JIS E 1311 最新規格 鉄道-分岐器類用語|JIS規格 一覧|改正 更新情報|制定
JIS E 1311 鉄道-分岐器類用語の規格 JISE1311の一覧・分類,番号,分岐器一般,ポイント,ガード,レール,部品,線形,基本・名称・用語・知識・JIS最新改正更新情報に関して解説!
JIS E1311:2002の規格は,鉄道の分岐器類に関する用語について規定。
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鉄道-分岐器類用語 規格 一覧表

鉄道-分岐器類用語の一覧
最新 JIS E1311 規格の詳細 更新日 情報
JIS E 1311:2002の最新の詳細や改正,更新日の情報!
JIS 改正 最新情報
JIS規格番号 | JIS E1311 | JIS改正 最新・更新日 | 2002年08月26日 |
---|---|---|---|
規格名称 | 鉄道-分岐器類用語 | ||
英語訳 | Railway – Turnouts and crossings vocabulary | ||
対応国際規格 ISO | |||
主務大臣 | 国土交通 | 制定 年月日 | 1973年11月01日 |
略語・記号 | No | JIS E1311:2002 | |
ICS | 01.040.45,45.080 | JISハンドブック | 鉄道:2019 |
改訂 履歴 | 1973-11-01 (制定),1976-11-01 (確認),1979-11-26 (確認),1985-01-26 (確認),1989-12-05 (確認),1994-05-12 (改正),2002-08-26 (改正),2007-06-19 (確認),2012-10-25 (確認),2017-10-25 (確認) |
JIS規格「日本工業規格」は、2019年7月1日の法改正により名称が「日本産業規格」に変わりました。
適用範囲 [1]
この規格は,鉄道の分岐器類に関する主な用語について規定する。
引用規格 [2]
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS E 1101 普通レールと分岐器類用特殊レール
JIS E 1301 鉄道用分岐器類の番数
JIS E 3013 鉄道信号保安用語
分類 [3]
分岐器類用語の分類は,次のとおりとする。
- a) 分岐器一般
- b) ポイント
- c) クロッシング
- d) ガード
- e) レール
- f) 部品
- g) 線形その他
番号,用語と定義 [4]
番号,用語と定義は,次による。
なお,参考として対応用語を示す。
備考1.慣用語を,定義欄に参考として示す。
備考2. 用語の読み方が紛らわしいものは,用語の下に読み方を括弧を付けて示す。
備考3.定義の中でこの規格に規定している用語が出てきた場合,その用語の後に括弧を付けてその番号を参考のために示す。
備考4. 規定している用語のJISがある場合,定義の後に括弧でそのJIS番号を参考のために示す。
a) 分岐器一般
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
101 | 分岐器類 (ぶんぎきるい) | 分岐器類とは,分岐器,ダイヤモンドクロッシング,シーサースクロッシング,スリップスイッチと渡り線の総称 | turnouts and crossings |
102 | 分岐器 | 分岐器とは,軌道を二つ以上に分ける軌道構造 | turnout |
103 | ダイヤモンドクロッシング | ダイヤモンドクロッシングとは,二つの軌道が交差する軌道構造 | diamond crossing |
104 | シーサースクロッシング | シーサースクロッシングとは,隣り合う2軌道間の,二つの渡り線(124)が交差する軌道構造 | scissors crossing, double crossover |
105 | スリップスイッチ | スリップスイッチとは,ダイヤモンドクロッシング(103)に渡り線を付けた(124)軌道構造で,シングルスリップスイッチ(116)とダブルスリップスイッチ(117)の総称 | slip switch, diamond crossing with slip |
106 | 片開き分岐器 (かたびらきぶんぎき) | 片開き分岐器とは,直線の軌道で他の1軌道が,直線の左側又は右側に分かれる分岐器 | simple turnout |
107 | 両開き分岐器 (りょうびらきぶんぎき) | 両開き分岐器とは,直線の軌道が,左右対称に2方向に分かれる分岐器 | symmetrical turnout |
108 | 振分分岐器 (ふりわけぶんぎき) | 振分分岐器とは,直線の軌道が,左右非対称に2方向に分かれる分岐器 | asymmetrical turnout |
109 | 曲線分岐器 | 曲線分岐器とは,曲線の軌道で他の1軌道が,曲線の内方又は外方に分かれる分岐器 | curved turnout |
110 | 内方分岐器 (ないほうぶんぎき) | 内方分岐器とは,曲線の内方に分かれる曲線分岐器 | curved turnout in the same direction |
111 | 外方分岐器 (がいほうぶんぎき) | 外方分岐器とは,曲線の外方に分かれる曲線分岐器 | curved turnout in the opposite direction |
112 | 固定ダイヤモンドクロッシング | 固定ダイヤモンドクロッシングとは,固定クロッシング(306)を用いて構成される,ダイヤモンドクロッシング | rigid diamond crossing |
113 | 可動ダイヤモンドクロッシング | 可動ダイヤモンドクロッシングとは,可動クロッシング(305)を用いて構成するダイヤモンドクロッシング | movable diamond crossing, switch diamond |
114 | 普通シーサースクロッシング | 普通シーサースクロッシングとは,隣り合う2軌道が平行な直線で,渡り線(124)の交差する形状が前後・左右対称のシーサースクロッシング | standard type scissors crossing, common scissors crossing |
115 | 特殊シーサースクロッシング | 特殊シーサースクロッシングとは,四つの分岐器のうち,少なくとも一つの分岐器の向きが変わったり,番数が変わったり,両開き分岐器,振分分岐器,ダイヤモンドクロッシング,スリップスイッチなどになったり,又は渡り線の交点が2軌道の中心にないなど,普通シーサースクロッシング以外のシーサースクロッシングの総称 | special layout scissors crossing, special layout double crossover |
116 | シングルスリップスイッチ | シングルスリップスイッチとは,片側に渡り線があるスリップスイッチ(105) | single slip switch, diamond crossing with single slip |
117 | ダブルスリップスイッチ | ダブルスリップスイッチとは,両側に渡り線がスリップスイッチ(105) | double slip switch, diamond crossing with double slip |
118 | 三枝分岐器 (さんしぶんぎき) | 三枝分岐器とは,1軌道を1か所のポイント部で3方向に分ける分岐器 | three-throw turnout |
119 | 複分岐器 | 複分岐器とは,1軌道を2か所のポイント部で3方向に分ける分岐器。 例 | tandem turnout |
120 | 三線式分岐器 | 三線式分岐器とは,3本のレールを並列して,二つの軌間を併用している軌道に用いる分岐器 | combined gauge turnout (three rails) |
121 | 四線式分岐器 | 四線式分岐器とは,4本のレールを並列して,二つの軌間を併用している軌道に用いる分岐器 | combined gauge turnout (four rails) |
122 | 普通分岐器 | 普通分岐器とは,片開き分岐器,両開き分岐器,振分分岐器と曲線分岐器の総称 | standard turnout |
123 | 特殊分岐器類 | 特殊分岐器類とは,ダイヤモンドクロッシング,シーサースクロッシング,スリップスイッチ,三枝分岐器,複分岐器,三線式分岐器と四線式分岐器の総称 | special layout turnouts |
124 | 渡り線 | 渡り線とは,二つの軌道を連絡する軌道構造。隣り合う軌道の場合交差する軌道の場合(スリップスイッチの渡り線構造) | crossover |
125 | 左分岐器 | 左分岐器とは,分岐器前端から見て,分岐線が左側にある分岐器 | left hand turnout |
126 | 右分岐器 | 右分岐器とは,分岐器前端から見て,分岐線が右側にある分岐器 | right hand turnout |
127 | 大正14年形分岐器 | 大正14年形分岐器とは,大正14年形ポイント(214)を用いた分岐器 | TAISHO-type turnout |
128 | 帽子形分岐器 | 帽子形分岐器とは,帽子形ポイント(215)を用いた分岐器 | turnout with full web tongue rail |
129 | N形分岐器 | N形分岐器とは,N形ポイント(216)を用いた分岐器 | N-type turnout |
130 | ノーズ可動分岐器 | ノーズ可動分岐器とは,ノーズ可動クロッシング(307)を用いた分岐器 | turnout with movable nose crossing |
131 | 乗越分岐器 (のりこしぶんぎき) | 乗越分岐器とは,乗越ポイント(209)と乗越クロッシング(311)を用いた分岐器 | run-over type turnout |
132 | 直結分岐器 | 直結分岐器とは,道床バラストを用いないで,コンクリート床などに取り付けた構造の分岐器類 | direct fixation turnout |
133 | 組立分岐器類 | 組立分岐器類とは,製造業者が,ポイント,クロッシング,ガードと部品のほか,レール,まくらぎと犬くぎ又はレール用ねじくぎを用いて,工場で組み立てた分岐器類。 参考 組立分岐器 | shop assembling turnouts and crossings |
134 | 新幹線用分岐器類 | 新幹線用分岐器類とは,新幹線鉄道に用いられている分岐器類。 参考 新幹線用分岐器 | turnouts and crossings for SHINKANSEN |
b) ポイント
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
201 | ポイント | ポイントとは,分岐器を構成する部品のうち,軌道を分ける部分の装置 | point, switch |
202 | 直線ポイント | 直線ポイントとは,直線のトングレール(507)を用いたポイント | straight switch |
203 | 曲線ポイント | 曲線ポイントとは,曲線のトングレールを用いたポイント | curved switch |
204 | 弾性ポイント | 弾性ポイントとは,トングレール後端部が固定されていて,ポイント転換のときトングレールをたまわせる構造のポイント | flexible switch |
205 | 関節ポイント | 関節ポイントとは,ポイント転換のとき,トングレールが後端部を中心に回転する構造のポイント | articulated switch, hinged heel switch |
206 | 滑節ポイント (かっせつ――) | 滑節ポイントとは,ポイント転換のとき,トングレール後端部が継目板と間隔材との間で滑り回転する構造のポイント | loose heel switch |
207 | 鈍端ポイント (どんたん――) | 鈍端ポイントとは,ポイントの転換するレールに,鈍端レール(508)を用いたポイント。 例 | stub switch |
208 | スプリングポイント | スプリングポイントとは,ばね力によってポイントを常時一定方向に開通させ,他の方向から背向(760)で車両が進入する場合は,ばね力に抗して車輪がトングレールを転換させながら車両を通過させる機能の転換装置を用いたポイント | spring switch |
209 | 乗越ポイント (のりこし――) | 乗越ポイントとは,車両が分岐線を通過する場合,車輪が本線レールを乗り越える形式のポイント | run-over type switch |
210 | 脱線ポイント | 脱線ポイントとは,車両を脱線させるポイント | derailing switch, catch point |
211 | スリップポイント | スリップポイントとは,スリップスイッチに用いるポイント | slip switch, slip point |
212 | 三枝ポイント | 三枝ポイントとは,三枝分岐器に用いるポイント | symmetrical three throw switch |
213 | マンガンポイント | マンガンポイントとは,高マンガン鋳鋼製のレールを用いたポイント | manganese steel switch |
214 | 大正14年形ポイント | 大正14年形ポイントとは,大正14年に設計された滑節ポイント。 備考 大正14年形ポイントの主な特徴トングレールは,普通レールを用い,直線形。トングレールの上面は,基本レールの上面から7~10mm高い。締結装置はファングボルト式 | TAISHO-type switch |
215 | 帽子形ポイント | 帽子形ポイントとは,昭和10年に設計された,トングレールとして帽子形レール(510)を用いた関節ポイント。 備考 帽子形ポイントの主な特徴トングレールは,帽子形レールを用い,入射角付き曲線形。トングレールの上面は,基本レール上面と同じ高さ。トングレールの後端部は,ピボット式。締結装置はファングボルト式 | switch with full web tongue rail |
216 | N形ポイント | N形ポイントとは,Nレール(JIS E 1101参照)に用いる。関節ポイント。 備考 N形ポイントの主な特徴トングレールは,Sレール(511)を用い,入射角なし曲線形。トングレールの後端部は,ウェブヒンジ式。締結は調節式で,ボルト・犬くぎ式 | N-type switch |
217 | 入射角なし曲線ポイント | 入射角なし曲線ポイントとは,ポイント前端部に入射角(721)がない曲線ポイント。 例 | tangential curved switch |
218 | 入射角付き曲線ポイント | 入射角付き曲線ポイントとは,ポイント前端部に入射角がある曲線ポイント。 例 | intersecting curved switch |
326 | 曲線クロッシング | 曲線クロッシングとは,軌間線の片方又は両方が,クロッシングの全長にわたって曲線になっているクロッシング | curved crossing |
327 | 無開先電子ビーム溶接クロッシング | 無開先電子ビーム溶接クロッシングとは,レール母材同士の溶接面を開先を付けずに密着させ,真空中で密着面に電子ビームを照射させて溶接したクロッシング。 参考 NEWクロッシング | Non-groove electron beam welding crossing |
d) ガード
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
401 | ガード | ガードとは,レールに近接して設ける車輪の誘導装置。 備考 通常はクロッシング用のガードをいう | guard |
402 | ポイントガード | ポイントガードとは,ポイント部に用いるガード | switch point guard |
e) レール
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
501 | 基本レール | 基本レールとは,トングレールが接するレール | stock rail |
502 | 主レール | 主レールとは,クロッシングと一対で軌間を構成し,ガードレール(518)が近接して設けられているレール。ただし,基本レールと主レールとの間に継目がない場合は,主レールを含めて基本レールという | outside rail of guard, main rail |
503 | リードレール | リードレールとは,トングレール後端とクロッシング前端とをつなぐレール | closure rail, lead rail |
504 | スリップレール | スリップレールとは,スリップスイッチの渡り線の中で,トングレール後端相互をつなぐレール | slip rail |
505 | へ形レール | へ形レールとは,K字クロッシングの外郭を構成する「へ」の字形に曲がったレール。固定K字クロッシングの場合可動K字クロッシングの場合 | knuckle rail, obtuse crossing wing rail |
506 | 役レール (やく――) | 役レールとは,分岐器類を構成するレール。 備考 通常はトングレール,クロッシングとガードレール以外のレールをいう。 参考 役金(やくがね) | turnout rail |
507 | トングレール | トングレールとは,ポイント部に用いる,先端の頭部がとがった転換されるレール | tongue rail, switch rail, switch point, blade |
508 | 鈍端レール | 鈍端レールとは,鈍端ポイント又は鈍端形クロッシングに用いる,先端の頭部が細くなっていない転換されるレール | stub rail |
509 | 乗越レール | 乗越レールとは,乗越ポイントに用いる,先端側が本線レールにかぶさるレール | elevated rail |
510 | 帽子形レール | 帽子形レールとは,主として分岐器に用いる頭部と腹部とが同じ厚さで,断面が帽子形状のレール | full web rail |
511 | Sレール | Sレールとは,主として分岐器に用いる腹部を厚くした,特殊断面形状のレール。ただし,帽子形レールを除く | S-type thick web rail |
512 | 可動レール | 可動レールとは,可動クロッシングに用いる,転換されるレール | movable rail |
513 | ウィングレール | ウィングレールとは,クロッシングを構成するノーズレール(514)の外側のレール。 参考 翼レール | wing rail |
514 | ノーズレール | ノーズレールとは,クロッシングを構成する,先端の頭部がとがったレール。 参考 鼻端レール | nose rail, point rail |
515 | 長ノーズレール | 長ノーズレールとは,2本のレールでノーズレールが構成された場合,クロッシング交点の近くに先端が出ている方のレール。 参考 鼻端長レール | long point rail, point rail |
516 | 短ノーズレール | 短ノーズレールとは,2本のレールでノーズレールが構成された場合,長ノーズレールに組み合わせるレール。 参考 鼻端短レール | short point rail, splice rail |
517 | クロッシング構 | クロッシング構とは,ノーズ可動クロッシングの可動レールを取り付けるレール | crossing block |
518 | ガードレール | ガードレールとは,ガードと固定K字クロッシングを構成する,車輪背面に接して車輪を誘導するレール。 例1. | guard rail, check rail |
519 | 熱処理トングレール | 熱処理トングレールとは,レール頭部を熱処理したトングレール | heat treated tongue rail |
520 | 熱処理ガードレール | 熱処理ガードレールとは,レール頭部を熱処理したガードレール | heat treated guard rail |
f) 部品
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
601 | 転てつ棒 | 転てつ棒とは,転換装置とつなぐために,トングレール又は可動レールに取り付ける棒。 参考 タイバー | switch rod, drive rod, head rod |
602 | 控え棒 | 控え棒とは,トングレールの横たわみを減らすために,左右のトングレールをつなぐ棒 | stretcher bar, back rod, helper rod |
603 | 連結板 | 連結板とは,転てつ棒又は控え棒を取り付けるため,トングレール又は可動レールに取り付ける金具 | clip, bearing clip |
604 | 止め金具 | 止め金具とは,トングレール又は可動レールが車輪横圧でたわまないように,レールの腹部に取り付ける金具 | stud, stop |
605 | 間隔材 | 間隔材とは,間隔を保つために,近接したレールの腹部間に取り付ける金具 | filler, block |
606 | カラー | カラーとは,間隔を保つために用いる,円筒形の金具 | collar |
607 | 座金 | 座金とは,ボルト・ナットを用いてレール底部を締結する金具,とボルト・ナットの座面に挿入する金具 | clip plate, washer |
608 | レールブレス | レールブレスとは,レールの転棟防止用に,レールの腹部又は首部に当てる締結金具 | rail brace |
609 | 床板 (しょうはん) | 床板とは,主に2本以上のレールの下に敷く鋼板で,ポイント・クロッシングとガードを構成する部品 | base plate, (slide, bed, heel) plate |
610 | 分岐タイプレート | 分岐タイプレートとは,分岐器類に用いる目的で設計されたタイプレート | tie plate |
611 | 分岐継目板 | 分岐継目板とは,分岐器類に用いる目的で設計された継目板 | fish plate, joint bar |
612 | 丸止めくぎ | 丸止めくぎとは,分岐器類に用いる目的で設計された犬くぎで,床板,分岐タイプレートなどをまくらぎに取り付けるときに用いる,幹部の断面が円形のくぎ | dog spike (round stem) |
613 | 角止めくぎ | 角止めくぎとは,分岐器類に用いる目的で設計された犬くぎで,床板,分岐タイプレートなどをまくらぎに取り付けるとき又は継目部のレール締結に用いる,幹部の断面が角形のくぎ | dog spike (square stem) |
614 | ファングボルト | ファングボルトとは,頭部に回り止め用のつめ付き座金をもち,まくらぎの下からレール,床板などを固定するボルト | fang bolt |
615 | 補支材 | 補支材とは,乗越レールを構成する。本線レールにかぶさる部材 | run-over block connect with elevated rail |
616 | 分岐まくらぎ | 分岐まくらぎとは,分岐器類に用いるまくらぎ | switch sleeper, switch tie |
617 | まくらぎ継手 | まくらぎ継手とは,まくらぎを長さ方向につなぐ継手金具 | sleeper joint, tie joint |
618 | ゲージタイ | ゲージタイとは,軌間保持のため左右のレールをつなぐ器具(JIS E 3013参照) | gauge tie |
619 | ゲージストラット | ゲージストラットとは,軌間縮小防止のために用いる器具。 例 | strut, gauge strut |
620 | 床敷板 (とこしきいた) | 床敷板とは,分岐器と転換鎖錠装置との固定などに用いる鋼板 (JIS E 3013参照) | sole plate |
621 | ポイントリバー(おもり付き) | ポイントリバーとは,おもり付きのポイント転換装置。 参考 だるま | switch box with weighted lever |
622 | ポイントリバー(S形) | ポイントリバーとは,クランクによる鎖錠機構をもち,背向割りだし可能なポイント転換装置 | ― |
623 | 横圧受装置 | 横圧受装置とは,直結分岐器で,床板,分岐タイプレートなどの固定に用いる装置 | direct fixation device |
624 | 転てつ棒ボルト | 転てつ棒ボルトとは,転てつ棒を連結板に取り付けるボルト。 参考 タイバーボルト | switch rod bolt |
g) 線形その他
番号 | 用語 | 詳細・説明 | 英語(参考) |
---|---|---|---|
701 | 分岐器類の線形 | 分岐器類の線形とは,分岐器類の基本的平面形状と寸法 | geometry of turnouts and crossings, alignment |
702 | 軌間線欠線 | 軌間線欠線とは,軌間線(765)が中断している部分 | gap in gauge line |
703 | 分岐器類のスケルトン | 分岐器類のスケルトンとは,分岐器類の最も簡略化した線形で,分岐交点,分岐方向,並びに分岐器の前端と後端を図に表したもの。 参考 スケルトン | skeleton |
704 | リード長 | リード長とは,トングレール先端からクロッシング交点までの,トングレール先端における基準線基本レールの接線方向の直線距離 | lead, lead length |
705 | 理論リード長 | 理論リード長とは,入射角がない分岐器で,基準線基本レールと分岐線トングレール理論上の先端との接点からクロッシング交点までの,接点における基本レールの接線方向の直線距離。 例1. | theoretical lead |
706 | 実際リード長 | 実際リード長とは,入射角がない分岐器で,分岐線トングレール先端からクロッシング交点までの,基準線基本レールと分岐線トングレール理論上の先端との接点における基本レールの接線方向の直線距離 | actual lead |
707 | 基準線 | 基準線とは,分岐器を構成する軌道のうち,基準となる軌道 | main line, main track |
708 | 分岐線 | 分岐線とは,分岐器を構成する軌道のうち,基準線から分かれる軌道 | branch line, diverged line |
709 | 基準線半径 | 基準線半径とは,基準線の軌道中心半径。ただし,振分分岐器の場合は,基準線の外軌の半径 | radii of main line (or track) |
710 | 分岐線半径 | 分岐線半径とは,分岐線の外軌の半径 | radii of branch line |
711 | リード半径 | リード半径とは,リード曲線の外軌の半径 | radii of lead curve |
712 | クロッシング交点 | クロッシング交点とは,クロッシングにおける二つの軌間線の交点 | theoretical intersection point of crossing, theoretical point |
713 | 分岐交点 | 分岐交点とは,クロッシング後端位置で分岐線の軌道中心線の接線が,基準線の軌道中心線と交わる点 | turnout middle point |
714 | 分岐角 | 分岐角とは,クロッシング後端位置で分岐線の軌道中心線の接線が,分岐交点における基準線の軌道中心線の接線となす角(分岐交点における交角)。 例1. θ:クロッシング角 α:分岐角 | turnout angle |
715 | クロッシング角 | クロッシング角とは,クロッシング後端位置で,二つの軌間線の接線がなす角,又はクロッシング交点における軌間線の交角(JIS E 1301参照)。 備考 曲線分岐器・曲線ダイヤモンドクロッシングのクロッシングと三枝分岐器,複分岐器,三線式分岐器などの中央のクロッシングの場合は,通常後者を意味する | crossing angle |
716 | クロッシング番数 クロッシング角を,次の式のNで表したもの。 | クロッシング番数クロッシング角を,次の式のNで表したもの。とは,N = 1/2 × cot θ/2 N:クロッシング番数 θ:クロッシング角 | crossing number |
717 | 分岐器の番数 | 分岐器の番数とは,分岐器が分岐する度合いを示すもので,その分岐器に用いるクロッシングのクロッシング番数で表す | turnout number |
718 | ダイヤモンドクロッシングの番数 | ダイヤモンドクロッシングの番数とは,ダイヤモンドクロッシングの交差角を示すもので,そのダイヤモンドクロッシングに用いるクロッシングの場合には二つの軌道中心線の交角をクロッシング角として,そのクロッシング番数による | diamond crossing number |
719 | シーサースクロッシングの番数 | シーサースクロッシングの番数とは,シーサースクロッシングに用いる主な分岐器の番数で表す | scissors crossing number |
720 | 振分率 (ふりわけりつ) | 振分率とは,振分分岐器において,分岐角を直線軌道の延長線によって振り分けた比率で次の式によってm:nで表す。 | split ratio of turnout |
721 | 入射角 | 入射角とは,主に,ポイント前端における分岐線外軌と基本線基本レールとの軌間線が交わる角度。 例 直線ポイントの場合 | switch angle, entry angle |
722 | 走入角 | 走入角とは,走行する車輪がレールに当たる角度。 参考 アタック角 | angle of attack |
723 | 誘導角 | 誘導角とは,ガードレールとウィングレールの誘導部の,フランジウェー幅をてい(逓)減する角度。 例 ガードレールの場合 参考 導入角 α,β:誘導角 | flare angle |
724 | 無誘導長 | 無誘導長とは,固定K字クロッシングなどの軌間線欠線部において,ガードレールによる車輪の誘導がない区間の長さ | guideless length |
725 | リード曲線 | リード曲線とは,リード部の曲線 | lead curve |
726 | 分岐 | 分岐とは,一つの軌道から他の軌道が分かれること | branching, diverging |
727 | 分岐付帯曲線 | 分岐付帯曲線とは,分岐器内とその前後の曲線 | curve incidental to turnout |
728 | 分岐器内曲線 | 分岐器内曲線とは,分岐付帯曲線中の分岐器内の曲線。 参考 分岐内曲線 | turnout curve |
729 | 分岐器後方曲線 | 分岐器後方曲線とは,分岐器後端に近接した曲線 | curve behind turnout, second curve of turnout |
730 | 分岐器前端 | 分岐器前端とは,分岐器の分岐する手前の基本レール端の位置 | beginning of turnout |
731 | 分岐器後端 | 分岐器後端とは,分岐器の分岐した後の基準線と分岐線の,最遠のクロッシング端又はレール端の位置 | end of turnout |
732 | ポイント前端 | ポイント前端とは,ポイントのトングレール先端の位置。ただし,両トングレール先端位置が食い違っている場合は,分岐器前端に近い方をいう | toe of switch, front of switch, point of switch |
733 | ポイント後端 | ポイント後端とは,ポイントのトングレール後端の位置。ただし,両トングレール後端位置が食い違っている場合は,分岐器後端に近い方をいう | heel of switch |
734 | トングレール先端 | トングレール先端とは,トングレールの頭部がとがった方の端。 参考 トングレール前端 | real switch toe, toe of tongue rail |
735 | トングレール後端 | トングレール後端とは,トングレールの他のレールと接続する側との端 | heel of tongue rail |
736 | クロッシング前端 | クロッシング前端とは,クロッシングのポイント側の端 | toe of crossing |
737 | クロッシング後端 | クロッシング後端とは,クロッシングの分岐器後端側の端 | heel end of crossing |
738 | クロッシングの前端長 | クロッシングの前端長とは,クロッシングの交点からクロッシングの前端までの長さ | toe length of crossing |
739 | クロッシングの後端長 | クロッシングの後端長とは,クロッシングの交点からクロッシングの後端までの長さ | heel length of crossing |
740 | 先端の開き | 先端の開きとは,トングレール又は可動レールを転換して開いた場合,これらの先端と基本レール又はへ形レールとの間隔 | opening at the switch toe |
741 | クロッシング前端の開き | クロッシング前端の開きとは,クロッシング前端の軌間線の間隔 | toe spread |
742 | クロッシング後端の開き | クロッシング後端の開きとは,クロッシング後端の軌間線の間隔 | heel spread |
743 | 行程 | 行程とは,トングレール又は可動レールを転換するとき,これらの転てつ棒の位置における移動量 | throw of switch, opening at the drive |
744 | フランジウェー | フランジウェーとは,近接したレール間を車輪フランジが通る場合の,レール頭部間のすきま | flangeway |
745 | フランジウェー幅 | フランジウェー幅とは,フランジウェーの軌間線位置における幅 | flangeway width |
746 | フランジウェーの深さ | フランジウェーの深さとは,レール面から,フランジウェーの下にある間隔材などの上面までの深さ。 例 ガードの場合 単位mm | flangeway depth |
747 | レールの弾性部 | レールの弾性部とは,弾性ポイントのトングレールなどにおいて,転換するとき横にたわみやすくするために底部幅を縮小した部分 | flexible portion of tongue rail |
748 | ピボット | ピボットとは,トングレール後端部などで,回転中心となる円柱形又は半円柱形の軸 | pivot |
749 | 鼻端 (びたん) | 鼻端とは,ノーズレールの頭部がとがった端部 | nose, crossing nose, frog point |
750 | ウィングレール盛上げ部 | ウィングレール盛上げ部とは,鼻端(749)付近を通過する車輪の落ち込みを防止する目的で,ウィングレール乗移り部を高くした部分 | wing wheel risers |
751 | 誘導部 | 誘導部とは,ガードレール,ウィングレールなどにおいて,車輪を基準のフランジウェーに誘導する部分。 参考 導入部 | flare portion |
752 | 誘導部の開き | 誘導部の開きとは,誘導部におけるフランジウェーの最も広い幅。 参考 導入部開き | flare opening |
753 | 導線 | 導線とは,ガードレール,ウィングレールなどのフランジウーにおいて,車輪の背面を誘導する軌間線に対応た線。 例 ウィングレールの場合 | guard line |
754 | バックゲージ | バックゲージとは,ガードレールの導線と,対応するノーズレールの間線との距離。 | guard check gauge, dimension for point protection |
755 | ガード面距離 | ガード面距離とは,ガードレールとウィングレールとの導線間距離。 | guard face gauge |
756 | 縦距 (じゅうきょ) | 縦距とは,曲線又は折線の形状・寸法を表す値で,一直線かの垂直距離で示す。 例1. 例2. 例3. | offset |
757 | 突合せ | 突合せとは,二つの分岐器の前端が近接している状態。 | toe to toe layout of turnouts |
758 | 突付け | 突付けとは,分岐器の前端が,他の分岐器の後端に近接してい状態。 | toe to heel layout of turnouts |
759 | 対向 | 対向とは,分岐器の前端側から後端側への向き。 | facing |
760 | 背向 (はいこう) | 背向とは,分岐器の後端側から前端側への向き。 | trailing |
761 | トングレールの接着 | トングレールの接着とは,圧力なしでトングレールが,基本レールと所定の分で一様に接している状態。 | contact of switch |
762 | トングレールの密着 | トングレールの密着とは,接着状態にあるトングレールが,基本レールに圧をもって接している状態。 | fixing of switch |
763 | 定位 | 定位とは,分岐器類の常時開通している方向。 | normal positoin |
764 | 反位 | 反位とは,分岐器類の常時開通していない方向。 | reverse positoin |
765 | 軌間線 | 軌間線とは,軌間を表示する場合のレール面から14mm下がた位置の線 | gauge line |
766 | 外軌 (がいき) | 外軌とは,曲線軌道において,軌道中心線より外側のレール。参考:軌道中心線より内側のレールを内軌という。 | outside rail |
767 | ガードの有効長 | ガードの有効長とは,ガードにおいて,基準のフランジウェー部分のさ。 | actual length of guard |
鉄道 分岐 関連 主なJIS規格 一覧
規格番号 | 規格名称 | 規格番号 | 規格名称 |
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JIS E 1101 | 普通レールと分岐器類用特殊レール | JIS E 1306 | 鉄道用分岐器類のクロッシング-形状と寸法 |
JIS E 1301 | 鉄道用分岐器類の番数 | JIS E 1307 | 鉄道用分岐器類のガード-形状と寸法 |
JIS E 1303 | 鉄道用分岐器類 | JIS E 1311 | 鉄道-分岐器類用語 |
JIS E 1304 | 鉄道用分岐器類の線形 | JIS M 6511 | 鉱山軌道用分岐器類 |
JIS E 1305 | 鉄道用分岐器のポイント-形状と寸法 |