JIS Q 22320 最新規格 社会セキュリティ 緊急事態管理 危機対応に関する要求事項|JIS規格 一覧|改正 更新情報|制定

JIS Q 22320 社会セキュリティ 緊急事態管理 危機対応に関する要求事項の規格 JISQ22320の基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!

社会セキュリティとは,意図的,偶発的な人的行為や自然現象と技術的不具合によって発生する,インシデント,緊急事態と災害から社会を守ること。

JIS Q22320:2013の規格は,効果的な危機対応を実現するために守らなければならない必要最小限の要求事項について規定。危機対応に関わる単一の組織における指揮・統制,活動情報並びに連携及び協力のあり方についての基本的な事項について規定。

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社会セキュリティ 緊急事態管理 危機対応に関する要求事項 規格 一覧表

JIS Q 22320

社会セキュリティ 緊急事態管理 危機対応に関する要求事項の一覧

最新 JIS Q22320 規格の詳細 更新日 情報

JIS Q 22320:2013の最新の詳細や改正,更新日の情報!

JIS 改正 最新情報

JIS規格番号 JIS Q22320 JIS改正 最新・更新日
規格名称 社会セキュリティ-緊急事態管理-危機対応に関する要求事項
英語訳 Societal security – Emergency management – Requirements for incident response
対応国際規格 ISO ISO 22320:2011,Societal security-Emergency management-Requirements for incident response(IDT)
主務大臣 経済産業 制定 年月日 2013年10月21日
略語・記号 No JIS Q22320:2013

JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。

近年,災害,テロ攻撃を始め,様々なインシデントが頻発している。このことは,人命を守り,被害と損失を軽減し,社会活動にとって不可欠な諸機能を必要最低限のレベルで確実に維持させるため,効果的な危機対応の重要性を示している。そこには,医療と救助,飲料水と食糧の供給,電力と燃料の提供などが含まれる。従来の危機対応では,単一の国家又は地域が対象であり,単一の組織に焦点を当てたものが中心であった。しかし,今後は,複数の国家と複数の組織を対象とするアプローチが必要となってくる。これは,政府,非政府組織(NGO),貿易関係,と労使関係の各分野が世界規模で相互に関係をもち,依存し合っていることに起因している。

この規格は,公共と民間部門の危機対応組織が,あらゆる種類の緊急事態(例えば,危機,事業の中断・阻害と災害)に対処する能力を高めることを可能にするものである。危機対応において必要となる様々な機能は,複数の組織と機関によって分担されており,そこには民間組織,と基礎自治体から国までの様々なレベルの公共団体も含まれる。したがって,効果的な危機対応を準備し,実施していくためには,関係組織全てに対して共通の指針を示す必要がある。この規格は,関係各組織が連携しつつ,それぞれの業務遂行を最も効率的に行うことを可能にするための最小限の要求事項である。

指揮・統制を確立し,調整プロセスを実行し,関係する組織,機関とその他の関係者間の情報の流れを促進するために,効果的な危機対応には,体系化された指揮・統制・連携・協力が必要である。

危機対応における組織,地域,と国境を越えた支援は,被災者のニーズに対して適切で,かつ,文化的にも受け入れられるものであることが期待される。したがって,危機対策の立案と実施に当たっては,地域社会の人々の参画が必須となる。危機対応に関与する全ての組織には,地理的境界と組織の境界を越えた共通のアプローチに基づいて活動する能力が求められる。

情報に関する要求事項は,情報管理プロセスと構造に関する要求事項とともに,危機対応における情報交換と通信に関するニーズを踏まえて,最大限の相互運用性を担保するための技術的解決策を産業界が開発することを支援するものである。

効果的な危機への備えと事業継続マネジメントプログラムは,JIS Q 22301を用いること,と複数の組織が参加する演習を定期的に実施することによって,実現することができる。

注記 ISO/PAS 22399 [6]の後継規格を記載した。

この規格は,単独で用いることも,社会セキュリティ関連の他の規格と併せて用いることもできる。

適用範囲 [1]

この規格は,効果的な危機対応を実現するために守らなければならない必要最小限の要求事項について規定する。危機対応に関わる単一の組織における指揮・統制,活動情報並びに連携と協力のあり方についての基本的な事項について規定する。

さらに,指揮・統制に関する組織体制と手続き,意思決定支援,活動履歴の保持,情報マネジメント並びに相互運用性についても対象としている。

この規格では,時宜を得た,適切で,正確な情報を作成するためのプロセス,作業システム,並びにデータの取得と管理を規定する危機対応に用いられる活動情報についての要求事項も規定している。この規格は,組織内部の部署間と組織外の他の組織との関係における,指揮・統制プロセス,並びに連携と協力を支援し,組織間の連携と協力に関する要求事項も規定している。

この規格は,国際レベル,国家レベル,地域レベル又は地元レベルで起きるインシデントに備える,又は対応に関与するあらゆる組織[民間,公共,政府又は非営利組織(NPO)]に適用でき,それらの組織には次のような活動に関与する組織が含まれる。

  • a) インシデントに対する予防と回復に関与し,責任をもつ組織
  • b) 危機対応における指導と指示を提供する組織
  • c) 指揮・統制に関する規制と計画を作成する組織
  • d) 危機対応において,複数の機関間又は組織間の連携,と協力を構築する組織
  • e) 危機対応に関わる情報通信システムを構築する組織
  • f) 危機対応,情報通信,とデータ相互運用性モデルの分野で研究を行う組織
  • g) 危機対応における人的要因の分野で研究を行う組織
  • h) 一般の人々とのコミュニケーションと意思の疎通に責任を負う組織

注記 この規格の対応国際規格とその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 22320:2011,Societal security-Emergency management-Requirements for incident response(IDT)

ISO 22320:2018,Security and resilience — Emergency management — Guidelines for incident management

なお,対応の程度を表す記号「IDT」は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,「一致している」ことを示す。

引用規格 [2]

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。

JIS Q 22300社会セキュリティ-用語

注記 対応国際規格:ISO 22300,Societal security-Terminology(IDT)

用語と定義 [3]

この規格で用いる主な用語と定義は,JIS Q 22300 によるほか,次による。

指揮・統制(command and control) [3.1]

インシデントにおける目標達成を目指した意思決定,状況把握の実施,計画の策定,と決定事項の実

施,並びにそれらの影響の統制に関する活動。

注記1 このプロセスは,継続的に繰り返される。

注記2 指揮・統制は,「指揮・調整」と呼ぶこともある。

指揮・統制システム(command and control system) [3.2]

緊急事態への備え,危機対応,事業の継続と/又は復旧プロセスに関し,利用可能なあらゆる資産の効果的な緊急事態管理を支援するシステム。

協力(cooperation) [3.3]

合意に基づいて,共通の利益と価値の実現のために,共同で作業又は行動するプロセス。

注記 協力し合う組織は,契約又はその他の取決めによって,危機対応のため各自の資源を投じるが,指揮系統に関してはそれぞれの独立性を維持する。

連携(coordination) [3.4]

共通の達成目標を実現するため,様々な組織(公共又は民間),又は組織内の複数の部署が,共同で作業又は行動する方法。

注記1 連携は,危機対応が統一された目標をもち,互いの対応活動に関する情報を透明化し,全体として相乗効果を出すために,関係組織(例えば,公共又は民間の組織,と政府を含む。)の個々の組織による対応活動を統合する。

注記2 全ての組織は,危機対応に関する共通目的を達成するためのプロセスに関与するとともに,合意に基づく意思決定プロセスによって戦略を実施することを受け入れる。

緊急事態管理(emergency management) [3.5]

発生する可能性のある緊急事態を予防し,管理する総合的アプローチ。

注記 一般に,緊急事態管理は,かく(攪)乱,中断又は阻害を引き起こす可能性のある事象の発生前・発生中・発生後の予防,備え,対応と復旧に対するリスクマネジメントアプローチを活用する。

危機における指揮・統制(incident command) [3.6]

体系化された危機対応体制の一部。

注記 危機における指揮・統制は,インシデントの管理において指揮・統制体制内で実行されるプロセスである。

危機への備え(incident preparedness) [3.7]

効果的な危機対応を準備するために実施する活動。

危機対応(incident response) [3.8]

差し迫ったハザードを排除し,と/又は不安定,中断又は阻害を引き起こす可能性のある事象の結果を軽減し,正常な状況へ復旧するために講じる処置。

注記1 危機対応は,緊急事態管理プロセスの一部である。

注記2 あらゆる業態と規模の組織を対象としているJIS Q 22300 では,「インシデント対応」としている。

情報(information) [3.9]

意味をもつために処理され,体系化され,相互に関連付けられたデータ。

活動情報(operational information) [3.10]

状況とその考えられる展開について理解するため,周囲と関係付けられたデータ。

組織(organization) [3.11]

責任,権限と相互関係が取り決められている人々と施設の集まり。

例 会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者,協会,又はこれらの一部若しくは組合せ

注記1 これらの取決めは,一般に秩序立っている。

注記2 組織は,公的又は私的のいずれでもあり得る。

注記3 この定義は,品質マネジメントシステム規格の目的に対して有効なものである(JIS Q 9000 の3.3.1参照。)。JIS Z 8002での用語の「組織」の定義は,これとは異なる。

注記4 組織は,常設の場合も,特定かつ限定的な任務を実行するために臨時に作られた一時的なものもあり得る。

指揮・統制に関する要求事項 [4]

一般 [4.1]

一般に,指揮・統制には,次の任務が含まれる。

  • a) 危機対応に関する目的並びに達成目標の設定と更新
  • b) 役割,責務と関係の決定
  • c) 規則,制約条件とスケジュールの設定
  • d) 法令順守と賠償責任対策の徹底
  • e) 状況と進捗の把握,評価と報告
  • f) 主要な決定事項とその前提の記録
  • g) 各種資源の管理
  • h) 情報の発信
  • i) 意思決定とその共有
  • j) 決定事項のフォローアップ

複数の組織間,又は単一組織内の複数部署が危機対応に関与する場合は,次の事項が適用される。

  • 関与する組織間又は部署間で,全体的な活動目標について,合意することが望ましい。
  • 業務上の意思決定は,可能な限り低い階層で行うことを許可し,連携と支援は必要とされる中で最も高い階層から提供することを許容する体制とプロセスを構築することが望ましい。
  • 権限と各種資源は,危機対応の任務にふさわしいものでなければならない。
  • 組織は,危機対応策の策定と実施に当たって,地域社会の参画を促さなければならない。

指揮・統制システム [4.2]

[4.2.1] 一般

指揮・統制システムの目的は,人命を守り,負の影響を最小限にするためのあらゆる施策がとれるように,組織が単独で,また他の関係組織と協同して,効率的な危機対応を実施できるようにすることである。

危機対応のために,組織は,関連する法令と規制,並びにこの規格の要求事項に適合した指揮・統制システムを構築しなければならない。

指揮・統制システムの構築とともに,組織はできるだけ早急に,組織内部で,と他の組織,関係者,関係機関との間に,次のような事項に関する指揮系統を定めなければならない(例 指揮・統制者の指名)。

  • a) 任務の目的に関する共通した理解
  • b) 状況認識の統一
  • c) 指揮系統に属さない他の組織との関係
  • d) リーダーとして責任を負わせるため,適切な代理権をもつ人々の任命

これらの事項は,全て,計画策定と演習の段階で考慮しなければならない。

指揮・統制システムは,次の要件を満たさなければならない。

  • 様々なインシデントの種類と関与する組織に合わせて拡張可能である。
  • どのような種類のインシデントにも適応できる。
  • 様々な危機対応組織と関係機関を統合することができる。
  • インシデントの展開と危機対応の結果に応じて柔軟に対応できる。

これらの要件を満たすため,指揮・統制システムには,次の事項を含まなければならない。

  • 指揮・統制体制
  • 指揮・統制プロセス
  • 指揮・統制体制と指揮・統制プロセスを実施するために必要となる資源

組織体制と指揮・統制システムに関する各プロセスは,文書化しなければならない。

注記 指揮・統制組織に関与する人数,役割と責務は,インシデントの規模によって異なる可能性がある。

[4.2.2] 役割と責務

例えば,指揮・統制者のような組織内の一つの役割は,その組織内の指揮・統制に関する全責務を担うことを明確にしなければならない。この役割は,次の事項に関する責務を負わなければならない。

  • 危機対応の全ての対策を開始し,連携させ,責任を負うこと
  • 必要に応じて新しい組織を立ち上げること
  • 開始,拡大と終結のプロセスを検討すること
  • 法的とその他の義務事項を明確化し,果たすこと

指揮・統制体制は,指揮・統制者が権限を他の者に委譲できるように組織しなければならない。

[4.2.3] 指揮・統制体制

指揮・統制体制は,時間的な枠組みが異なる中で,異なる種類の決定が行われる様々な階層(例 戦術レベル,作戦レベル,戦略レベル,規範レベル)で構成しなければならない。A.1に一例を示す。

[4.2.4] 危機レベルへの対応

あらかじめ定められた戦略的と戦術的指揮・統制体制に応じて,組織は,インシデントをその重大性によって幾つかのレベルに分類しなければならない。これは,実用的に可能な限り速やかに,適切な階層での指揮・統制を実施するためである。A.2に一例を示す。

[4.2.5] 指揮・統制プロセス

組織は,継続的な指揮・統制プロセスを構築しなければならず,次の活動を含まなければならない。

  • 観察
  • 情報の収集,処理と共有
  • 予測を含めた状況の評価
  • 計画策定
  • 意思決定と決定事項の伝達
  • 決定事項の実施
  • 結果のフィードバックと統制策

指揮・統制プロセスは,指揮・統制者の行動だけを限定するのではなく,あらゆる責務の階層において,指揮・統制のチームに関与する全ての人々に対して適用されなければならない。

単一の指揮階層構造をもつ組織におけるインシデントの指揮・統制プロセスの一例を図1に示す。

指揮・統制プロセス

図1-連携の必要性の限られた単一階層構造組織における指揮・統制プロセスの例

注記 指揮・統制,連携,と協力の原則は,階層構造が単一か複数かを問わず,あらゆる組織に適用される。複数の階層構造をもつ指揮・統制体制では,連携と協力の原則がより強く関係する。

指揮・統制プロセスにおいて,主要な役割と責務は,インシデントの規模に適して付与されることが望ましく,少なくとも,次の機能を含むことが望ましい。

  • a) 要員人事,庶務と財務機能
  • b) 状況の認識と予測機能
  • c) 任務遂行機能(計画策定,意思決定,記録作成,実施)
  • d) 物流機能
  • e) マスメディアと報道対応機能
  • f) 通信と情報伝達機能
  • g) 連絡機能(例えば,危機対応組織とNGOとの間)
  • h) 警報発信と窓口対応機能(例えば,一般の人々への情報提供)
  • i) 安全管理機能(例えば,現場要員の安全衛生)

[4.2.6] 意思決定

意思決定は,できる限り,明確かつ透明であることが望ましい。この意思決定は,組織内部と関係する組織,また,適切な場合には,一般社会にも伝達することが望ましい。

[4.2.7] 指揮・統制の資源

組織は,意思決定と機材の運用のために適切な場所に施設を設けるとともに,各種資源が必要に応じて利用可能かつ機能的であることを確実にするためのプロセスを確立しなければならない。これは,統制センターの設置を含む場合もある。

指揮・統制の各機能が実行される拠点となる指揮所は,既存の建物を利用しても,仮設の建物を利用してもよい。必要な場合は,副指揮所を現場の内又は外のいずれかに設置してもよい。

人的要因 [4.3]

組織が人間のもつ様々な制約に起因する失敗をせずに活動でき,目標を達成することができるように,危機対応における人間の役割について配慮することは不可欠である。危機対応活動は,当該文化に受け入れられる形で,被災者のニーズに即して実施しなければならない。

組織は,次のような人的要因について検討し,適切な処置を講じなければならない。

  • 作業分担
  • 安全・衛生
  • 要員の交替
  • 人・機械・システム間のインタフェース設計

指揮・統制の体制,プロセスと機材(特に,複数の組織で又は国境を越えて使用する場合)を規定と設計する際は,能力レベル,文化的背景,語学力,業務手順などに関して利用者間に存在する相違について配慮しなければならない。

危機対応に関与する全ての人は,全体の業務体制のどこに自らが位置付けられるかを常に理解していなければならず,また,教育訓練と演習を通して,自らが管理する各種資源を使いこなせるだけの適切な力量を備えていなければならない。

人・システム間のインタフェースを設計する際は,まず使用者の能力,特性,制約,技能,と業務ニーズを検討しなければならない。電子システムと/又は機械システムを指揮・統制体制の一部に組み込む場合は,特に禁じられていない限り,人・機械・システムの関係において,人間のオペレータが最も高い権限をもつことが望ましい。

危機対応に関わる人が訴える精神的,感情的,と心理的ストレスに対応するため,適切な対策を講じなければならない。

活動情報に関する要求事項 [5]

一般 [5.1]

活動情報は,危機対応活動を効果的に管理するために必要となる情報である。この情報は,状況認識の確立,資源の手配,と活動の統制を支援するものである。活動情報は,インシデント,発生場所ととられた危機対応活動に関する情報を処理した結果である【図2参照】。活動情報は,インシデントによっては動的な情報として得られることも,地理空間上に位置付けられる静的な情報として得られることもある(すなわち,建物,社会基盤,人々】。

注記 活動情報は,状況評価の基礎となり,活動目的の達成を促進するものである。活動情報の作成,統合と発信は,指揮・統制の必須要素である。

注記 サイクルを示すために矢印を挿入した。

活動情報提供プロセス

図2-活動情報提供プロセス

活動情報提供プロセス [5.2]

[5.2.1] 一般

組織は,活動情報を提供する継続的プロセスを確立しなければならない。これには,次の活動を含める。

  • a) 計画策定と指示
  • b) 情報収集
  • c) 情報の処理と利用
  • d) 情報の分析と作成
  • e) 情報の発信と統合
  • f) 評価とフィードバック

注記 これらの活動は,同時進行させることもできる。

[5.2.2] 計画策定と指示

活動情報は,指揮・統制プロセスの一部として計画し,準備しなければならない【4.2.5参照】。

次の活動を含まなければならない。

  • a) 危機対応業務を実施するための指示と達成目標の提示
  • b) 効率的な意思決定のための,主要な問題の特定
  • c) 収集方法と成果物に関する指針も含めた情報収集計画の策定
  • d) 情報の保管,利用,アクセス権,と制限に関する計画策定(データベースの設計,データ様式,通信手段など)
  • e) 関係組織がもつ情報ニーズの確認
  • f) 必要とされる情報に関する時間的制約の確認
  • g) 発信に関する要求事項と手順の決定(技術的と非技術的)
  • h) 活動情報の処理に関わる人材配置計画の策定
  • i) 情報処理装置とその操作管理に関する計画の策定

[5.2.3] 情報収集

情報収集には,活動情報の取得に関連する活動(例えば,方向性並びにいつ,どこでとどの情報源から確定するか)が含まれる。

次の活動を含めなければならない。

  • a) 入手可能な情報源の確認
  • b) 情報の取得
  • c) 情報源と入手時刻の特定も含め,入手した情報の登録と記録

[5.2.4] 情報の処理と利用

情報の処理と利用の過程において,収集したデータは,あらゆる階層の意思決定者とその他活動情報を必要とする利用者が,容易に使用できるような形式に変換する。

次の活動を含めなければならない。

  • a) 効果的な発信をするために適切な書式への情報の適合
  • b) 情報の初期段階評価(妥当性とその情報源の信頼性の評価)。A.3に一例を示す。
  • c) 無用,無関係,と不正確な情報の排除
  • d) 情報発信レベルの明示(機密性のレベルも含む。)
  • e) 情報の信ぴょう(憑)性の評価。A.3に一例を示す。

[5.2.5] 情報の分析と作成

情報の分析と作成の過程において,使用可能な処理済みの全ての情報は,活動情報を作成するために,統合し,評価し,分析し,解釈する。そのアウトプットは,指揮・統制者の優先要求事項又は情報提供の依頼を満たさなければならない。

この段階では,次の活動を含めなければならない。

  • a) 情報の改訂
  • b) 情報の優先順位付けと分類
  • c) 情報の照合,組立と合成
  • d) リスクの特定とリスク分析
  • e) 予想される結果の推定と傾向の推論
  • f) 提案,推奨事項,報告,とその他の情報処理アウトプットの作成

[5.2.6] 情報の発信と統合

情報の発信と統合の過程において,活動情報は,分類に基づいて提供され,意思決定者とその他の利用者によって利用される。情報発信は,様々な手段によって行われることで促進される。用いる手段は,利用者のニーズ,活動情報の影響と重要性並びに利用可能な伝送手段によって決まる。

情報の発信と統合に際しては,次の活動を実施しなければならない。

  • 特定の要求事項(技術的と/又は非技術的)に準拠した発信。この手順を確立し,文書化し,活動情報の利用者全てが閲覧できる状態にすることが望ましい。
  • 利用者がもつ状況認識への活動情報の組込み

[5.2.7] 評価とフィードバック

評価とフィードバックの過程において,組織は,活動情報を生み出す各活動がうまく実行されているかを確認するため,あらゆる階層で評価を行わなければならない。これらの評価結果ともたらされたフィードバックに基づいて,プロセスを改善するため,必要に応じて,是正処置に着手することが望ましい。

活動情報提供プロセスの評価基準 [5.3]

組織は,活動情報提供プロセスの中で,次の評価基準を確実に満たすように検討しなければならない。

  • 品質
  • 全体的な見通し
  • 計画活動の同期
  • 完全性
  • 連携と協力
  • 優先順位付け
  • 予測
  • 即応性
  • 協働
  • 融合

詳細な事項と要求事項は,附属書Bによる。

協力と連携に関する要求事項 [6]

一般 [6.1]

共通の利害と価値観に基づいた効果的な危機対応を成し遂げるため,危機への備えの一環として適切な場合には,必要な協力協定を締結しなければならない。この協力は,特定されたリスクと組織に起こり得る危機シナリオに基づいたものであることが望ましい。

例えば,次のような相互間で協力が必要とされる。

  • 国,自治体,又は公共機関が行う公共サービスに関する大規模災害時の相互応援
  • 危機対応に必要な資源の提供に関した様々な階層の政府とNGOとの間での協力(例 警報と情報の放送に関するラジオ放送局との協定,NGOとの包括協定)
  • 危機対応支援活動に関する政府と民間企業との間での協力(例 食糧,避難所,医療業務,輸送,通信)
  • 法的義務がない場合の,災害レジリエンスに関する政府と民間企業との間の協力(例 医薬品の配送,ワクチン,緊急用電力供給能力,飲料水の配給)
  • 危機対応関連製品の生産の継続と配送を確実にするための相互支援を提供する民間企業間の協力

協力 [6.2]

組織は,次のことを行わなければならない。

  • 効果的な危機対応を準備するため,他の組織,関係者と関係組織との協力の必要性を評価する。
  • その評価に基づき,協力協定を締結する。
  • 必要に応じて,専門家の相互派遣をすることによって,自組織の指揮・統制プロセスに協力する組織を参画させることを可能にする。
  • 組織が指定した期間ごとに,協力協定を試験,評価と改訂する。

連携 [6.3]

[6.3.1] 一般

組織は,関係者と関係組織との連携の必要性を評価し,危機への備えの一環として,必要不可欠な協力関係を確立しなければならない。この連携は,特定されたリスクと組織に起こり得る危機シナリオの結果に基づいたものであることが望ましい。連携は,人道的で,危機における中立・公平な救援をもたらすことが望ましい。

組織は,次の目的のために,関係者と関係組織と積極的に実務的な関係を結ばなければならない。

  • 情報の共有
  • 計画策定と意思決定のプロセスへの寄与
  • 緊急事態における経営上の意志決定事項の実施
  • 必要とされる限りのこのプロセスの繰り返し

必要に応じて,専門家の相互派遣をしなければならない。

連携の重要性が高い,複数の階層構造をもつ指揮・統制プロセスの一例を図3に示す。

統制プロセスの循環図

図3-連携の重要性が高い,複数の階層構造をもつ指揮・統制プロセスの循環図

[6.3.2] 連携プロセス

組織は,関係組織間で可能な限り良好な連携を達成するため,複数の階層構造をもつ指揮・統制プロセスを構築しなければならない。このプロセスは,既存の協力協定を尊重しなければならない。

関係する組織は,他の組織を評価しなければならない。さらに,必要性があり実行可能な場合においてインシデント

は,他の組織に影響を与え得る決定に関し,他の組織が意思決定に参加できるようにしなければならない。

全ての組織は,他の組織に対し,その組織に影響を与え得る決定事項を知らせなければならない。

複数の階層構造をもつ指揮・統制プロセスには,次の事項を含めなければならない。

  • a) 現場での早期の連携 現場の初動対応者は,応対できる人の能力と経験に基づき,現場での連携を早期に実施しなければならない。初期の危機対応では,人命又は社会基盤を守ること,と人々を更なる危険から保護することが極めて重要になり得る。この早期の現場での連携は,その後,指揮・統制によって,計画と持続された連携に引き継がなければならない。
  • b) 参画 連携に関する全ての組織は,自らに影響する方針,手続き,戦略と計画の決定に参画しなければならない。連携の担当者は,他の関係者からの信頼を維持できるように行動しなければならない。
  • c) 公平性 連携は,任務遂行における公正さを担保し,全関係者の力量と機会均等を尊重しなければならない。

[6.3.3] 連携の目的

組織は,あらゆる活動のレベルにおいて,効果的で持続的な連携を実現するため,連携の目的を確実にし,かつ,優先順位付けをしなければならない。

組織は,実際の危機対応活動に関した次の連携目的とその適用可能性を評価しなければならない。

  • a) 指揮・統制体制の確立
  • b) 共通で透明性のある意思決定手続きの確認
  • c) 情報共有と状況認識に関する方針の実施
  • d) 情報伝達の流れに関する計画と情報伝達に関する指針の実施
  • e) 活動任務の分担
  • f) 物流支援ネットワークの準備と実施
  • g) 異なる組織間での責任分担(地理的範囲と責務範囲)の設定
  • h) 特殊資源の管理の実施
  • i) 通信網,地理的ネットワーク,と情報管理ネットワークの相互運用性
  • j) 重要ニーズの確認
  • k) スタッフの交替を考慮した連携プロセスの継続性

情報共有 [6.4]

情報共有は,連携と協力の基礎であり,かつ,関係する組織間の信頼に基づく必要がある。複数の組織,又は複数の国家による共同の危機対応の成功は,時宜を得た正確な情報と効果的な活動情報の共有による。

最も時宜を得た正確な活動情報は,組織間と国家間のものを統合し,一つにまとめられた結果である。この統合による一元管理は,単一組織のどのような努力にも勝る。

共有の必要がある全ての情報について,各組織は,実際のインシデントと関与する組織に応じて情報共有できる手段を確立しなければならない。

組織は,次のような情報共有の必要性を評価しなければならない。

  • a) 情報共有環境 状況認識を統一し,高度な状況認識をもつために活動情報を共有する環境を構築する必要性。
  • b) 取組みの統一 各組織の構成員は,自らの観点からだけではなく,組織間又は複数国家間の視点から状況を見る必要性。
  • c) 顕著な相違を解消するための調整 危機対応に関与する組織間で,主義又は手続きの相違が生ずる可能性がある。有効な活動情報を組織間又は国家間で実現するため,指揮・統制の最も高い階層から,組織間にある顕著な相違を解消するための調整の必要性。
  • d) 情報処理計画 計画策定プロセスの早い段階で,他の組織と共有する可能性のある活動情報を決める必要性と望ましい共有方法を決める必要性。
  • e) 補完的な危機対応業務 協力組織で行う補完的な業務活動に関する活動情報を共有する必要性。
  • f) 言語又は記号 共通の言語又は記号を設定する必要性。

人的要因 [6.5]

協力と連携の組織体制,システムと(特に複数の組織,又は複数の国家での使用に関する)機器の仕様を規定と設計する際は,能力レベル,文化的背景,業務手順,言語などの相違に配慮しなければならない。

注記 いかなる場合でも,最も低いレベルの教育訓練を受けた人を想定することが普通である。

附属書A (参考)各要求事項の事例

指揮・統制体制 [A.1]

指揮・統制体制に関する要求事項の幾つかの例を,表A.1に示す。

【 表 1 】 指揮・統制体制の分類の例
指揮群指揮レベル説明支援
戦略的 規範 監視,支援又は直接介入のいずれかの目的で,インシデントの性質に応じて活動する,国家又は都道府県レベル 後方支援(例えば,輸送,廃棄物処理,教育部門,社会福祉,財務支援サービス)
戦略的活動,方針と目的の指揮 管区の長 例えば,地方自治体の首長,個別対応組織の長,活動に関する最高位の意思決定者
戦術的 危機対応の指揮・統制,連携と協力 各参加組織の指揮・統制者レベル
活動における任務レベルの調整 現場での調整と支援業務 (隊員と部門又は部署,並びに同レベルの支援機能担当)
注記1 戦略的と戦術的な構成要素の目的は,この表に例示したように,時間的制約が厳しいインシデントの場面で,あらゆる必要な側面を考慮し,時宜を得た,包括的かつ効果的な意思決定を行うことを可能にすることにある。
注記2 戦略的レベルにある後方支援の構成要素の目的は,戦略的な危機対応に直接関与しない後方支援部門と組織を「巻き込む」ことで,できるだけ早く通常状態に戻るための支援を可能にするためである。

危機レベルへの対応 [A.2]

危機レベルへの対応に関する要求事項の幾つかの例を,表A.2に示す。

【 表 2 】 投入される資源に基づく危機レベルの分類の例
危機レベル危機レベルの説明指揮レベル
レベル1 あらかじめ規定された対応に従って投入された資源で対応できる事象 戦術的指揮,任務レベルでの指揮ときに戦術的連携による監視と支援を受ける。
レベル2 被災した組織がもつ資源を投入すれば対応できる事象 戦術的指揮と連携
レベル3 被災した組織がもつ資源に加えて,近隣組織の相互支援の通常の取決めによる支援を受け対応できる事象 管轄区内での活動に関する戦略的指揮と連携
レベル4 被災した組織がもつ資源に加えて,被災した地理的管轄区内にある全ての組織からの支援を受け対応できる。この支援は,地方政府の活動連携センターの利用を通して,提供されることもある。 管轄区の内部,と隣接区域にまたがる戦略的指揮 ときに戦略レベルによる監視を受ける。
レベル5 その組織が事象に対応することを助けるため,提供されるあらゆる支援を管理することも含まれ,被災地をもつ中央政府によって二国間条約と国際組織の既存の協約が実施される。 管轄区の内部,と隣接区域にまたがる戦略的指揮 ときに戦略レベルによる支援と直接介入を要求される場合がある。

情報の処理と利用 [A.3]

情報の処理と利用に関する要求事項の幾つかの例を,表A.3と表A.4に示す。

表A.3と表A.4の例に示す評価尺度は,正確さの程度を段階的に表しているわけではない。単に,受け取った情報の信ぴょう(憑)性を形式化したものである。情報源の信頼性を示すアルファベットと情報の信ぴょう(憑)性を示す数字は,相互に独立したものであり,情報の総合的な評価を示すものである。例えば,信頼できない情報源(E)が,他の情報源でも確認される正確な情報を提供するかもしれない。この場合は,その情報の格付けはE1となる。加えて,F6と評価された報告も実は完全に正しい可能性もあり,自己の判断で破棄しないことが望ましい。

【 表 3 】 情報源の信頼性を格付けする方法の例
格付け 説明
A「完全に信頼できる」-自信をもって信頼することのできる十分に試行された情報源。極めてまれ(稀)にしかない。
B「通常は信頼できる」-これまで有効であったが,依然として特定の場合においていくらかの疑義が残る情報源。国連機関,軍(又は軍に近い機関),幾つかの主要なNGOなど,誠実と考えられている情報源が当てはまる。
C「ある程度信頼できる」-これまで時折使ったことのある情報源で,その結果からある程度信用をおけるもの。一部の報道機関と一部のNGOが該当する。
D「基本的に信頼できない」-これまで使ったことのある情報源だが,信頼できないことの方が多いことが判明した情報源。一部の報道機関と一部のNGOが該当する。
E「信頼できない」-これまでの利用実績から信用に値しないことが証明された情報源。
F「信頼できるかどうか判断できない」-まだ使ったことのない情報源。
【 表 4 】 情報の信ぴょう(憑)性を格付けする方法の例
格付け 説明
1「他の情報源によって正しいことが確認されている」-その情報を元々報告したところとは別の情報源がその情報は間違いないと確認した場合。
2「かなり正しい」-報告された情報の核心部分について,別の情報源が間違いないと確認する場合。通常,航空画像はこの分類に含まれる。
3「たぶん正しい」-報告された事実又は行為に関する調査からは更なる情報は得られなかったが,その情報が過去の行為又は入手可能な背景情報と整合している場合。
4「疑わしい」-情報が,過去に報告され,妥当性が確認された情報と一致しない傾向を示す場合。
5「ありえない」-情報が,過去に報告され,妥当性が確認された情報と明らかに矛盾する場合。
6「判断不能」-新たに報告された情報が,比較できる情報をもたない場合。1~5に当てはまらない場合に利用される。無理をして1~5の格付けをするよりも,6と格付けするほうがよい。

附属書B (規定)活動情報提供プロセスの評価基準

一般 [B.1]

この附属書では,5.3で規定した活動情報提供プロセスの評価基準について,より詳細な事項と要求事項を規定している。

品質 [B.2]

アウトプットの品質は,対応業務を成功させる上,と指揮・統制者が的確な意思決定を行う上で最も重要となる。最高水準の品質を実現するため,活動情報は次の特徴を備えたものでなければならない。

  • a) 先行性 活動情報は,業務を計画し,意思決定するための基礎を提供するための,指揮・統制者のニーズを先取りしたものであること。ニーズの先取りには,スタッフが,現在と潜在的な達成目標,並びに関連する活動環境の全体像を認識し,完全に理解することが求められる。
  • b) 時宜性 活動情報は,指揮・統制者が必要なときに利用できるものであること。時宜を得た活動情報は,指揮・統制者が,活動対象地域で起きる事象を予期することを可能にさせる。これによって,指揮・統制者は,任務遂行において最大の効果を発揮する時期を選ぶこと,と予期しない出来事を回避することができる。
  • c) 正確性 活動情報は,正確であり,事実と実際の状況の正しい認識を伝達し,利用できる全ての情報を正常に評価することに基づく最良の状況予測を提供するものであること。活動情報のアウトプットの正確さは,最も信頼できる情報源の情報を一層重視することによって向上することもある。情報源の信頼性は,フィードバックプロセスを通じて評価することが望ましい。
  • d) 使いやすさ 活動情報は,指揮・統制者の具体的なニーズに合わせて作成され,即座に理解できるような形式で提供されるものであること。指揮・統制者は,活動情報を,目の前にある任務に対して,迅速に適用できなければならない。提供する活動情報が役に立つものとなるには,アウトプットが使われる状況を作成者が理解する必要がある。
  • e) 包括性 活動情報は,指揮・統制者の疑問にできる限り完全に答えるものであること。依然として何が未知であるかも指揮・統制者に示すものである。
  • f) 関連性 活動情報は,計画策定と目の前にある業務の実施に関連するものであること。また,指揮・統制者が達成目標を支援するものであること。活動情報は,指揮・統制者が状況を理解する際に役に立つものであるが,逆に,現在の活動にとって重要度が最低限又は全くない活動情報を提供して,指揮・統制者に負担をかけないこと。

注記1 指揮・統制者は,活動目的と戦略を,活動情報を扱うスタッフに伝達する。状況の進展に伴い,要求事項は更新され,改善される。

  • g) 客観性 活動情報は,偏りがなく,ゆが(歪)められず,先入観に左右されないものであること。
  • h) 利用可能性 活動情報は,指揮・統制者が容易に利用できるものであること。利用可能性は,適時性と利便性の側面だけではなく,適切な機密レベルの設定,相互運用性,と連結性の側面にも作用する。

注記2 活動情報は,機密レベルを最も低く設定し,情報提供に関わる制約条項を最小限にするこ

とによって,利用しやすさを最大限にする。

全体的な見通し [B.3]

活動情報は,直面する状況についての包括的理解をもたらすものである。関連する目標と戦略を明確に立てること,並びに活動の決定,計画,と実施をすることが対応業務を成功に導く助けとなることを考慮に入れ,課題として認識することが不可欠である。

計画活動の同期 [B.4]

活動情報は,支援する決定事項に影響を及ぼすために,情報要求に対して間に合うように回答し,危機対応活動と計画に同期させなければならない。活動情報のアウトプットを意思決定と決定事項の実行に組み込むことを可能にするために,活動情報処理の各ステップ(計画策定と指示,情報収集,処理と利用,分析と報告作成,発表)は十分な時間的余裕をもって完了させなければならない。

危機対応活動と計画に同期させる試みの中でよく起こる失敗である,活動情報の「遅延」を回避するため,意思決定を支援する活動情報の作成には,十分な時間的余裕をもつことが望ましい。

完全性 [B.5]

完全性は,事実に基づき,その事実が事実として解釈され,表現されることを求める。活動情報の収集,作成と利用に当たっては,望ましい結果,組織の立場,状況に対する先入観又はあらかじめ決められた目的,活動,活動の手段と合致させるために,方向性をもたせること又は操作することをしてはならない。

連携と協力 [B.6]

連携と協力は,望ましい達成目標という共通の関心をもたらす。活動情報の収集と作成における不要な冗長性と重複を削減できることから,効果的な活動情報提供プロセスの確立にとって不可欠なものである。

優先順位付け [B.7]

情報の収集と分析作業における優先順位付けは,計画策定の重要な側面である。優先順位付けは,最も重要な任務を明確化すること,とそれらの任務に対して利用可能な資源を適用することによって,要求事項に応え,より効果的にリスクを管理するという方法を提供する。

活動情報の利用者(例えば,指揮・統制者又は意思決定者)は,活動情報のニーズとその相対的重要度を明らかにすることによって,優先順位付けの取組みをリードすることが望ましい。

予測 [B.8]

活動情報は,今後あり得る展開について予測も提供するものである。仮に,予測の基になる情報の中に不十分又は不確実な要素がある場合は,活動情報を扱うスタッフは,指揮・統制者にその不十分な点を確実に認識させなければならない。

即応性 [B.9]

即応性を身に付けるための鍵は,あらゆる不測の事態にも対応できるように,事前の準備と体制作りをすることである。このような状況の中で,即応性を維持するには,かなり高い意識と洞察力が要求される。そのため,変化する状況,ニーズ,優先順位,と機会に対応するため,活動情報の構造,方法論,データベース,と成果物は,十分に即応であり,かつ,柔軟であることが望ましい。

協働 [B.10]

活動情報は,もともと,不完全なものである(すなわち,全てを知ることはできず,分析はごまかされやすく,情報には複数の解釈がつきやすい。)。これらの障害を回避し,忠実度を高めるために,特に外部組織に所属する,他の分析者と専門家に相談し,意見を求めることが望ましい。

融合 [B.11]

融合は,でき得る限り完全な状況評価を導き出すために,利用できるあらゆる情報源と分野領域から,情報を収集と吟味することが望ましい。

基本、事業継続・危機管理、情報セキュリティ、個人情報保護

社会セキュリティ 関連 主なJIS規格 一覧

【 表 5 】
規格番号 規格名称
JIS Q 22300社会セキュリティ-用語の規格
JIS Q 22301社会セキュリティ-事業継続マネジメントシステム-要求事項
JIS Q 22313社会セキュリティ-事業継続マネジメントシステム-手引
JIS Q 22320社会セキュリティ-緊急事態管理-危機対応に関する要求事項
JIS Q 22398社会セキュリティ-演習の指針

用語、通則、標準物質、サンプリング、大気〔試験-排ガス/ -燃料/ -ばいじん,その他/濃度計・自動計測器/自動車〕

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