD+R e) | 追記形 | 1層/2層 | 4.7 GBytes/8.5 GBytes | ||
| DVD-RW | 書換形 | 1層 | 4.7 GBytes | ||
| DVD+RW e) | 書換形 | 1層 | 4.7 GBytes | ||
| DVD-RAM | 書換形 | 1層(両面) | 4.7 GBytes(9.4 GBytes) | BERエラー測定c) d) | |
| BD | BD Recordable disk | 追記形 | 1層/2層 | 25 GBytes/50 GBytes | R-SERとバーストエラーの測定 |
| BD Rewritable disk | 書換形 | 1層/2層 | 25 GBytes/50 GBytes | ||
| 注 a) 1秒当たりのエラー数。JIS X 6281による。 b) ECCブロック8個当たりのエラー数。JIS X 6241による。 c) 10 KBytes当たりのエラー数。JIS X 0009による。 d) CD,DVDの記録媒体を用いて電子化文書を長期保存する方法として,JIS Z 6016 とこの規格がある。また,DVDディスクのためのデータ移行方法として,JIS X 6255がある。 e) これらの名称は俗称であり,国際標準のISO/IEC規格とEcma International規格では,+Rフォーマット,+RWフォーマットと記載されている。 | |||||
[B.2.2] 記録媒体(CD,DVDとBD)の構造模式図は,図B.1のとおりである。
図B.1-記録媒体(CD,DVDとBD)の構造模式図
[B.2.3] 再生不具合の原因として,次のような事例がある。
- a) 擦りきず,指紋,ほこりなどが考慮されていない取扱いによる。
- b) 遮光(直射日光,長期間点灯の室内灯など)を考慮していない環境下での保存による。
- c) オフィス環境を超える温度,湿度,急激な温度差による結露環境下での保存による。
- d) 硫化ガスなど,酸又はアルカリ性ガスの発生源に近接した環境下での保存による。
光ディスクによる電子化文書保存の運用モデル図 [B.3]
[B.3.1] 光ディスクの選択について
光ディスクによる証拠性を重視する長期保存用途には,誤操作,意図的な上書きと消去を防止するため,追記形ディスクの選択が望ましい。寿命推定試験が行われているディスクを用いると,保存計画が立てやすくなる。
[B.3.2] 検査機と基準ディスクについて
検査機は,基準ディスクなどで動作確認をしたものを使用するのが望ましい。
[B.3.3] 記録ドライブについて
記録ドライブは,使用するディスク用に記録特性が最適化された制御プログラムを搭載し,良好な記録品質が確認された高品位なものを組み合わせて使用すると,各種基準に合致したディスクが効率的に作成できる。記録ドライブと光ディスクとの組合せについては,記録ドライブ製造業者に確認する。
[B.3.4] 品質検査モデルの一例
品質検査モデルの一例を,図B.2に示す。
注a)基準ディスクによる確認がなされているもの。
- b) ISO/IEC 10995,ISO/IEC 16963などによる寿命推定がなされていること,又は製造業者において,加速試験による統計的な寿命推定を行ったものであることを確認する。
- c) 使用する光ディスク用に記録特性が最適化された制御プログラムを搭載し,良好な記録品質が確認された高品位なもの。
図B.2-品質検査モデルの一例
附属書C (参考)ダブリンコアをベースとした管理台帳作成基準
一般 [C.1]
この附属書は,電子化文書の管理台帳に用いるダブリンコアについて記載する。
管理台帳の管理項目 [C.2]
管理台帳の管理項目は,ダブリンコアの規定に準拠する。ダブリンコアのメタ情報の基本項目15個との対応関係を,表C.1に示す。
| 項番 | ダブリンコア要素名 | ダブリンコアの説明 | 管理台帳への登録内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | タイトル(Title) | リソースの名前 | 電子化文書の文書名とバージョン |
| 2 | 作成者(Creator) | リソースに対して責任をもつ人又は組織 | 電子化文書の作成者と所属 |
| 3 | キーワード(Subject) | リソースのトピックと分類コード | 検索キーワード |
| 4 | 内容記述(Description) | 要約,目次などリソースの内容の説明・記述 | 要約,目次,記録媒体,媒体の管理番号と保管場所,媒体の品質検査結果,電子署名,タイムスタンプ,暗号鍵などの特定情報 |
| 5 | 公開者(Publisher) | リソースを現在の形態で利用できるようにした人又は組織(出版社,大学など) | 電子化文書の登録者 |
| 6 | 寄与者(Contributor) | 作成者以外でリソースの作成に関わった人又は組織 | 媒体移行責任者と媒体移行責任部署 |
| 7 | 日付(Date) | リソースに関する日付(作成日,公開日など) | 電子保管庫への登録日時 |
| 8 | 資源タイプ(Type) | リソースの内容種別(ホームページ,研究成果報告書,技術文書など) | - |
| 9 | 記録形式(Format) | リソースのデータ形式(Postscript,PDFなど)と大きさ(ファイル容量など) | 電子化文書のフォーマット,ページ数と総バイト数 |
| 10 | 資源識別子(Identifier) | リソースを一意に特定するための識別子(URI,ISBNなど) | 電子化文書の識別子(文書番号など) |
| 11 | 原情報資源(Source) | リソースが由来するリソースへの参照(原文書など) | 原文書に関する情報(原文書のタイトル,作成者名など) |
| 12 | 言語(Language) | リソースを記述している言語 | 電子化文書の記述言語(日本語など) |
| 13 | 関係(Relation) | 他のリソースとの関連付け(別バージョン,別フォーマット,参照など) | 旧媒体に関する情報(媒体,管理番号,保管場所など)旧媒体の品質検査結果,媒体移行実施日,旧媒体と新媒体とのデータ一致検証結果,試験標板の特定情報,参照ログの特定情報,バックアップの特定情報,文書の旧バージョンの特定情報 |
| 14 | 時空間範囲(Coverage) | リソースに関連する地理的場所又は時間的内容 | - |
| 15 | 権利管理(Rights) | 権利と利用条件に関する記述(著作権に関する情報など) | 参照権限と更新権限 |
電子化 関連 主なJIS規格 一覧
| 規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 |
|---|---|---|---|
| JIS B 7615 | 電子化計量器-電磁環境試験方法 | JIS Z 6016 | 紙文書とマイクロフィルム文書の電子化プロセス |
| JIS Z 6017 | 電子化文書の長期保存方法 | JIS Z 8222-2 | 製品技術文書に用いる図記号のデザイン―第2部:参照ライブラリ用図記号を含む電子化形式の図記号の仕様,とその相互交換の要求事項 |
