JIS Z 3060 鋼溶接部の超音波探傷試験方法|日本産業規格|最新情報 更新 改正制定
JIS Z 3060 鋼溶接部の超音波探傷試験方法の日本産業規格 JISZ3060の一覧・基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!
JIS Z3060:2015の規格は,厚さ6mm以上のフェライト系鋼の完全溶込み溶接部を,超音波パルスを用いた基本表示の超音波探傷器で,超音波探傷試験を手動で行う場合のきずの検出方法,位置及び寸法の測定方法について規定。鋼管の製造工程中の継手溶接部には適用しない。
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鋼溶接部の超音波探傷試験方法 規格 一覧表

鋼溶接部の超音波探傷試験方法の一覧
最新 JIS Z3060 規格の詳細 更新日 情報
JIS Z 3060:2015の最新の詳細や改正,更新日の情報!
JIS 改正 最新情報
JIS規格番号 | JIS Z3060 | JIS改正 最新・更新日 | 2015年08月20日 |
---|---|---|---|
規格名称 | 鋼溶接部の超音波探傷試験方法 | ||
英語訳 | Method for ultrasonic testing for welds of ferritic steel | ||
対応国際規格 ISO | |||
主務大臣 | 経済産業 | 制定 年月日 | 1975年09月01日 |
略語・記号 | No | JIS Z3060:2015 | |
ICS | 19.100,25.160.40,77.140.01 | JISハンドブック | 溶接I:2019,非破壊検査:2019 |
改訂 履歴 | 1975-09-01 (制定),1978-08-01 (確認),1983-03-01 (改正),1988-03-01 (改正),1994-03-01 (改正),1999-02-20 (確認),2002-03-20 (改正),2007-04-20 (確認),2011-10-20 (確認),2015-08-20 (改正) |
JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。
JIS Z3060:2015 目次
- 1 適用範囲
- 2 引用規格
- 3 用語と定義
- 4 技術者
- 5 標準試験片と対比試験片
- 5.1 標準試験片
- 5.2 対比試験片
- 6 超音波探傷装置
- 7 接触媒質
- 8 探傷の準備
- 8.1 探傷方法の選定
- 8.2 対比試験片又は標準試験片の選定
- 8.3 探触子の選定
- 8.4 STB音速比の測定
- 8.5 探傷屈折角の測定
- 8.6 検出レベルの選定
- 8.7 探傷の時期
- 8.8 探傷面の手入れ
- 8.9 母材の探傷
- 9 超音波探傷装置の調整と点検
- 9.1 斜角探傷
- 9.2 垂直探傷
- 10 探傷
- 10.1 一般事項
- 10.2 斜角探傷
- 10.3 垂直探傷
- 11 記録
- 附属書A(規定)探傷器と探触子の機能と性能
- 附属書B(規定)平板継手溶接部の探傷方法
- 附属書C(規定)円周継手溶接部の斜角探傷方法
- 附属書D(規定)長手継手溶接部の斜角探傷方法
- 附属書E(参考)鋼管分岐継手溶接部の斜角探傷方法
- 附属書F(参考)ノズル継手溶接部の探傷方法
- 附属書G(規定)試験結果によるきずの分類方法
- 附属書H(参考)端部エコー法によるきずの指示高さの測定方法
適用範囲 [1]
この規格は,厚さ6 mm以上のフェライト系鋼の完全溶込み溶接部を,超音波パルスを用いた基本表示の超音波探傷器(以下,探傷器という。)で,超音波探傷試験を手動で行う場合のきずの検出方法,位置と寸法の測定方法について規定する。ただし,鋼管の製造工程中の継手溶接部には適用しない。
引用規格 [2]
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS Z 2300 非破壊試験用語
JIS Z 2305非破壊試験技術者の資格と認証
JIS Z 2345 超音波探傷試験用標準試験片
JIS Z 2350 超音波探触子の性能測定方法
JIS Z 2351 超音波探傷器の電気的性能測定方法
JIS Z 2352 超音波探傷装置の性能測定方法
用語と定義 [3]
この規格で用いる主な用語と定義は,JIS Z 2300によるほか,次による。
グリセリンペースト [3.1]
グリセリンに少量の界面活性剤と増粘剤を添加した接触媒質。
L方向 [3.2]
圧延鋼材の主圧延方向。
C方向 [3.3]
圧延鋼材の主圧延方向に直角な方向。
Q方向 [3.4]
圧延鋼材の主圧延方向から45°の方向。
STB音速比 [3.5]
横波垂直探触子を用い,超音波を送信した状態で,横波の振動方向と試験体の斜角探傷時の超音波ビームとの方向が同じ方向になるようにして測定された横波音速(V)と,標準試験片で測定された横波音速(VSTB)との比(V/VSTB)。
透過パルス [3.6]
二探触子法において,試験体を透過し受信用探触子に入射した超音波パルスとそれが探傷器の表示器に現れた指示。
透過パルス高さ [3.7]
V透過法又はタンデム探傷で得られた探傷図形上の透過パルスの高さ。
透過パルス高さ区分線 [3.8]
透過パルス高さを領域で区分して評価するための線。
技術者 [4]
鋼溶接部の探傷に従事する技術者は,JIS Z 2305 に規定する超音波探傷試験(以下,探傷という。)の資格者又はこれと同等の有資格者とし,超音波探傷の原理とフェライト系鋼の溶接部に関する知識をもち,かつ,その探傷についての十分な知識と経験をもつ者とする。
標準試験片と対比試験片 [5]
標準試験片 [5.1]
この規格で使用する標準試験片は,JIS Z 2345に規定するA1形標準試験片,A2形系標準試験片とA3形系標準試験片とする。
注記 超音波探傷試験に用いる標準試験片(STB:Standard Test Blockの略)は,JIS Z 2345で規定しており,A1形標準試験片には,STB-A1,A2形系標準試験片には,STB-A2,STB-A21,STB-A22,A3形系標準試験片には,STB-A3,STB-A31,STB-A32がある。
対比試験片 [5.2]
対比試験片は,RB-41,RB-42,RB-43,RB-A6とRB-SDHとし,次による。
- a) RB-41(平板継手溶接部用横穴対比試験片)
RB-41は,平板継手溶接部と曲率半径が250 mm以上の継手溶接部の探傷に使用し,表B.1と図B.1に示す形状・寸法の横穴対比試験片とし,次のいずれかとする。
- 1) RB-41Aは,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,曲率をもたないものとする。試験体との音速差は±2 %以内,感度補正量の差が±2 dB以内とする。
- 2) RB-41Bは,均質な低減衰材料で探傷面を仕上げたもので,曲率をもたないものとする。
- b) RB-42(円周継手溶接部用横穴対比試験片)
RB-42は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と直交する方向に曲率をもち,曲率半径50 mm以上の円周継手溶接部の探傷に使用し,図C.2に示す形状・寸法の横穴対比試験片とする。試験体との音速差は±2 %以内,感度補正量の差が±2 dB以内とする。
- c) RB-43(長手継手溶接部用横穴対比試験片)
RB-43は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と平行する方向に曲率をもち,
曲率半径50 mm以上の長手継手溶接部の探傷に使用し,図D.4に示す形状・寸法の横穴対比試験片とする。試験体との音速差は±2 %以内とする。
- d) RB-A6(円周継手溶接部用縦穴対比試験片)
RB-A6は,試験体と同等の音響特性の鋼材,探傷面の状態で,探傷方向と直交する方向に曲率をもち,曲率半径50 mm以上の円周継手溶接部の探傷で,使用する最大のビーム路程が150 mm以下の場合に使用し,図C.3に示す形状・寸法の縦穴対比試験片とする。試験体との音速差が±2 %以内とする。
- e) RB-SDH(横穴対比試験片)
RB-SDHは,JIS Z 2350の附属書1(対比試験片)に規定する横穴対比試験片とする。
超音波探傷装置 [6]
探傷器と探触子の機能と性能は,附属書Aによる。
接触媒質 [7]
探傷に使用する接触媒質は,次による。
なお,横波垂直探触子を使用する場合は,横波専用の接触媒質とする。
- a) グリセリンペースト
- b) 濃度75 %(体積分率75 %)以上のグリセリン水溶液
- c) 水
- d) オイル
- e) 音響インピーダンスが明らかな液体
探傷の準備 [8]
探傷方法の選定 [8.1]
溶接部の探傷は,指定のない限り,超音波ビームを溶接線方向に対して垂直に向けた一探触子斜角法とし,直接接触法で行う。附属書Bに規定するタンデム探傷法又は垂直探傷法を適用する場合は,受渡当事者間の協議によって決める。また,斜角探傷の斜め平行走査,溶接線上走査又はまたぎ走査を用いる探傷法を適用する場合についても,受渡当事者間の協議によって決める。
対比試験片又は標準試験片の選定 [8.2]
[8.2.1] 斜角探傷における試験片の選定
探傷感度の調整には,RB-41A,RB-41B,RB-42,RB-43,RB-A6の対比試験片又はA2形系標準試験片のいずれかをあらかじめ選定する。ただし,探傷面となる試験体の板厚が75 mm以上の場合,又はSTB音速比の測定結果から屈折角の選定を表5の探傷屈折角とする場合は,RB-41A,RB-41B,RB-42又はRB-43のいずれかを選定する。また,A2形系標準試験片を選定する場合は,使用する最大のビーム路程が150 mm以下とする。
[8.2.2] 垂直探傷における試験片の選定
探傷感度の調整には,RB-41A又はRB-41Bを使用する。
鋼溶接 関連 主なJIS規格 一覧
規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 |
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JIS Z 3043 | ステンレスクラッド鋼溶接施工方法の確認試験方法 | JIS Z 3044 | ニッケルとニッケル合金クラッド鋼溶接施工方法の確認試験方法 |
JIS Z 3060 | 鋼溶接部の超音波探傷試験方法 | JIS Z 3063 | 鉄筋コンクリート用異形棒鋼溶接部の超音波探傷試験方法と判定基準 |
JIS Z 3070 | 鋼溶接部の超音波自動探傷方法 | JIS Z 3104 | 鋼溶接継手の放射線透過試験方法 |
JIS Z 3106 | ステンレス鋼溶接継手の放射線透過試験方法 | JIS Z 3118 | 鋼溶接部の水素量測定方法 |
JIS Z 3821 | ステンレス鋼溶接技術検定における試験方法と判定基準 |
用語・記号、施工・管理、試験・検査〔破壊試験(硬さ・引張・衝撃・疲れ他)/非破壊試験/ろう・はんだ試験/化学分析〕、技術検定・認証、安全・衛生・環境
用語・記号、資格・認証・適合性評価、放射線透過試験、超音波探傷試験、浸透探傷試験、磁気探傷試験、渦電流探傷試験、漏れ試験、外観試験・目視観察、共通